初めに
Oracleデータベースのエラーコードを即座に検索・解決策を提示するツールを、Difyで作成する方法を解説します。AIとウェブスクレイピングの組み合わせで、技術者向けの効率的なエラーハンドリングを実現します。
1. Difyとは?
DifyはAIエージェントを直感的に作成できるプラットフォームです。カスタムツールとAIの組み合わせで、特定の業務フローを自動化できます。今回作成する「Oracleエラーコードヘルパー」は、ユーザーがエラーコードを入力すると即座に公式ドキュメントの情報を取得し、解決策を提示するツールです。
2. 作成手順
ステップ1: エージェント作成
- エージェント名に「Oracle Database Error Code Helper Agent」などと入力
ステップ2: オーケストレーション設定
- 手順設定画面で以下を入力:
## 職位説明:Oracle Database Error Code Helper
## ロール
あなたはprocessWebContentツールを使用して、ユーザーのリクエストからエラーコードのウェブページ情報を取得し、Markdown形式のデータを返却します。その後、取得したMarkdown形式のデータに基づいてユーザーの質問に回答します。日本語で綺麗なフォーマットで回答します。
## スキル
- ユーザーの質問からエラーコード(形式:`ORA-数字`)を抽出する
- 取得したエラーコードでこのURLの`ORA-数字`を置き換えます:https://docs.oracle.com/en/error-help/db/ORA-数字/index.html?r=23ai
- processWebContentを使用して置き換え後のURLからエラーコードのウェブページ情報をリクエストし取得する
## 制約
- URLをエンコードディングしないでください
-
カスタムツールとして「processWebContent」を追加:
- ツール名:processWebContent
カスタムツールの構築方法は以下のQiita記事をご参考ください。
ステップ3: 実行と確認
- 「Publish Update」をクリックして設定を保存
- テストクエリを入力:
ORA-04031エラーの解決方法を教えてください
結果例
-
自動処理フロー:
- ユーザー入力から「ORA-04031」を抽出
- URLを
https://docs.oracle.com/en/error-help/db/ORA-04031/index.html?r=23ai
に変換 - processWebContentで該当ページを取得
3. 重要なポイント
-
自動化の利点:
- 実際に公式ドキュメントを参照した回答を即座に提供
- エラーコード抽出ロジックが自動で処理
-
拡張可能性:
- 全ての
ORA-XXXXX
形式のエラーに対応可能 - ツールチェーンに他の処理(メール通知/チケット作成)を追加可能
- 全ての
4. 活用例
- データベース管理者の迅速なトラブルシューティング
- 新人エンジニアのエラーコード学習支援
- サポートチームの回答テンプレート作成
5. 結論
Difyを活用すれば、専門的な知識を必要とするエラーハンドリングを誰でも簡単に自動化できます。この手法を応用すれば、AWSエラー、SQL Serverエラーなどあらゆるシステムのエラーメッセージを一元管理するツールを作成可能です。