この記事を書くきっかけ
Webアプリケーションをデプロイした後、ローカルで修正したファイルをGitコマンドのみで本番運用のサーバーに反映したいと思い、記事を書きました。
対象者
- Gitの基本コマンドの使い方を知りたい方
- gitコマンドだけでローカルからWebサーバーに変更履歴を反映させたい方
- masterとorigin/masterの違いを知りたい方
- git fetchとgit pullの違いを知りたい方
ローカルマシンからWebアプリケーション（EC2）に反映するまでのワークフロー
ローカルマシンで行った変更をGitHubのリモートリポジトリにプッシュし、その後リモートサーバー（EC2）でプルすることで、Webサーバー上のWebアプリケーションに変更を反映することができます。その手順の流れを説明します。
イメージ図
ローカルマシンでの作業（手元のパソコン）
-
変更を行う
プロジェクトのファイルに必要な変更を加えます。例えば、Webアプリケーションのindex.htmlというファイルを修正したとします。 -
変更をステージング
変更されたファイルをステージします。
git add .
または
git add index.html -
変更をコミット
変更をローカルリポジトリにコミットします。
git commit -m "index.htmlの修正" -
リモートリポジトリにプッシュ
変更をGitHubのリモートリポジトリにプッシュします。
git push origin master
これで、GitHubのリモートリポジトリにローカルの修正が反映されました。
リモートサーバー（EC2）での作業
-
EC2インスタンスにSSHで接続
自分のローカルマシンのターミナルからEC2インスタンスにSSHで接続します。
ssh eric_user@eric_server_ip -
プロジェクトのディレクトリに移動
cd <my_project>
プロジェクトのディレクトリパスです。実際のプロジェクトディレクトリのパスに置き換えてください。 -
リモートリポジトリから最新の変更をプル
git pull origin master
- git pull：リモートリポジトリの変更をローカルリポジトリに取り込む
- origin：リモートリポジトリのデフォルト名
- master：プルしたいリモートブランチの名前
これにより、ローカルマシンで行った変更がGitHubのリモートリポジトリに反映され、その変更がEC2のWebサーバーにも反映されます。こうして、Webアプリケーションが最新の状態になります。
実際にやってみる
1. ローカルマシンでの作業（手元のパソコン）
ローカルでindex.htmlの変更を行う。
ターミナルを開く。
プロジェクトのディレクトリに移動する。
your_local_machine:~$ cd myapp # プロジェクトのディレクトリに移動する
your_local_machine:myapp$ ls -a # 直下に.gitがあるかを確認するにはls -aコマンド
. .env README.md hundred myapp
.. .git accounts manage.py static
.DS_Store .gitignore db.sqlite3 media templates
git statusで状態を確認すると、index.htmlが修正されていると指摘される。
your_local_machine:myapp$ git status
On branch master
Your branch is up to date with 'origin/master'.
Changes not staged for commit:
(use "git add <file>..." to update what will be committed)
(use "git restore <file>..." to discard changes in working directory)
modified: templates/index.html
no changes added to commit (use "git add" and/or "git commit -a")
ステージングエリアに仮登録して、ローカルリポジトリにコミットする。
your_local_machine:myapp$ git add templates/index.html
your_local_machine:myapp$ git commit -m "index.htmlの変更"
[master becc14c] index.htmlの変更
1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-)
変更をGitHubのリモートリポジトリにプッシュする。
your_local_machine:myapp$ git push origin master
Enumerating objects: 7, done.
Counting objects: 100% (7/7), done.
Delta compression using up to 8 threads
Compressing objects: 100% (4/4), done.
Writing objects: 100% (4/4), 374 bytes | 374.00 KiB/s, done.
Total 4 (delta 3), reused 0 (delta 0), pack-reused 0
remote: Resolving deltas: 100% (3/3), completed with 3 local objects.
To https://github.com/your_username/your_repository.git
3c0dbd7..becc14c master -> master
your_local_machine:myapp$
2.リモートサーバー（EC2）での作業
まず、SSH接続する。
your_local_machine:myapp$ ssh your_ec2_user@your_ec2_ip
Last login: Thu Jun 13 09:59:37 2024 from your_local_ip
, #_
~\_ ####_ Amazon Linux 2
~~ \_#####\
~~ \###| AL2 End of Life is 2025-06-30.
~~ \#/ ___
~~ V~' '->
~~~ / A newer version of Amazon Linux is available!
~~._. _/
_/ _/ Amazon Linux 2023, GA and supported until 2028-03-15.
_/m/' https://aws.amazon.com/linux/amazon-linux-2023/
12 package(s) needed for security, out of 19 available
Run "sudo yum update" to apply all updates.
[your_ec2_user@your_ec2_ip ~]$
プロジェクトのディレクトリに移り、プルする。
[your_ec2_user@your_ec2_ip project_directory]$ cd myapp
[your_ec2_user@your_ec2_ip myapp]$ git pull origin master
ユーザーネームとパスワードを入力する。
Username for 'https://github.com': your_username
Password for 'https://your_username@github.com':
うまくいけば差分が表示されている。
remote: Enumerating objects: 7, done.
remote: Counting objects: 100% (7/7), done.
remote: Compressing objects: 100% (1/1), done.
remote: Total 4 (delta 3), reused 4 (delta 3), pack-reused 0
Unpacking objects: 100% (4/4), 354 bytes | 88.00 KiB/s, done.
From https://github.com/your_username/your_repository.git
* branch master -> FETCH_HEAD
3c0dbd7..becc14c master -> origin/master
Updating 3c0dbd7..becc14c
Fast-forward
templates/index.html | 2 +-
1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-)
[your_ec2_user@your_ec2_ip hundred]$
これで、EC2の方にローカルの変更が反映されているはずです。
まとめ
ローカルマシンでの変更をWebアプリケーション（EC2）に反映する作業自体は何度もやっていましたが、その動作をいまいち理解していませんでした。今回、その作業に向き合ってみて、まだまだ知らないことが多いと痛感しました。
Git勉強中のGit初心者なので、間違いがあれば是非ご指摘ください。この記事が誰かの参考になれば幸いです。