概要
「ウィーンブリッジ発振回路」をFETで自動ゲイン制御する
はじめに
前回、「回路シミュレーション LTspice の使い方(3) 「ウィーンブリッジ発振回路」の挙動」で作成した発振回路では、規定の増幅率(ゲイン)の維持が難しく、正弦波のピークが歪んでしまった。
http://qiita.com/exabugs/items/fd447b7bdf578c832c4b
その後の調査で、接合型FET で自動ゲイン制御 (AGC (Automatic Gain Control)) できることがわかり、早速、試してみる。
接合型FET
まず、LTspiceにFETモデルを追加する。
「秋月」で入手可能な接合型FETで、かつ、LTspiceモデルがある部品を探す。
東芝製 接合型 FET 「2SK369V」 がよさそう。
「東芝製 接合型 FETモデルをLTSpiceに追加する」
http://www.eleki-jack.com/audio2/2009/10/_fetltspice.html
上記対応済みの部品セットをGithubで公開しておきます。(LTspiceのlib配下)
https://github.com/exabugs/LTspice
部品配置
「2SK369V」 を配置するには、まず 「njf」を配置して、
「Pick new transistor」で 「2SK369V」 を選択する。
回路図
AGC (Automatic Gain Control) として 「2SK369V」 を追加した回路が以下
シミュレーション結果
(青いラインは、FETのゲートに加わるゲインの制御信号の様子)
まとめ
- 接合型電界効果トランジスタ(J-FET)は低ドレイン電圧のとき、電圧で制御できる可変抵抗として動作する。
- 「ウィーンブリッジ発振回路」において、接合型FETによって自動ゲイン制御することができるようになった。
- 自動ゲイン制御(AGC (Automatic Gain Control)) は、とても便利だ。これは重要な回路に違いない。
- 本当はESP8266(ESP-WROOM-02)の電子工作がしたいのに、段々と、路線が外れてきている。
参考文献
- 連載(2)LTSPICEで回路の検討 ウィーンブリッジ発振回
http://www.eleki-jack.com/KitsandKids2/2008/11/2ltspice.html - 電圧制御可変抵抗
http://analog-engineer.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-fec8.html - 単電源・ウィーンブリッジ発振回路 (FETでゲイン制御する)
http://kosakai.world.coocan.jp/wb_fet_tandengen.html
LTspiceモデル
サイト「エレキジャック」で配布しているLTspiceモデル
http://www.eleki-jack.com/
- 東芝製 接合型 FETモデルをLTSpiceに追加する
http://www.eleki-jack.com/audio2/2009/10/_fetltspice.html - 日本製ダイオード・モデルをLTSpiceに追加する
http://www.eleki-jack.com/audio2/2009/03/ltspice.html - LTspice用ツェナー・ダイオードのデータ
http://www.eleki-jack.com/audio2/2009/05/ltspice_1.html - 東芝製トランジスタ・モデルをLTSpiceに追加する
http://www.eleki-jack.com/audio2/2009/07/ltspice_2.html