IO-DATAさんから、GV-LSMIXER/I ライブストリーミングBOXをお借りすることができたので、レビューをさせていただきます。
LIVE AROSER GV-LSMIXER/I | ライブストリーミングBOX
メーカーのサイトの冒頭の説明がすべてを物語っていて、これまでパソコンのOBSがないと出来なかったような複雑なテロップレイアウトやシーン切り替えなどをLIVE ARISERとiPadを使って自在に操作できる機械です。
LIVE ARISER「GV-LSMIXER/I」は、PC不要でライブ配信できるオールインワンの配信機器です。
最大3つのHDMI入力に対応し、専用のiPadアプリや本体のボタンを使って自在に画面を操作できます。
市場実勢価格は11万後半〜12万後半くらいです。これにさらにiPadが必要なので20万弱かかると思ってください。
僕の使うシチュエーション
今回の「GV-LSMIXER/I」はHDMI入力が3入力なので、カメラが多い構成はあまり強くありません。なので、セミナーや勉強会での利用を考えてみました。
セミナーや勉強会では、登壇者2名の2画面分割や、資料にPinPで2画面出す構成をOBSで作って配信していた。PinPは最近のスイッチャーには搭載されていますが、細かいサイズの調整ができなかったり、位置の微調子もできなかったりします。そこをOBSでカバーしてました。
それに、昨今出演者が2名の場合でもソーシャルディスタンスである程度離れないといけないので、2名が1画面に入れると、引きの映像になり出演者がとても小さくなってしまいます。なので、2台のカメラでアップをとって、それぞれ画面を2分割で表示したいことがあり、OBSを使って居ました。2画面OBSでとるということはビデオキャプチャも2台同時に動かさないといけないため、パソコンのスペックもかなり高いものが要求されます。これもしょうがないかなと思っていました。
これらの事情があるため、よくある構成はこのようになっていました。HDMIスイッチャーにはCerevo LiveWedgeを愛用しており、USBキャプチャには、IO-DATA GV-HUVCを利用しており、何台も使ってますが非常に安定していますし、これまで映らなかったことはほとんどないくらい安定しています。6時間程度の長時間配信でもトラブったことはなく信頼して動いてくれます。
事前検証
ATEM Mini Proとかと比べると、筐体が金属でずっしりと重いです。これは放熱の効率ということもあると思いますし、重いほうがオペレーションの時にずるっとずれたりガタガタせず安定するメリットがあります。プロ用って感じです。
背面には前面ヒートシンクになっていて、冷却にも配慮されています。これは安心です。
ケーブルは、Type-A to A ×1、Type-C to A ×1 がそれぞれ同梱されています。iPadに接続するためのケーブルなんで、ここはType-Cじゃなくて、ライトニングケーブルを同梱させるべきじゃないかな。。。
結果として、アダプタを間に噛ませるため、LIVE ARISERからのケーブルはUSB Type-A to USB Type-A のケーブルを使いました。
こんな感じでiPadと接続しますが、LIVE ARISERから電力供給されないとのことなので、iPad側にこのようなアダプタをつけて、接続することで、電源を同時供給することができます。iPadの電池切れも怖いので是非一緒に購入しておきましょう。(写真では電源が挿さっていませんが、下の写真のように通常のLightningケーブルを指すことができます)
このアダプタを使うとカメラ以外のUSB機器も繋ぐことが可能です。LIVE ARISERからのケーブルはカメラマークの付いているUSBポートに挿します。
今回テストする構成はこのような感じです。最近の配信先はZoomであることが多いため、LIVE ARISERの配信機能は使わず、プログラムアウトのHDMI出力をUSBキャプチャを使ってPCに取り込みます。
しかし、大きく違うのはテロップなどを入れるのは、OBSからLIVE ARISERになったことです。
オフィスでのテストは、簡易的に自分のPCとiPhoneカメラをHDMIで出力するアダプタを使ってLIVE ARISERに取り込みました。
ここで注意なのが、PCをHDMI1 4Kの端子に接続すると当然ながら 4K モニタとして認識され表示がとても細かくなってしまいます。勉強会やセミナーでは登壇者がPCを持ち込んで差し込み直しながら進んでいくので、これはトラブル可能性があるなと思い、HDMI (A)端子(Full HDまで)にPCを接続し、4Kの端子にはiPhoneのカメラを接続しました。
※この課題は、別途持っているIO-DATA GV-HDREC/B を間に挟めば出力解像度を固定させることができるなと思いましたが、この時は持っていなかったので断念しました。
テロップの差し込みや、シーンの切り替え、スライドの切り替えなどは問題なく進みました。ただ、HDMIのAとBの切り替えがよくわからずカメラは1台だけとしました。
イベント当日
オフィスで接続検証とテロップを作成して、iPadの設定を終わらせて、会場に移動しました。
今回、会場にカメラが常設されていたので、荷物を減らすためカメラは常設のもの、プレゼン用PCも登壇者の者を使ってもらうことにしました。
会場について、配線をしていざ映像を入力してみると、トラブルが発生しました。オフィスにあったiPhoneカメラからは入力できたのですが、その会場にあったパナソニックの別機種のビデオカメラからの入力を受け付けてくれません。
もう一つ、プレゼン用に用意したパソコンからの映像も出ません。検証時に入力用に使ったPCは配信に使うので入力には使えないのです。。。ということでとても困った結果、、、
従来の配信構成に急遽切り替えて、配信するという手段に切り替えてイベントは乗り切りました。
実はこのほかにもう一回トライをしました。YouTubeの番組制作を、テロップ出しをその場でやって編集を楽しようという計画でしたが、この時も撮影に使う2台中1台のビデオカメラからの入力を受け付けてくれず、別のスイッチャーで撮影して、テロップは編集で入れることにしました。
まとめ
基本的な機能はとても素晴らしいもので、配信のクオリティアップのしきいを大きく下げてくれる可能性を感じました。
しかし、普段はCerevoのLiveWedgeを使っている感覚では問題なく認識する機器でも、うまく映像を認識してくれないことがありましたので、HDMI入力の認識は少し許容範囲が狭い感じです。機器やケーブルによって認識をしてくれないことがあるようです。
多くの現場では事前検証は当然ではありますが、私のケースでは必ずしも事前検証できないケースも多く、そういったケースでは、解像度を固定する機器を間に挟むなどの工夫が必要だなと感じました。
また、重量が重く、筐体が大きいのでやはりモバイルには向かないですね。常設向きの機械じゃないかなと感じました。
最後に、買うときは同時にライトニングケーブルにUSBがさせる機器を合わせて買いましょう。これを買ってないと、いざ届いてもこのアダプタが届くまでお預けをくらってしまいます。
とはいえ、従来のスイッチャー+モニタ+PC配信を、LIVE ARISER「GV-LSMIXER/I」は、本体+iPadのみで完結するのはとても大きいです!シンプルな構成で配信することができるので、常設環境でではもっと活用してみたいと感じました。
私の検証では、大きく機器の機能に踏み入れることができずに終わってしまいましたが、とても意欲的でさらに使ってみたいと感じられる機器でした。
また、改善点を希望を言うとすると、このあたりがさらに良くなるといいなと感じました。
- 入力信号をもう少し肝要に受け入れてほしい
- HDMI 4入力のモデルも出してほしい
- 4Kポートがあまりいらないので、全ポートFHDでもよいかな
- 4Kポートの解像度選択機能(あったらごめんなさい)
- ライトニングケーブルを同梱する
ぜひみなさんも使ってみてください。