LoginSignup
3
5

More than 5 years have passed since last update.

回路シミュレーション LTspice の使い方(4) 「ウィーンブリッジ発振回路」FETで自動ゲイン制御する

Last updated at Posted at 2016-03-21

概要

「ウィーンブリッジ発振回路」をFETで自動ゲイン制御する

はじめに

前回、「回路シミュレーション LTspice の使い方(3) 「ウィーンブリッジ発振回路」の挙動」で作成した発振回路では、規定の増幅率(ゲイン)の維持が難しく、正弦波のピークが歪んでしまった。
http://qiita.com/exabugs/items/fd447b7bdf578c832c4b

その後の調査で、接合型FET で自動ゲイン制御 (AGC (Automatic Gain Control)) できることがわかり、早速、試してみる。

接合型FET

まず、LTspiceにFETモデルを追加する。
「秋月」で入手可能な接合型FETで、かつ、LTspiceモデルがある部品を探す。

東芝製 接合型 FET 「2SK369V」 がよさそう。

「東芝製 接合型 FETモデルをLTSpiceに追加する」
http://www.eleki-jack.com/audio2/2009/10/_fetltspice.html

上記対応済みの部品セットをGithubで公開しておきます。(LTspiceのlib配下)
https://github.com/exabugs/LTspice

部品配置

「2SK369V」 を配置するには、まず 「njf」を配置して、
スクリーンショット 2016-03-21 23.29.47.png

「Pick new transistor」で 「2SK369V」 を選択する。
スクリーンショット 2016-03-21 23.31.47.png

回路図

AGC (Automatic Gain Control) として 「2SK369V」 を追加した回路が以下

スクリーンショット 2016-03-21 23.16.20.png

シミュレーション結果

(青いラインは、FETのゲートに加わるゲインの制御信号の様子)
スクリーンショット 2016-03-22 0.20.15.png

頂点部分を拡大
おぉ!歪んでいない!
スクリーンショット 2016-03-21 23.35.43.png

時間軸を拡大
まずまず綺麗な正弦波に改善されている。
スクリーンショット 2016-03-22 0.25.39.png

FFT結果
スクリーンショット 2016-03-22 22.22.39.png

まとめ

  • 接合型電界効果トランジスタ(J-FET)は低ドレイン電圧のとき、電圧で制御できる可変抵抗として動作する。
  • 「ウィーンブリッジ発振回路」において、接合型FETによって自動ゲイン制御することができるようになった。
  • 自動ゲイン制御(AGC (Automatic Gain Control)) は、とても便利だ。これは重要な回路に違いない。
  • 本当はESP8266(ESP-WROOM-02)の電子工作がしたいのに、段々と、路線が外れてきている。

参考文献

LTspiceモデル

サイト「エレキジャック」で配布しているLTspiceモデル
http://www.eleki-jack.com/

3
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
5