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MELSEC iQ-F FX5U-32Mを分解してみた

Last updated at Posted at 2021-11-20

はじめに

新鮮とれたての活きの良いPLCを手に入れたので、3枚おろしにしてみました。

ネジは4本しかなく、周りの樹脂ケースのはめ込みで基板は固定されています。コストダウンですね。

これだけの機能があって4万円台なので、なかなかコスパよいのでは。

1637370005191.jpg

分解編

1637370004836.jpg

POW基板

電源基板です。

仕様:

  • 定格DC24V(-30%,+20%)電源仕様
  • 入力範囲:DC16.8~28.8Vまで許容

つまり内部で安定した24Vを作るには、DC-DCコンバータを使いDC24Vの定電圧にする必要があります。

構成:

  • 真ん中に白い太線があり、上側が1次側、下側が2次側
  • 1次側と2次側は絶縁されています
  • TL494CNという電源用のPWM制御ICで発振させ、**MOSFET(FET1,2)**で直流入力をスイッチングしてトランスを動かします
  • 2次側のダイオード(DA2)で整流され、電解コンデンサで平滑化して24Vを作ります
  • 1次側への電圧フィードバックはPC2,3のフォトカプラでICに伝えます
  • 左下のNR111E(降圧スイッチングレギュレータ)でDC24VからDC5Vも作ります

PC1のフォトカプラは電源回路の入り口についていて、PLCへの入力電圧が無くなるとすぐにOFFするような回路構成です。これは推測ですが、電源断をいち早くマイコンに伝えて瞬停検出をするのではと思います。

DSC_3542.jpg
DSC_3546.jpg

I/O基板

DI/DOの制御基板です。増設ユニットのコネクタもあります。

入力回路:

  • 入力はフォトカプラで絶縁されています
  • X000~X005(TLP2395)とX006~X017(TLP292)でフォトカプラが違うのは、X000~X005が200kHzパルス入力対応だからと思います

出力回路:

  • 出力はTD62083AFNG(8chダーリントンシンクドライバ)を経由してAPAN3124(リレー)を作動させます
  • 左にNR111E(降圧スイッチングレギュレータ)があるので、ここではDC3.3Vを作っているようです

基板の共通性:
シルク印刷を見ると、FX5U-32MR/DSとFX5U-32MR/ESで基板は共通らしいですが、部品の実装が違うようです。MR/ESはAC電源仕様でDC24Vサービス電源の端子があるので、そこが違う点です。

DSC_3531.jpg
DSC_3534.jpg

CPU基板

CPU基板です。

コネクタ:

  • 拡張ボード
  • RS-485
  • Ethernet
  • アナログ入力
  • オプションバッテリ

主要部品:

  • Renesas R5F564MLDDFC(RX64M、120MHz、Flash 4MB、RAM 512KB)マイコンを使用
  • 裏面のICは型番で出てこないので専用品かもしれません
  • スーパー・キャパシタは3.5V 0.47Fです

DSC_3527.jpg
DSC_3528.jpg

IF基板

SDと拡張アダプタ用の端子がある基板です。

DSC_3535.jpg
DSC_3538.jpg

修理編

実は金がないので、このPLCはジャンクで安く手に入れて自分で直しました。ストリートジャンカーなので😤

壊れたPLC

1637370004836.jpg

電源をつないでも動作しませんでした。

症状:

  • ヒューズが切れていたので、ヒューズをその辺に転がってたポリスイッチに変えてみましたが、それでも動きません
  • 写真はないですが、このとき外部電源のLCD表示は電流は2Aで電圧は3V程度に低下していました
  • しかし導通を見ても短絡はされていないようでした

謎は深まるばかり。とりあえず寝ることにしました。

使用電源:
ちなみに写真の青い電源は、ハードオフで買ったノートパソコン用の19.5V電源とAliExpressで買った杭州睿登科技有限公司のDPS3003を組み合わせでできています。電流制限ができるので便利です。(電圧が18.6Vなのはそのため)

スイッチング電源の勉強

まずは勉強です^^
なるほどなるほど

参考資料:

アプリケーション・ノート:
Isolated Multiple Output Flyback Converter Design Using TL494

MOSFETを変えてみる

ヒューズを短絡したら電流は2Aも流れてしまいました。負荷がないのに2Aも流れるわけはないのです。

ここでMOSFETについて調べていたら、MOSFETは壊れるとショートモードになるというのを見つけました。つまりMOSFET壊れてショートしているのではと思ったのです キラーン👓

電源に電流表示ありの電源装置を使って故障箇所を特定するのは、YouTubeのジャンク品修理動画を見て学びました。なんでも勉強できるYouTube便利な時代です。

RDN100N20はROHMのN-Channel MOSFETです。

image.png

これの代わりの物を秋月電子で探さないと🤮

東芝TK10A60D 1個100円

image.png

VDSSが600V以外はだいたい似ているから、これでいけるのかな?VDSSが大きすぎると損失が大きいらしいけど、まあ負荷なんてかけないから大丈夫やろ。(しらんけど)

MOSFETを購入後に外してみたら、結果2個あるMOSFETのうち片方は常に導通でした。2個買ったので両方変えましたが。

1637370005361.jpg

大勝利

これで今日は寝られます。

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