Swift 愛好会 元年
2016 年は、自分にとって Swift 愛好会元年 でした。
自分は 第2回目 に初めてお邪魔させて頂いて、この回自体は 2015/12/20 開催なので厳密には昨年からの始まりでしたけど、それは誤差の範囲です。そんな今年1年を染めてくれた Swift 愛好会について、せっかくの年の瀬ですので、振り返ってみたいなって思います。
参加しようと思った きっかけ
そもそもの、この会にお邪魔させて頂くきっかけは、ツイッターで Swift 楽しい! みたいな話をしていた時に、主催の @jollyjoester さんから届けられたひとつのリプライでした。
@es_kumagai そんなあなたにSwift愛好会(^-^)/次回は12/20開催予定でーす。Swift愛語りましょう!
— hideyuki nanashima (@jollyjoester) 2015年11月22日
自分はこれまで "もくもく会" とか "飲食しながらの勉強会" にあまり関心が向かないところもあって、第1回目 の存在は知りつつ見送っていたのですけど、好意的に誘われてみると訪れてみたくなる性分でして、それなら試しに行ってみようかな? みたいに思ったことが転機になりました。
それからは、都合が合う限りはお邪魔させて頂く感じになりました。発表をお土産に伺うことも多いですけど、みんなの楽しそうな発表を聴くのもいいなと思える、そんなこの頃です。
Swift 愛好会で 良い と感じるところ
Swift 愛好会にお邪魔して、コンセプトにある Swift 好きなら大歓迎 がちゃんと生きていると感じるところ。
レベル感とか知名度とかを考慮しない風潮もそうですし、発表も Swift にまつわることならなんでも良くて、会自体もそうですけれど参加者もぜんぶ含めて みんなの自主性で成り立っている ところがとても好きです。
それと、ここを訪れるとたいてい 自分は発表資料を整えているか、遊んでいるか のどちらかですけど、けっこうみんな ちゃんと各自で学習に取り組んでいる んですよね。ともすると飲みが主体にもなり得るスタイルなのに、勉強会として健全な世界が成り立っていて、そんなところもいいなって思います。飲みながら、わいわい、プログラミングを楽しみたい、そんなスタイルが好きな人たちにとって貴重な会なのかなって思いながら眺めてます。
楽しそうにしている人の姿を身をもって感じられる空間って、とても好きです。
発表した話題の振り返り
そんな Swift 愛好会に幾つか参加した思い出のかけらを、発表させて頂いた回を中心に綴ってみます。
12/20 – 集まれSwift好き!Swift愛好会#2
これが初めて参加した愛好会。何気なく気が向いて訪れた回でしたけど、まず心に残っているのは お祭りみたいな居心地 でした。既にいくつかの勉強会でお会いしていて、いつもめいいっぱいの楽しい話を聴かせてくれる人と談義枠でご一緒できた嬉しさもあり、そんな互いの発表を讃え合いながら記念に名刺を交換できた嬉しさもあり、自分自身がとても楽しく発表できたのもあり。他にも、話を聴いてくれていた人たちも楽しそうな表情を浮かべて話しかけにきてくれたり、運営の人たちが歓迎の意を示してくれたり。
なんか みんな楽しそうだったなー っていうのが、初参加での印象でした。
⭐️ リテラルと型の話
この会で自分は リテラルと型の話 と題して、Swift で見つけた、興味深いリテラルの動きをじっくり紹介しました。裏技みたいな話ではなく、この感覚が身につくと Swift のリテラルを想像どおりに扱える、そんな基礎的なところのお話でした。
