Sysmac Studioを扱う上で、知っておくと便利な機能や落とし穴をまとめました。
思いついたら都度追記します。
1. Ethernet直接接続機能
Sysmac Studioは、接続したい機器にIPアドレスが設定されていなくても、PCと機器をLANケーブルで直接接続することで通信が可能です。
ただし、PCのどのネットワークカードを使用するかはSysmac Studio上では選択できません。この設定を行うには、以下の専用ツールを使用します。
Direct Ethernet Utilityの起動:
"C:\Program Files (x86)\OMRON\Communications Middleware\DirectEthernetUtility.exe"
このツールを起動して、使用するネットワークカードを選択してください。
2. オートアップデートに失敗した場合の対処法
Sysmac Studioのオートアップデートが正常に完了しない場合、バージョンアッププログラムを個別にダウンロードしてインストールする方法があります。
この方法を取る場合、インストールの順番に注意が必要です。特に、以下の2つのファイルは最初にインストールする必要があります。
-
Communications Middleware (
Cmw
で始まるSetup.exe) -
共通コンポーネント (
Cmn
で始まるSetup.exe)
その他のファイルについては、インストール順序に制約はありません。
参考情報:
Sysmac Studio バージョンアップ プログラムの各ファイルにインストール順序はありますか?
バージョンアッププログラムのインストール例(Ver.1.63)
All-Smc2507_0161Setup.zip
に含まれるファイルは、以下の順番でインストールしてください。
Cmw2304_0101Setup.exe
Cmn2404_0403Setup.exe
Cmn2507_0401Setup.exe
上記3つをインストール後、以下のファイルは順不同でインストールできます。
Sdc2507_0161Setup.exe
Sdh2507_0161Setup.exe
Sds2507_0161Setup.exe
Sdv2010_0161Setup.exe
Smc2507_0161Setup.exe
Sno2304_0161Setup.exe
Ssm2507_0161Setup.exe
CXCommonTools2507_01.zip
に含まれるファイルも同様に、最初に共通コンポーネントをインストールします。
Cmn2404_0403Setup.exe
Cmn2507_0401Setup.exe
その後、以下のファイルは順不同でインストールしてください。
Int2401_0401Setup.exe
Ntc2507_0401Setup.exe
Prt2101_0401Setup.exe
Cdm1711_0401Setup.exe
Cnf2504_0401Setup.exe
Dsn2310_0401Setup.exe
3. Ethernet/IPのエラーコードを調べる
Sysmac Studioの診断画面でEthernet/IP通信のエラーが発生した場合、エラーコードのみが表示され、詳細がすぐに分からないことがあります。
エラーコードの詳細を知りたい場合は、以下のサイトで知ることが可能です。
EtherNet/IP Error Decoder:
https://store.omron.com.au/knowledge-base/ethernetip-error-decoder
4. 項目の色分け
マルチビューエクスプローラの四角部分を押すと色が選択でき、目印に使えます。
ただしPLCに転送して吸い出すと、黒色に戻ります。
ソースコードに含まれてるわけではないようです。
5. NAシリーズのOSとデータ型の違いについて
NAシリーズのプログラマブルターミナルは、Sysmac Studioと組み合わせて使う際に、スクリプト言語がVBであったり、PLCとデータ型の名称が異なる場合があります。
これは、NAシリーズのOSがWindows CEをベースにしていることが理由かもしれません。
NAタッチパネルの電池蓋を外すと、Windows CEのライセンスシールを確認できます。
海外のフォーラム情報によると、SDカードにバイナリファイルを入れて実行することもできるようです。
参考フォーラム:Omron NA5-7W001 - MrPLC.com
6. NAシリーズプロジェクトの比較方法
Sysmac StudioではPLCのプロジェクトファイル同士の比較機能がありますが、残念ながらタッチパネルのプロジェクトにはこの機能がありません。
しかし、以下の手順で、プロジェクトの変更箇所をある程度確認することが可能です。
同期機能を使った比較
NAタッチパネルが手元にない場合でも、USBメモリを使うことでプロジェクトの差異を確認できます。
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比較元のプロジェクトを開き、USBメモリにプロジェクトファイルを転送する
- PCにUSBメモリを接続します。
- Sysmac Studioで比較元のプロジェクトを開き、[HMI] > [同期] > [記憶メディア] を選択します。
- [転送(パソコン → メディア)] を押すと、NAのバイナリファイルがUSBメモリに転送されます。
-
比較したいプロジェクトとUSBメモリのファイルを比較する
この方法を使えば、変更内容の全体像を把握するのに役立ちます。参考程度に。
7. データの保存先
プロジェクトファイルで管理する にチェックしてを入れない場合の保存先です
C:\Omron\Data\Solution に格納されます
少し重くなりますがプロジェクトファイルで管理した方が圧倒的に楽です。
8. アンインストール
OMRON Automation Software Remover を使用すると一括で削除が可能です