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Alibaba Cloud 最新インスタンスファミリー事情 2020

Last updated at Posted at 2020-12-14

こんにちは、寺尾です。

この記事はAlibaba Cloud Advent Calendar 2020 の 14日目の記事です。

Alibaba Cloudの仮想サーバサービスはElastic Compute Service、略称を「ECS」と呼びます。某クラウドサービスのコンテナのプロダクト名と被っていると紛らわしいと言われるのですが、ご容赦ください。このECSのインスタンスファミリー事情について記事を書きます。

ECSのインスタンスファミリーが2020どんなラインナップになったかを、いろんな資料を見てまとめたので、まとめを公開したいと思います。

さて、Alibaba CloudのECSを初めとするコンピュート基盤にはX-Dragon(神龍)というAlibaba Cloud独自の基盤があります。以下はAlibaba Cloudの資料からの引用なので中国語ですが、ポイントは、マルチテナントで高負荷発生時にもパフォーマンスロスが起こらないように、リソースのアイソレーションをチップ化した上で、ディスクやネットワークのQoSをハードウェアで制御することです。こうすることで、大量のテナント・インスタンスを収容した場合でも、パフォーマンスが劣化せず、結果として普通の物理サーバで発揮できる性能を大きく超えた性能を出す事が出来るのです。

このことが、Alibaba CloudのECSを支えるコア技術となります。

image.png

そして、このX-dragonには、現在3つのバージョンがあります。2017年10月に発表された第1世代(Gen I)、2018年9月に発表された第2世代(Gen II)、そして、2019年9月に発表された第3世代(Gen III)です。

インスタンスファミリーも、どの世代に乗っているかを意識してみてみると、整理して見えてきます。ECSのインスタンスファミリーにも世代があって、X-dragonの世代とは以下のように対応しています。

  • X-Dragon 第2世代
    • ECS 第5世代 (2018)
  • X-Dragon 第3世代
    • ECS 第6世代 (2019)
    • ECS 第6世代拡張型 (2020)

毎年ECSは新世代が出ていたのですが、2020年には第7世代が正式にはリリースされず、第6世代の拡張型(Enhanced) がリリースされています。

image.png

インスタンスファミリーはたくさんあるんですが、一部主要なインスタンスを中心に紹介しますが、汎用、計算最適化、メモリ最適化の3つのタイプがあります。これらは、CPUのコア数とメモリの比率で決まっています。これが、グラフの横の並びになります。

  • 汎用タイプ (CPU:MEM=1:4)
  • 計算最適化タイプ (CPU:MEM=1:2)
  • メモリ最適化タイプ (CPU:MEM=1:8)

縦が世代になっていて、ECSの世代で分類しています。下から説明します。

  • 第5世代
    • X-dragon第2世代で構築され、VPCに対応して、ストレージはCloud Disk(Ultra Disk/SSD)に対応しています
  • 第6世代 
    • X-dragon第3世代で構築され、ストレージはCloud Disk(Ultra Disk/SSD)に加えてESSDに対応しています
  • 第6世代 拡張型
    • X-dragon第3世代で構築され、NICが50GEになり、ストレージはESSDのみに対応しています

更に詳しくは、インスタンスファミリー を見てみてください。

第5世代 ECS インスタンスファミリー

G5/C5/R5 第5世代

標準的な第5世代のインスタンスです

G5ne/C5ne/R6ne ネットワーク拡張

第5世代のネットワーク拡張インスタンスです。最高で33Gbpsまで対応しています。第6世代にはネットワーク拡張インスタンスがまだ無いため、高速ネットワークが必要な場合は、第5世代のこのインスタンスを使う必要がありそうです。

第6世代 ECS インスタンスファミリー

G6/C6/R6 第6世代

標準的な第6世代のインスタンスです

G6a/C6a/R6a AMD EPYC ROME プロセッサ搭載

AMD EPYC ROME プロセッサを搭載したインスタンスで、プレビュー中です。利用するにはちっけっとの提出が必要です。

※世代は明記されていなかったが、ストレージがCloud Diskに対応していることから第6世代に分類。

R6e パフォーマンス向上

メモリ最適化タイプに分類していますが、CPU:MEMの比率が 1:15となっている、パフォーマンス向上型メモリ最適化インスタンスです。
※世代は明記されていなかったが、ストレージがCloud Diskに対応していることから第6世代に分類。

第6世代拡張型 ECS インスタンスファミリー

G6e/C6e/R6e 第6世代 強化型

eは、Enhancedのeです。第6世代の強化型です。ネットワークインフラが強化され、ESSDストレージにのみ対応しています。

G6se ストレージ拡張

プレビュー中の、ストレージ拡張インスタンスファミリーです。インスタンスあたり最大32ギガビット/秒のシーケンシャル読み取り/書き込みパフォーマンスを提供します。

※世代は明記されていなかったが、ストレージがESSDのみ対応していることから第6世代拡張型に分類。

G6t / C6t セキュリティ強化型

トラステッドプラットフォームモジュール(TPM)チップに基づいてトラステッドブートを実装したインスタンスファミリーです。

※世代は明記されていなかったが、ストレージがESSDのみ対応していることから第6世代拡張型に分類。

まとめ

今回は、X-dragonのバージョン、そして、ECSの世代、そして、インスタンスタイプで、インスタンスファミリーを分類してみました。

これを参考に、是非インスタンスファミリーの選択を行ってみてください。

追加で注意する点としては、リージョンが対応していてもゾーンがそのインスタンスタイプに対応していない、または、在庫切れと言った場合もあります。どのゾーンで利用するかも計画した上で選択しましょう。

また、今日は主要なインスタンスファミリーを扱いましたが、これ以外にも多くのインスタンスファミリーがありますので、以下を参考にしてみて下さい。

参考ページ

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