Docker環境のWebアプリをAWS EC2にデプロイする手順

Posted at 2025-03-16

作成したアプリ

ふつうのTODOアプリみたいなアプリです。
特段すごい機能があるわけではないので、詳細は割愛します。

技術スタック

フロントエンド: Vue3, TypeScript
バックエンド(Web API): Node.js + Express
DB: PostgreSQL
開発環境: docker(フロントエンド, バックエンド, DB)
サーバー: EC2(AWS)

デプロイの流れ

AWSアカウント作成〜EC2起動
ローカルのdockerコンテナ上でWebアプリを実装
ローカルのWebアプリのファイルをEC2へ転送
EC2でdocker環境を構築
EC2でのアプリ動作環境準備
デプロイ確認
まとめ

AWSアカウント作成〜EC2起動

1. AWSアカウントの作成

AWSアカウントを作成し、マネジメントコンソールにログイン。

2. ネットワーク設定とEC2インスタンスの作成

VPCの作成

AMI：Amazon Linux
インスタンスタイプ：t2micro(無料枠)
パブリック IP の自動割り当て：有効

サブネットの作成

作成したVPCに紐付け

インターネットゲートウェイの作成

作成したVPCにアタッチ

ルートテーブルの作成

ルーティング追加（0.0.0.0/0 → 作成したインターネットゲートウェイ）
作成したサブネットに紐付け

EC2インスタンスの作成

作成したVPC、サブネットに紐付け
自動割り当てパブリックIPを有効化
キーペアを作成・ダウンロード

以降、ダウンロードしたキーペアを使用してSSH接続するので、必ずダウンロードしてください。

セキュリティグループ設定

ポート：8080（フロントエンド用） → 自分のIP（MyIP）のみ許可
ポート：3000（バックエンド用） → 自分のIP（MyIP）のみ許可
ポート：22（SSH用） → 自分のIP（MyIP）のみ許可

3. EC2インスタンスの起動

設定完了後、EC2インスタンスを起動

ローカルのdockerコンテナ上でWebアプリを実装

開発環境は以下の構成です。

first-moments
├── docker-compose.yml
├── frontend
│   ├── node_modules
│   ├── package.json
│   ├── src
│   ├── Dockerfile
│   └── 他省略
├── backend/
│   ├── node_modules
│   ├── package.json
│   ├── controllers
│   ├── Dockerfile
└── └── 他省略

ソースコードは割愛しますが、下記が大まかな内容です。

dockerコンテナ1：フロントエンド（Vue.js）
dockerコンテナ2：バックエンド Web API（Node.js+Express）
dockerコンテナ3：DB（PostgresSQL）

1. ローカルのWebアプリのファイルをEC2へ転送

1. 転送前準備

ローカルプロジェクトのfrontend,backend内の node_modules を削除

EC2上で再度パッケージインストールするためnode_modulesは不要です。またnode_modulesを転送しようとするとかなり時間がかかります。

2. ファイル転送

プロジェクト構成は下記です。first-momentsフォルダごと転送しました。

first-moments
├── docker-compose.yml
├── frontend
│   └── 省略
├── backend/
└── └── 省略

scpコマンドで転送
※今回はそのまま転送しましたが、圧縮転送した方がいいのかもしれません。
※選択するEC2のマシンイメージによっては「ec2-user」とは別のユーザーを指定する必要があるかもしれません。

scp -i <キーペア名>.pem -r first-moments ec2-user@<EC2-Public-IP>:/home/ec2-user/

EC2でのアプリ動作環境準備

1. EC2にSSH接続

ssh -i <キーペア名>.pem ec2-user@<EC2のパブリックIP>

2. キーペアのパーミッションを変更（エラー回避）

chmod 600 <キーペア名>.pem

3. DockerとDocker-Composeのインストール

sudo yum update -y
sudo yum install -y docker
sudo systemctl start docker
sudo systemctl enable docker
sudo curl -L "https://github.com/docker/compose/releases/latest/download/docker-compose-$(uname -s)-$(uname -m)" -o /usr/local/bin/docker-compose
sudo chmod +x /usr/local/bin/docker-compose

4. Dockerを有効化

以降のsudoコマンドを省略するため、ec2-userユーザを追加

sudo usermod -aG docker ec2-user

dockerコンテナに入り直し、dockerコマンドでバージョンが確認できればOK

docker version
docker-compose version

5. DBのセットアップ

PostgreSQLコンテナに接続

docker exec -it <dbコンテナ名> psql -U <ユーザー名> -d <DB名>

ローカルで作成したテーブルの作成（必要に応じてデータ投入も）

CREATE TABLE ...;

6. npmパッケージのインストール

cd /home/ec2-user/first-moments/frontend && npm install
cd /home/ec2-user/first-moments/backend && npm install

7. コンテナの起動

cd /home/ec2-user/first-moments
docker-compose up --build -d

ちなみに今回作成したアプリのdocker-compose.ymlです

services:
  db:
    image: postgres:latest
    container_name: first_moments_db
    environment:
      POSTGRES_USER: XXXXX
      POSTGRES_PASSWORD: XXXXX
      POSTGRES_DB: XXXXX
    ports:
      - '5432:5432'
    volumes:
      - postgres_data:/var/lib/postgresql/data
    networks:
      - app-network

  frontend:
    build:
      context: ./frontend
    container_name: first_moments_frontend
    ports:
      - '8080:8080'
    volumes:
      - ./frontend/src:/app/src # ホストのsrcをコンテナのsrcにマウント
      - /app/node_modules # node_modulesはボリュームでマウント
    command: npm run serve # 開発モードで起動
    networks:
      - app-network
    environment:
      - CHOKIDAR_USEPOLLING=true # ホットリロードを有効にする設定

  backend:
    build:
      context: ./backend
    ports:
      - '3000:3000'
    volumes:
      - ./backend:/app # ソースコードをコンテナと同期
      - /app/node_modules # node_modules はマウントしない
    networks:
      - app-network
    depends_on:
      - db
    environment:
      - PGUSER=XXXXX
      - PGPASSWORD=XXXXX
      - PGDATABASE=XXXXX
      - PGHOST=db
      - PGPORT=5432
    restart: unless-stopped # コンテナがクラッシュした場合の自動再起動

volumes:
  postgres_data:
    driver: local

networks:
  app-network:
    driver: bridge

動作確認

ローカルPCのブラウザからアクセス

http://<EC2のパブリックIP>:8080

動作確認時にコードの微修正をしようと思い、VSCodeの拡張機能「Remote-SSH」でec2にSSH接続をしようとすると、ec2が動かなくなる事象が発生しました。
調べてみても理由がわからず、一旦今回はec2に直接入りviコマンドで修正を行いました。

まとめ

AWSの設定は最初はとっつきづらいですが、ドキュメントが豊富で解説記事も多く、そこまでハマるところはありませんでした。
EC2を起動するだけでも多くの設定が必要ですが、各サービスの役割を理解すれば直感的に進めることができました。

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