Clang を弄るための準備

Clang で AST を弄りたくて

Clang で AST(抽象構文木)をイジるために色々いじってみました。

そのための下地づくりをしたいと思います。

Clang の力を借りて何かしたいときはここから始めないといけない…。みたい。

まずは、llvmプロジェクトのリポジトリをクローンします。

$ git clone https://github.com/llvm/llvm-project.git

かなーり時間がかかりますがしかたありません。

で、Cmake をつかってビルド＆インストールをするのですが、私の環境ではNinjaを使うよりもGNU Make を使うほうがはるかに早いので以下を実行しました。

どれだけ違うかというと

ninja :165m
gmake :58m

次に、付け加えたいプロジェクトを llvm-project/clang-tools-extra のディレクトリに追加します。

$ mkdir -p ${llvm-project のディレクトリ}/clang-tools-extra/ディレクトリ名
$ vim ${llvm-project のディレクトリ}/clang-tools-extra/ディレクトリ名/ソースコード.cpp

でもって、次にこれをビルドできるようにします。

$ echo 'add_subdirectory(プロジェクト名：つまりディレクトリ名)' >> clang-tools-extra/CMakeLists.txt
$ vim clang-tools-extra/ディレクトリ名/CMakeLists.txt

以下の設定をCmakeLists.txtに書きます。

CMakeLists.txt

set(LLVM_LINK_COMPONENTS support)

add_clang_executable(プロジェクト名
  ソースコード.cpp
  )
target_link_libraries(プロジェクト名
  PRIVATE
  clangTooling
  clangBasic
  clangASTMatchers
  )

あとはソースコード.cppを畫いて、ビルドしなおします。[2]のソースコードを参考に書いてみてください。

これを含んだパッケージをビルドしてみます。

$ mkdir llvm-project-build
$ cmake3 ${llvm-project のディレクトリ} -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="clang;clang-tools-extra"  -DCMAKE_C_COMPILER=gcc -DCMAKE_CXX_COMPILER=g++  

で、ふつーにビルド＆インストールします。

$ make -j6 <-環境に合わせてください。
$ sudo make install

これで、ビルドがうまくいったら実行できるはずです。

$ ./bin/プロジェクト名 解析したいプログラム名 --

何もなければ何も起こらないのでこれでOKです。

…のはず。

これで、あとはいじっているソースコードを変更するたびに

$ make プロジェクト名

をすれば勝手にビルドしてくれます。

参考URL：
[1] https://llvm.org/docs/GettingStarted.html
[2] https://clang.llvm.org/docs/LibASTMatchersTutorial.html