ポイントは リテラルに型はない というところ。もちろん突き詰めていけば型は存在するでしょうけど、たぶん そこまで追求すれば、逆に見えなくなる世界もある、そんなことを思ったりするこの頃です。それは余談として、ともあれこの "リテラル" を把握すると Swift からいろんな声が聞こえてくるように思います。そんな発表でしたけど、終わってから、嬉しい感想を届けてくれる人がたくさんいらして嬉しかったです。
01/20 – 集まれSwift好き!Swift愛好会#3
雰囲気がすっかり気に入ってしまって、誘われるまでもなく参加申し込みをしたのですけど、参加にあたっては実は迷うところがあったんですよね。この回は前回と違って平日夜の数時間、住処の都合、渋谷といえど数時間の会に往復で合計2時間ほどを費やすのは悩ましいところで、平日の勉強会は何かと見送ることが多かったのですけど、今回は 行きたい気持ちが優って 訪れてみることにしました。それでとっても良かったみたい。そんなことが思い起こされます。
⭐️ リテラルと型の続きの話
この会では String Interpolation と題して、前回の "リテラルと型の話" の続きの話をしてみました。というのも、前回で掌握した気になっていたリテラルを使っていた時にふと 得体の知れない文字列リテラル と遭遇してしまったんですよね。リテラルって型がなかったんじゃないのかな? なんで、型を知っているかのように振る舞うのかな? そんなところを探求してみた発表です。この発表、自分自身がいちばん楽しんでいたかもしれません。
03/29 – 集まれSwift好き!Swift愛好会 #5
ある意味、我ながら衝撃的な回とも言えて、この日を境に 霊界の人 とちらほら言われるようになったみたいな。
この日の発表は、今日までの人生で もっとも力を入れて描いた発表 で、同時に今までの人生で もっとも現実から乖離した発表 ともいえて。同じテーマでせっかく美しく繋いでくれた前の登壇者さんからの流れを無に帰したりしながらも、プロトコルの楽しさについて自分も、存分に自分の色で届けられたかなって思ってます。そして考え方の違いからビッグゲストと舞台上で闘った記憶も、振り返ってみれば良い思い出ね、得られるものがたくさんあって。ただし互いに、外に対してそれがどれほど "良い" 影響をもたらせたかは判りませんけど。
それ以外にも、ミニ四駆と楽しそうに戯れる発表も深く心に刻まれて、思い返すともしかして いちばん充実していて楽しかった回 かもしれません。
⭐️ プロトコル指向に想う世界観
発表内容は、いろんな意味でも純粋視点でも、難しめです。プロトコルをひととおり理解したけれど、いざ使ってみるとイマイチ見えない。見えない世界を垣間見るなら スピリチュアル みたいな、ざっくりいうとそんな話です。おちゃらけた例え話に受け取られたりもしたけれど、けっこう真剣に描いているのと、今もこの捉え方はとても役に立っています。
04/24 – 集まれSwift好き!Swift愛好会 #6
この回は、なんと、自分の前回のプロトコル指向の話を受けて 『なんかわからないけれどプロトコルって凄そう!』 みたいに、プロトコルに関心を寄せて調べ始めた成果を談義に持ってきてくれたという新人さんお二人が登壇するという、とても嬉しい回でした。ほんと、生きてる甲斐を感じるというか、とにかく とっても嬉しかった です。ありがとうございます!
