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段階別 市民開発者がぶつかる課題

Last updated at Posted at 2024-12-12

はじめに

この記事は Power Apps Advent Calender 2024 13日目の記事です。

自己紹介

株式会社BizOptimars 在籍。
主に Power Platform を活用した市民開発者の支援業務をしています。

市民開発者の方がたどるステップ

Power Platform に出会ってもうすぐ6年。

さまざまなお客様が、自分達で Power Apps のアプリや Power Automate のフローを作成して業務改革を行う際の併走をさせていただきました。

そんな中、皆様の Power Platform の習熟度・社内での活用度が上がっていく段階に応じて、共通した課題にぶつかる事に気がつきました。

今回は、段階別にご紹介したいと思います。

段階1:Power Platform で開発スタート

まずは触って Power Platform を体験してみる。小さな単位でもかまわないのでアプリやフローを作成して成功体験を重ねていく段階。

その時に大切なのは、仲間を作る、コミュニティを活用する事だと感じます。

つまずいてしまった時に、一人で解決しようとするのではなく、アドバイスを求める先がある、いろんな事を共有する場所がある事は理解を深める、喜びを感じるための重要ポイントだと思います。

「わからないことが出てきた時に質問やアドバイスを求める先がなくて困っていたのですが、こうやって質問することができるようになって良かったです」
という言葉を何回もいただきました。
やりがいにつながっています!

段階2:業務運用を考えた開発

アプリやフローをひと通り作成できるようになり、自分達で開発したものを実際に業務の中で使う段階になると、お客様から共通して受ける質問がいくつかあります。

データソース設計・運用で困る

この段階では、多くのお客様がデータソースとして SharePoint Lists を選択されます。
最初の段階では特に気が付かないのですが、運用期間が長くなってくると困った問題にぶつかります。

  • 列の数が多すぎて管理に困る
  • その都度必要な列を追加していく内に、複数の SharePoint Lists 内で重複した内容の列ができてしまう
  • 組織の部署変更に対応できない
  • 格納件数が多くなりすぎて、キャンバスアプリのフィルターをかける際にデータ取得件数をオーバーして、適切なフィルターをかけることができない
  • データソースに格納しているデータを使って、Power BI のレポートを作成したいのだが、データ整形がやりにくい
  • 複数でアプリやフローの管理を行う際に、設計内容をドキュメントに残していないため属人化してしまう

などです。

私自身も、特にデータソースの設計をどのように行えばいいのか壁にぶつかったときがありました。今もぶつかり中です。市民開発者の方にとって、指摘を受けないと気が付かない部分が多くあります。

こんな時は、プロ開発者のアドバイスを求めることも大切だと考えます。
私も今まで何回も社内で知見を持った人や、業務でご一緒したエンジニアの方に質問をしました。

段階3:社内管理を考えた開発

社内で Power Platform 活用が広がってきた段階で受ける代表的な相談は以下のような内容です。

運用で困る

  • アプリやフローについて、社内から問い合わせが来る。どんな体制を取ればいいか
  • アプリやフローのエラーが発生して業務が止まる。エラーが起こった際の処理を入れていなかった
  • データソースに格納されているレコード件数が多くなりすぎて困っている
  • アプリやフローを環境移動させたいが、ソリューションを使ってまとめていない
  • Dataverse をデータソースとして使いたいが、セキュリティロールはどうやって設定すればいいのか
  • いきなり本番環境でアプリを開発。そのまま実際の業務で使っている。アプリの改修を行いたいが、日々使っているアプリの使用を止めるわけにもいかない。どうすればいいか?

管理で困る

  • 社員が作成したアプリやフローが環境内にたくさんある。どうやって管理をすればいいか

  • アプリの名前やデータソースの名前をそれぞれ好きなように命名している。管理しにくい

アプリやフローを使う人数が増えて規模が大きくなってくると、安定した運用を考えた開発が必要になってくることを実感します。

またこの段階になってくると、環境の管理、ソリューションを使った開発、ガバナンスを整備する必要性があることに気が付きます。

段階に応じた課題・悩みに対応できるようになりたい

個人的には、2024年は環境管理やガバナンスの重要性に気が付いた1年でした。
お客様の状況に応じて多角的な視点で支援ができるようになるのが来年の目標です!

Power Platform は奥が深いです。まだまだ研鑽を積み上げたいと思います。

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