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JMWEアドオンを使って、バーンダウンチャートを見やすくした話

Last updated at Posted at 2018-08-16

はじめに

私が属するアジャイル開発のチームでは、進捗管理に「バーンダウンチャート」を使っています。

管理する上で、
「作業は進んでるはずなのに、チャートに変化がなくて進捗がよくわからない!」
「チャートを見積・実績時間で見ようとしているけど、時間の入力は手間がかかる!」
など思ったことはないでしょうか?

今回は、そんな悩みをJMWEアドオンを使って解決した事例を紹介します。

JMWEアドオンとは?

「Jira Misc Workflow Extensions」の略で、アトラシアン公式の有償アドオンです。
名前の通り、JIRAのワークフロー機能を拡張してくれます。

問題となっていたこと

バーンダウンチャートを見ても、進捗がよくわからない・・・

作業はチケットごとに分け、チケット毎に見積を行い、「ストーリーポイント」を割り振ります。
バーンダウンチャートでは、この「ストーリーポイント」の消化状況を見て進捗が遅れているかどうかを確認していました。

しかし、チケットが完了するまでチャートのグラフに変化がないため、
グラフを見ても「・・・これって、進んでるの?遅れてるの?」という判断ができない状態でした。

01_burndownchart_storypoint.png

「ストーリーポイント」以外でチャートを見る方法はないか?

数値項目のカスタムフィールドを作成すれば、その項目を「バーンダウンチャート」の指標として扱うことができます。
ただ・・・、新たに項目に、チケットを移動させるたびに何か値を設定するような運用は、ものすごく手間がかかるため現実的ではありません。

また、見積と実績の時間を入力した上で、それをバーンダウンチャートで見る方法もあります。
この方法は細かく状況を把握するには適していますが、見積時間と実績時間をしっかりと入力しなければいけないため、
多少なりとも手間ですし、入力し忘れに気をつける必要があるなど、開発者への負担かなと思います。。。

もっと簡単で有用な方法はないか?

目的は、「作業の進捗が開発の途中経過の段階でわかるようにすること」なので、
チケットのステータスが変わるごとに、バーンダウンチャートが変化させることができれば良いはず・・・。

そこで、新たに**「残ストーリーポイント」というカスタムフィールドを作成し、その項目に計算式で値を埋める**ことが出来ないか、試して見ました。

(↓選択肢)
08_burndownchart_selecting.png

例えば、以下のような感じです。
例)
  <ワークフロー>
  [To Do] → [In Progress] → [In Review] → [Test] → [Done]

  ストーリーポイントが5ptの作業のステータスを「In Review」に変更した場合、
   5pt * 50% = 2.5pt
  として、残ストーリーポイント項目に「2.5」をセットする。

ワークフローのトランジションの「事後操作」

JIRAのワークフローでは、チケットの移動(トランジション)を行った後の操作、で様々な処理を行うことができます。(事後操作)
JIRAの標準の設定方法でも、「事後操作」でチケットの値を更新するなどの操作はできます。
ただし、今回やりたいことは、「ストーリーポイントに対する掛け算」のため、計算式を書く必要があります。
この場合、JIRA標準の方法では実現ができませんでした。
そこで、JMWEアドオンの出番です。

JMWEアドオンを使う

「事後操作」で、計算式の結果をセットする

ワークフローのトランジションの「事後操作」として、計算式をセットするようにします。

手順

  1. ワークフロー画面でトランジションを選択した状態で、「事後操作」を選びます。
02_workflow.png
  1. トランジションの画面で「事後操作を追加」を選びます。
03_workflow_transition_setting_view_before.png
  1. 「Set field value (JMWE add-on)」を選びます。
04_workflow_transition_setting_selecting.png
  1. Fieldに「残ストーリーポイント」を選択し、Value欄に計算式を書きます。
    例: {{issue.value["Story Point"] * 0.5}}

  2. 1〜4の作業を、すべてのトランジションに設定します。

設定した後の状態

こうなります!
setting_after.png

設定後・・・

スプリントを開始して、作業を開始しましょう。
チケットのステータスを移動させると、残ストーリーポイント項目の値が自動で変わってくれます。

「残ストーリーポイント」でバーンダウンチャートを見てみる

運用開始してから数日経った時点で、残ストーリーポイントを指標としたバーンダウンチャートはこんな感じになりました。
07_burndownchart_remaining_story_points.png

劇的に見やすくなりました!!

注意点

スプリントの途中でストーリーポイントを変更した場合、残ストーリーポイントの値が変わってくれませんので、
手動で値を変更する必要があります。
ただし、スプリントの途中でストーリーポイントを変更するというのは、そもそもやらない方が良いことなので、イレギュラーケースとして手動で変更するのは致し方ないのかなと思います。

以上

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