自分の見てきたプロトコル指向ってなんだったんだろう、そんなことを思う頃だったので、そういう言葉を聞かせてもらって、自分の発表もきっと間違いではなかったんだろうなって感じさせてもらえるひとときでした。
⭐️ 主要3プロトコルを眺めてみる
今回は趣向を変えて、プロトコルの根本的な楽しいところを プロトコル入門者目線 で探検してみる話をしました。軸としては、存在の感じ方、観察の仕方、読み進め方の3つです。これらを通して、プロトコルがどんな役割を担っているのか、そしてそれを感じて観察して学ぶ作りになってます。ちょうど前回の愛好会当日、訪れる前に友人が出演された 舞台 "if" を鑑賞してきて、そこで『人の気持ちなんてわからない。だから想像するしかないんです』を主軸に描かれていた物語に感銘を受けて、自分も発表にそれを盛り込んでみました。ほんと 想像 って大切なんですよね。
06/27 – 集まれSwift好き!Swift愛好会 vol8
この会なら寛容に ちょっとくらい羽目を外しても認めてもらえる だろう、そんな空気があったんですよね、自分の中で。
だから第5回でも霊界の話をしたのももちろんあるのですけれど。そう思えるのは、穏やかな空気はもちろんのこと、この Swift 愛好会自身がいろんな挑戦をしてる からだったりするのかもしれません。ほんと、休日だったり平日だったり、耐久レースだったり、もくもく中心だったり、談義中心だったり、合宿だったり、いろんなスタイルを試されてますよね。そしてとりあえず、感想だけを先に綴っておくと、練習不足でちょっと止まってしまった時に、心の中で「頑張って」と祈る思いが伝わってくる友人の微笑む顔が、とても記憶に残っています。
それと、この日はいつも主催の @jollyjoester さんがいらっしゃらず、代わりに @n0bisuke さんと @Tamiiy さんが中心となって、いつもとはまた雰囲気の違うのんびりムードが広がっていたのも新鮮で心地も良かった、そんなことを思い出す回でした。
⭐️ ♬ Swift チャチャチャ
ちょうど世間で 算数チャチャチャ が流行ってまして、幼少期、自分もそれで育った記憶が懐かしくて、そんな話をツイッターでしてたんですよね。そうしたら、数学大好きなお方からのメンションが届いてきたりとかして。
@es_kumagai へぇー!熊谷さん Swift チャチャチャ作ってください💐
— Taketo Sano (@taketo1024) 2016年6月24日
花束まで添えられたらやるしかないですよね、というわけで歌ってみました。そんな度胸も普段ならなかったと思うんですけど、この日はたまたま WWDC16 で San Francisco を訪れ、帰ってきたばかりだったんですよね。感性がすっかりアメリカナイズされてしまっていて、魔が差したらこうなりました。とはいえ、おちゃらけるだけでは気が済まない性分なので、Swift チャチャチャも、けっこう本気で作詞しました。算数チャチャチャが原作である以上、自分が小学生の頃に感じた『意味がわからないけれど、楽しい』感を描けたらいいなと願いながら。
この日から "霊界の人" に加えて "チャチャチャの人" とも呼ばれるようになったのは言うまでもありません。
07/31 – 集まれSwift好き!Swift愛好会 vol9
どういう経緯だったのか、この日はたしか談義枠で応募してなかったと思うのですけど、お話しさせてもらえることになりました。この日はちょっと趣向を変えて、自分が開催する カジュアル Swift 勉強会 のみんなと楽しむ Swift 言語仕様に寄った 内容というか、そもそも『カジュアル Swift 勉強会のみんなが好きそうな話題』と明からさまに題して、話してみました。プログラミング言語そのものの楽しさを感じてくれる人が増えたらいいなと願いながら。
⭐️ Swift 3.0 で変わったところ - 厳選 13 項目
このスライドで特に見て欲しいところは、スライドに綴った カジュアル Swift 勉強会の目的と心構え かな。Swift 愛好会のみんなにとっては伝える必要もないところですけれど、そう、もともと自分が趣味人だからかもしれないですけど、恐れる必要もなく、難しいこと考える必要もなく みんなで一緒に談笑できることがいちばん大事 なことに感じるんですよね。それは違う、みたいな言葉って、日常でついつい発してしまいがちですけれど、思った以上に切れ味が鋭くて。そんなことを言わないように、言ってしまってもせめて後悔できるように、自戒も込めて、こんな言葉を会の始めに毎回伝えてみたりしてます。
そんな理想が Swift 愛好会にも根付いている気がして、ついつい訪れたくなる理由にはそれもあるのかもしれません。
08/29 – AKIBA.swift×Swift愛好会
