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BoxAdvent Calendar 2022

Day 19

個人デバイスと会社デバイス向けにBoxモバイルアプリのポリシーを分ける

Last updated at Posted at 2022-12-17

Boxをモバイルデバイスから利用する際、
「同じユーザーだけど個人デバイス(BYOD)からアクセスした場合はプレビューだけ、会社デバイスからは編集もできる」
といった制御をMicrosoft IntuneのMAM (アプリ保護ポリシー)と組み合わせて実現する設定例を紹介します。

Boxモバイルアプリの種類

Boxのモバイルアプリは大きく分けて2種類あります。

  • 標準のモバイルアプリ(以下、”標準アプリ”)
  • Box for EMM

Box for EMMをMicrosoft IntuneなどのMDM/EMMソリューションから配信することで、「アクセス元のデバイス制限 (例:会社デバイスからのみBoxにアクセスさせる)」 や、「アクセス先のBoxテナント制限 (例:個人用Boxアカウントにモバイルアプリから接続させない)」 することが可能となります。標準アプリはBYODなど個人デバイスに、Box for EMMはMDM/EMMで管理された会社デバイスにインストールされて利用されます。Box for EMMについては以下ドキュメントをご参照ください。
Box for EMMの概要とFAQ

Intune MAM対応

標準アプリとBox for EMMはどちらもIntune MAMのサポート対象アプリとなっています。つまり、Intuneのアプリ保護ポリシーによって、「Boxモバイルアプリで扱うファイルの他アプリケーションへの受け渡し、コピー」などをIntune側で制御することが可能です。
保護されている Microsoft Intune アプリ

Box管理コンソールの設定

  • 管理コンソールのEnterprise設定-モバイル-Boxモバイルアプリのユーザー権限を設定します。
    image.png
  • 「デバイスにファイルを保存する」を有効化します。この設定を無効化した場合、Boxモバイルアプリ(標準アプリ、Box for EMM両方)からアクセスした場合に端末にファイルがダウンロードされず、編集が出来ません。

Boxモバイルアプリは単体では編集機能を持たないため、ファイルを端末にダウンロードしてOfficeモバイルアプリなど外部アプリケーションでファイルを開く必要があります。

  • 「コンテンツを外部アプリケーションで開く」を有効化します。
  • 「Intuneモバイルアプリケーション管理(Intune MAM)を有効化する」を有効化します。
    • この設定が有効化されたテナントの管理対象ユーザーとしてBoxモバイルアプリからログインすると、MicrosoftアカウントでのApplication Loginが求められるようになり、Intune MAMが適用されます。BYOD想定の標準アプリでIntune MAMを適用するために必要な設定(Intune MAM without Enrollment) となります。

image.png

  • その他の項目は要件に合わせて設定します。ポイントは、Box管理コンソールでは”標準アプリ”と”Box for EMM”で共通の制御になるため、「会社デバイスでは編集可能する」という緩めの要件に合わせて設定し、Intune MAM側でアプリ毎の制御をかける点です。

Intune MAMの設定

  • Box for EMM向けのアプリ保護ポリシーを設定します

    • デバイスの種類: マネージド
    • パブリックアプリ: Box for EMM, Microsoft Officeなど
    • 「データ保護」で他のアプリにデータ送信できる設定とする
  • 標準アプリ向けのアプリ保護ポリシーを設定します

    • デバイスの種類: アンマネージド
    • パブリックアプリ: “Box-Cloud Content Management”のみを指定
    • 「データ保護」で他のアプリにデータ送信できない設定とする

実際の動作

会社デバイスのiPadからBox for EMMを利用

  • "Box for EMM"をタップして起動
  • 対象のファイルをプレビューし、画面下部の矢印ボタンから編集用のモバイルアプリを選択
  • 外部アプリケーション(例: Microsoft Office)が起動し、ファイルを渡して編集

個人デバイスのiPhoneから標準アプリを利用

  • 標準アプリをタップして起動
  • 対象のファイルをプレビューし、画面下部の矢印ボタンをタップ
  • 外部アプリケーションが表示されない

上記環境ではBox管理コンソールからアプリケーションの個別管理で”Office for iOS”を無効化しています。Office for iOSにてOpen-in(他アプリで開く)を行った場合はIntune MAM対象外のデータとして取り扱われます。
image.png

まとめ

「会社管理のタブレットデバイスでBox上のファイルを編集したい。個人デバイスも使いたい声が現場から上がっているけどデータの取り扱いは注意したい」といった要望はよくあるかと思います。Boxはモバイルアプリ向けの制御機能を提供していますが、Microsoft Intuneと組み合わせてBYOD向け、会社端末向けに個別にポリシーを設定することでより柔軟な制御が可能となります。モバイルデバイスの活用を通して、より幅広い業務でBoxを使い倒していきましょう!

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