こんにちは。Sansan株式会社 プロダクトマネージャーの尾部と申します。EightではなくSansanを担当しております。この記事はProduct Manager Advent Calendar 2018 20日目の記事です。
先日2018年12月17日(月) B2B Product Manager勉強会 -ユーザインタビュー編-を開催しました。参加したかったけどできなかった方に届けとばかりに書きます。
そうだ!ユーザを知ろう!
- Product Manager Conference で「愛されるプロダクトを創りたい」「もっとユーザのこと知りたい」という機運が高まっていたよね11月。
- Sansan Builders Boxでの私の登壇記事を見てくれた方々から「詳しく教えて」「B2Bのユーザインタビューってまだまだ深める余地ありそうよね」というお話を頂いた12月。
Sansan Builders Boxでの登壇内容をざっくり言うと…
データを見るだけではわからないからインタビューをしよう。中でも「能動的な問い」が大事。ジョブ理論のように「どうしたら売れるか」ではなく「顧客のどんなジョブがサービスを雇用させたか」と問いを変えてみると本当の課題が見え解決方法が変わる。Sansanではインタビューをこんな目的で、こんな質問で、こう活かしていますよ。という話。
→登壇内容はこちらでわかりやすくレポートしてくださっていました! gihyo.jp
ユーザインタビューって皆さん興味あるのねと感じ、お役に立てればと勉強会を開いてみました。
当日は15名のプロダクトマネージャーが3~4人 ✕ 5チームにわかれ、各自持ち寄ったインタビューのナレッジをシェアし教え合うという形式です。
お題の例
- ユーザインタビューの仕組み持ってますか?
- ユーザインタビューすべき時はどんな時?
- ユーザインタビューのユーザの選び方は?
- ユーザインタビューのユーザへのアポの取り方は?
- ユーザインタビューでどんな質問をしている?
- ユーザインタビューの内容をプロダクトにどうやって活かした?
などなど、ご自由に質問してくださいませ。という会です。
B2B Product Manager勉強会 - ユーザインタビュー編 -
会場は表参道にあるSansan。スターウォーズ元老院の会議のようですが違います。
対比させて書いてみようかな。
新規プロダクト vs 既存プロダクト
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新規プロダクトにとってのインタビューって?
- バリュープロポジションを定めるために行う
- サクセスとは何かを定めるために行う
- 既存の方法で叶えられることは何か?をヒアリングし、まずはそれをサクセス例としてカスタマージャーニーを描く。
- 既存の方法で叶えられることは何か?をヒアリングし、まずはそれをサクセス例としてカスタマージャーニーを描く。
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既存プロダクトにとってのインタビューって?
- タッチポイントの低評価を埋めるために行う
- カスタマージャーニー ✕ NPS *写真
- カスタマージャーニー ✕ NPS *写真
- 仮説を検証するために行う
- 例)より使ってもらうためにはこうすればいい?本当にそう?
- 例)より使ってもらうためにはこうすればいい?本当にそう?
- これはいけない!Open Question
- どんな機能がほしい? → 課題を解決する機能はユーザが考えるのではない
- 課題は何ですか? → 正しく認識していない、言語化できない
- なぜ使わない? →「 今、間に合ってるから」の回答にしかならないのが予想できる
- タッチポイントの低評価を埋めるために行う
* 提供 コペルLLC.坂本直樹さん。PCの画面を撮影させてもらう。タッチポイントの不満足を改善し全体的なNPSの改善につなげるという。
インタビュー vs データ
- インタビュー or データどちらか一方ではなく往復させることが大事。
意見が割れた…
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どれを実装するかどうやって決める?
- インタビューやアンケートで多かったものから実装している。
- インタビューは課題だけ聞き出し、起案したら数字を見て効果が高そうなものを実装している。
-
リリースした機能が良かったかをどうやって検証する?
- アンケートで満足度調査する。ユーザにヒアリングする。
- 起案時に予測した数字が仮説どおりに動いたかを見る。
尾部は後者派です。みなさんどうですか?
PM vs 営業(CS)
- 元営業(CS)がPMをすると…ユーザの課題を聞くとつい解決方法を教えてしまう→実はそここそ掘るべきところ。
- 営業担当にインタビュー対象を連れてきてもらったら…ターゲットがズレている→自分でアンケートやデータを見て、直接アプローチすればよい。
- ユーザ会や勉強会を開いたら、第2部でワークショップを開く。実際に使っている姿を後ろから見せてもらうとプチユーザテストとインタビューができて良い。プロトタイプやモックを触ってもらったりも。
Sansanでもユーザ会でモックを触ってもらい、大いなる気付きを得ております。ユーザさんも嬉しそうで良き。
課題はプロダクト? vs 課題は「本当の競合」?
- ジョブ理論の話が登場
- プロダクトに関するインタビューだけではだめ。「脳シェア」が他の作業に気を取られていて、プロダクトに気持ちを向けられないことが多い。本当の競合を知るべき。
やっぱり『ジョブ理論』ですよね。バイブルです。
→ [miz-k] (https://qiita.com/miz-k)さんも [PM Advent Calendar 1日目] (https://note.mu/miz_kushida/n/n7e35a2a2b370)でジョブ理論について触れられていますね。
編集後記 -イベントのPDCA-
10人募集キャンセル率4割の6人くらいでゆるく楽しく学びあえたらいいかなと思っていたら想像以上の応募あったので、部屋に入れる上限の20人に急遽変更しました。当日は参加者15名、低キャンセル率。ニーズがあるコンテンツなんだなと思いましたし、まだ日本のB2B業界では体系立ってない分野なんだろうなと感じました。
この空間がリラックスして話しやすく仲良くなれたので、後からFacebookでランチの約束とかしました。良いですね。
すごーく蛇足ですが、私は仲間とプロダクトマネージャーCafeというコミュニティを運営していて四半期に1度イベントを開催しているのですが、そこでのPDCAを取り入れてみました。
- 継続可能な運営負荷に留める
- 議論時間を長めにとってみる
- テーマを固定する
などなど。
こうしたら喜んでもらえるかしら、満足度はあがるかしら、キャンセル率は下がるかしら…と仮説検証を繰り返しており、職業病だなと思いました笑