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FPGA Subsystem(FPGA-region)でFPGAをコンフィグする

Last updated at Posted at 2020-05-21

はじめに

Linuxの本家Mainline Kernelにも組み込まれているFPGAをコンフィグレーションするための FPGA subsystemについて書かせていただきます。主にARM CPUを内蔵するFPGAをLinuxで動作させている時に使うものです。デバイスツリーオーバーレイの仕組みを使い、このSubsystemのFPGA regionをオーバーレイすることによりFPGAのコンフィグレーションが行えます。
Partial Reconfigurationの対応まで考えられた仕組みですが、とりあえずここでは、FPGA全体をコンフィグレーションする場合を中心に書いております。

ご参考まで:
デバイスツリーについて調べてみた
デバイスツリー Overlay について調べてみた

構成要素と動作の仕組み

FPGA Subsystemは、次の3つのframeworkで構成されています。

  • FPGA region
    FPGA Manager, FPGA bridgeを使いFPGAのコンフィグレーションを行います。FPGAの書き換え中にCPU側に変な信号(spurious signals)が送られないようにし、安全に再コンフィグレーションが行える仕組みになっています(FPGA bridge を disable にする -> FPGA Manager でコンフィグする -> FPGA bridge を enable にする、という動作)。コンフィグレーションの動作は、オーバーレイにて指定されたpropertyによりコントロールされます。

  • FPGA Manager
    FPGAのコンフィグレーションコントローラ。ここにビットストリームを送り込むことでコンフィグレーションが行われる。FPGAの状態もここで管理される。

  • FPGA bridge
    書き換えらるFPGA部 とCPU側 を接続するバスブリッジ。実装によっては、不要な場合もあり(FPGA Managerが必要なFPGA Bridgeの動作ケアをしている場合。X系のフルFPGAコンフィグレーション)。
    Partial Reconfigurationの場合は、FPGA内のソフトロジックで作られたものになるかと思います。

FPGAコンフィグをするために必要なデバイスツリー記述

FPGA subsystemを使ってFPGAをコンフィグレーションするためのデバイスツリー記述について書きます。

Base Tree において

少なくとも以下のnodeがBase Device tree(起動時に読み込まれるデバイスツリー)に入っている必要があります。

  • FPGA Manager node
    FPGAのコンフィグレーションコントローラ。compatible property は使うFPGA用のドライバようの文字列を使う: X系なら "xlnx,zynq-devcfg-1.0", I系なら"altr,socfpga-fpga-mgr"。

  • FPGA region node
    Base tree中の最上位のFPGA regionは、Base FPGA regionと呼ばれ、FPGA全体を表すnodeとなります。このFPGA regionのpropertyには、fpga-mgr = <FPGA Managerへのphandle>; が書かれていることが必要です。もし、Partial reconfigに対応するなら、Base FPGA region の子nodeとしてさらにFPGA region node を作り、Partial reconfig regionとします。 compatible property は "fpga-region"。

  • FPGA bridge node
    これは必要に応じて(FPGAの種類による)。FPGA bridgeは、FPGA regionの親nodeとするか、FPGA regionのpropertyに入れることで、FPGA regionの制御対象となります。

sample_base.dts(一部)
	fpga_mgr: fpga-mgr@ff706000 {
		compatible = "altr,socfpga-fpga-mgr";
        ...
	};

	fpga_bridge0: fpga-bridge@ff400000 {
		compatible = "altr,socfpga-lwhps2fpga-bridge";
        ...
	};

	base_fpga_region0: base-fpga-region0 {
		compatible = "fpga-region";
		fpga-mgr = <&fpga_mgr>;
	};

Overlay において

デバイスツリー オーバーレイファイルにおいて、以下の記述をするとコンフィグレーションが実行できます。ルート直下のnodeにおいて、以下のproperty, nodeを記述します。

  • "target-path" もしくは "target" プロパティ
    オーバーレイをするターゲットのnodeとしてBase treeに存在しているFPGA region node を指定する。target-path ではフルパス名を指定、target では、phandle を指定する

  • "__overlay__" node
    オーバレイの仕組みに従い、オーバーレイする内容(property, nodes)をこのnode下に書く。以下の内容は、この __overlay__ node の下に書く。

  • "firmware-name" プロパティ:
    コンフィグレーションファイル名を指定する。指定したコンフィグレーションファイルは、/lib/firmware/ に置いておく。このプロパティがあると、オーバーレイ実行時にFPGAコンフィグレーションが行われる。
    なお、オーバーレイ削除時には、制御対象となっている fpga-bridge は disable される( -> 結果 FPGA アクセスはできなくなる)。

  • "external-fpga-config" プロパティ:
    FPGA のコンフィグレーションを行わない場合は、firmware-name プロパティを指定する代わりにこのプロパティを記述しておく。

  • #address-cells, #size-cells, ranges プロパティ :
    アドレスマッピングをする子nodeを持つ場合には必要。

  • 子nodeたち :
    オプション。コンフィグレーションしたことにより、あらたに追加されたハードウェアのためのnodeを記述。(別のnodeの下に追加しても良い)

sample_overlay.dtso(一部)
/dts-v1/;
/plugin/;
/ {
    fragment@0 {
        target = <&base_fpga_region0>;
        ...
        __overlay__ {
            firmware-name = "soc_system.rbf"; 
            ...
        };
    };
};

参考資料

Kernel Source Tree の Documentation/devicetree/bindings/fpga/fpga-region.txt
https://www.kernel.org/doc/html/latest/driver-api/fpga/index.html
https://elinux.org/images/8/88/Fpga_and_dt.pdf
Solution Zynq PL Programming With FPGA Manager
Linux Kernel 4.10 でのFPGAのサポート事情

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