どんな色になるのだろう、AKIBA.swift と Swift 愛好会の合同と聞いて、そんなことを思ったりしました。こういう試みも面白いものですね。規模感も良い具合に膨らんで、談義者も参加者もたくさん、賑やかで楽しい会だった記憶が残ってます。
⭐️ Swift 3 を書くときに知っておきたい API デザインガイドライン
いよいよ Swift 3 も身近になって、新しい仕様に戸惑っている人も増えてきた印象だったので Swift 3 の大事なところの中でも特に Swift API Design Guidelines に焦点を当てて、大事なところを端的な説明文とコード、必要に応じてポイントを記載する形で紹介しました。
まるっと Swift 愛好会
談義しなかった参加も数回
あと何か、他の勉強会で使った資料を使って延々に話したような気もするけれど、忘れてしまいました。そんな他にも 09/22 の 集まれSwift好き!Swift愛好会 vol11 と 10/27 の 集まれSwift好き!Swift愛好会 vol12 も談義なしで参加させて頂きました。
特に Vol11 をよく覚えていて、その当日の予定が思ったよりも早めに終わったので、参加枠に余裕があったのもあり、主催の @jollyjoester さんに「遊びに行ってもいいですか?」って Twitter で尋ねてみたら、彼はちょうど登壇中だったらしく、代わりに運営の @gotou015 さんが見つけてくれて「ぜひ来てください!」と連絡をくださり、遊びに訪れた回でした。
こういう 心を感じるちょっとしたレスポンス も嬉しいものですね。勉強会をひとりで主催していると連絡を返せなかったり、気づけなかったり、そういうことがあって申し訳なく感じることがあったりするので、なおさらそう感じるのかもしれません。
1周年記念、開発合宿
それと 12/03 から 12/04 にかけての 1周年の Swift 愛好会 合宿 も興味深いところでした。
合宿という敷居の高めなスタイルながら、参加者 総勢 22 人 という盛況ぶりで、終始楽しく・騒ぐことなく、それこそ出発してすぐの 09:30 過ぎから 27:30 頃まで、そして翌日は午前 07:30 頃から 14:00 過ぎまでと、たっぷりみんなが思い思いにプログラミングを楽しんでいて和みます。
特に初日の別れ際に心に残っているのが 開発合宿って帰る時間を気にしなくていいのが良い! なんて話が飛び出すところ。こういうの、なんかすごく良いですよね。
合宿会場は千葉・笹川の 土善旅館 さまでしたけど、Wi-Fi は 22 人を余裕でさばく完璧な性能だったし、大画面スクリーンはあるし、外部ディスプレイはあるし、椅子でなにか疲れを感じた記憶もないし、テーブルの高さはちょうど良いし、猫は来襲するし。それに、電源タップも不足をまったく感じさせないし、なんなら外付けキーボードまで貸してもらえたりするくらい。そんな 設備の充実さが光る土善旅館さま でした。もちろんそこには 必要になり得る機材をバッチリ想定して、事前に手配してくれていた運営の姿も垣間見れたりする わけですけれど。
そんな1周年記念の合宿、Swift 好き、もとい Swift 愛好会好きが自主的に集まった会もあって、みんながみんな例外なく、とっても楽しい2日間を過ごしたみたいで、単にお邪魔させて頂いただけの身ながらとっても嬉しく思える合宿でした。そんな様子は 合宿中のみんなのつぶやき からも窺えます。
運営体制
そういえば、いろんな人がいつも一緒になって開催している勉強会 って、もしかして珍しいのかもしれない。
Vol8 のときみたいに代表不在でも円滑に開催されたり、Vol11 のときみたいに手の空いている人がフォローをしてくれたり、運営体制として効果的と思うと同時に、開催に携わる みんながいろんな色を持っていて、それぞれの人柄に惹かれていろんな人が訪れる会になっていたりするのかなって思ったりするひとときでした。
みんながみんな好きで携わっている空気でいっぱいで、ほんとにみんな楽しそう。開催している以上、義務感は当然あるとは思うのですけど、まるでそれを感じさせない、それ以上の楽しさを感じさせてもらえるところ、すごくいいなって思いました。とてもいいバランスですね。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
安定した定期開催が実現されているのもあるのか、こうして振り返ってみるとほんとにたくさんお邪魔させて頂いたなーと思いながら。そんな感じでこの1年、たっぷり楽しませて頂いた勉強会でした。
本年は大変お世話になりました。少しばかり早いご挨拶ですけど、来年もどうぞよろしくお願い致しますね。人生と都合が許す限り、ちょくちょく遊びに伺いたいと思ってます。