#はじめに
プロジェクトをスケジュール通り円滑に進めるためにはマネジメントを担当する存在が必須です。
人がたくさんいる大企業であればマネジメント専門のメンバーがいて、マネジメントは任せてプログラミングに専念できるかもしれませんが、人手不足のスタートアップ企業ではそうはいきません。
ある程度経験を積んだら、自分のプログラミング業務をこなすと同時にチームのマネジメントを任されることもあると思います。
そんな時ある程度でもマネジメントに関する知識があると、マネジメントしやすくなるのではないかと思うので学習した内容を記事にまとめて残します。
#プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメント・・・ある目的(プロジェクト)を達成するために結成されたチーム(プロジェクトチーム)の進捗や品質を管理すること。
###PMBOK
PMBOK・・・プロジェクトマネジメントの技法を体系的にまとめたもの。国際標準とされている。
↳統合マネジメント・・・作業プロセス間の調整
↳スコープ ・ マネジメント・・・作業範囲の明確化
↳スケジュール ・ マネジメント・・・作業スケジュールの管理
↳コミュニケーション ・ マネジメント・・・情報の伝達と共有
↳ステークホルダー ・ マネジメント・・・利害関係者の特定と利害調整
↳調達マネジメント・・・外部への発注検討と実施
↳リスク ・ マネジメント・・・潜在リスクの識別と管理
↳品質マネジメント・・・品質基準の適合チェック
↳資源マネジメント・・・必要な要因の確保
↳コスト ・ マネジメント・・・予算やお金の管理
WBS・・・1つのプロジェクトを必要な作業や成果物単位に分解して、階層化し図にあらわしたもの。
###開発コストの見積もり
プログラムステップ法・・・ソースコードの行数により開発コストを見積もる手法。
ファンクションポイント法・・・利用者から見た機能に着目し、その個数や難易度から開発コストを算出する手法。
#スケジュール管理
###アローダイアグラム
アローダイアグラム・・・結合点、矢印(アロー)、点線矢印(ダミー作業)の3つの記号を使って、作業の順番や所要日数を分かりやすくした図。
↳㊟各作業に必要な作業日数を順に加算していく。
↳㊟複数の作業が並行する箇所では、より多くの作業日数がかかる方の数字を採用する。
最早結合点時刻・・・対象とする結合点において、最も早く作業を開始できる日時のこと。
最遅結合点時刻・・・対象とする結合点が全体に影響を与えない範囲で、もっとも開始を遅らせた日時のこと。
クリティカルパス・・・ルート上のどの作業が遅れても全体のスケジュールを狂わせる結果につながってしまう経路のこと。
###スケジュール短縮の手法
クラッシング・・・資源(人や時間)を追加投入してコストの増大を最小限に抑えながら、スケジュールの所要時間を短縮する技法。
ファストトラッキング・・・通常は順番に実施される作業を並行して遂行するスケジュール短縮技法。
#ITサービスマネジメント
ITサービスマネジメント・・・顧客の要求を満たすITサービスを、効果的に提供できるよう体系的に管理する手法。
ITIL・・・ITサービスを提供するにあたっての、管理・運用規則に関するベストプラクティス(成功事例)が体系的にまとめられたもの。
↳サービスサポート・・・ITサービスの日々の運用に関する作業をまとめたもの。
↳サービスデリバリ・・・長期的な視点でITサービスの計画と改善を図るもの。
SLA・・・サービスレベルアグリーメントの略。サービスの提供者と利用者の間で、どのようなサービスをどういった品質で提供するかを事前に決めて明文化したもの。取り決めの内容は具体的な数値を用いて定量的な判断ができるようにしておく必要がある。
SLM・・・サービスレベルマネジメントの略。SLAで設定した目標を達成するためにPDCAサイクルを構築し、サービスの水準の維持・向上に努めること。
###サービスサポート
サービスサポート・・・ITサービスの日々の運用に関する作業をまとめたもの。1つの機能と5つの業務プロセスによって構成される。
↳機能→サービスデスク・・・ITサービスを利用する顧客と提供する組織の窓口として活動。
↳プロセス→インシデント管理・・・発生したインシデント(事件・出来事)を可能な限り迅速に解決する。
↳問題管理・・・インシデントや問題の根本原因を特定し、悪影響の最小限化や再発防止を行う。
↳構成管理・・・構成管理データベースを用いて、各プロセスに効果的な情報を提供する。
↳変更管理・・・変更要求の内容について、変更に伴う影響の検証・評価を行い認可や却下を決定する。
↳リリース管理・・・承認の得られたコンポーネント(構成要素 ・ 部品)を適切な場所・時期にリリースする。
ローカル・サービスデスク・・・拠点内や拠点近くに設けられたサービスデスク。
中央サービスデスク・・・1箇所に窓口を集約させたサービスデスク。
バーチャル・サービスデスク・・・通信技術を用いて、各地に分散したスタッフを擬似的に1箇所の拠点で対応しているように見せるサービスデスク。
フォロー・ザ・サン・・・時差のある複数の地域に拠点を設けることで、24時間対応を可能にしたサービスデスク。
###サービスデリバリ
サービスデリバリ・・・長期的な視点でITサービスの計画と改善を図るのが目的。5つの業務プロセスで構成されている。
↳サービスレベルマネジメント(SLM)・・・サービスの提供者と利用者の間でSLAを決め、PDCAサイクルによってサービスの維持・向上に努める。
↳キャパシティ管理・・・システムのキャパシティ(容量・能力など)を管理し、最適なコストでサービスの需要を満たす性能を保証する。
↳可用性管理・・・サービス利用者が利用したい時にサービスを利用できるように、機能の維持管理をおこなう。
↳ITサービス継続性管理・・・顧客に約束したサービス継続を、どんな状況下でも満たすために、計画立案と試験を行う。
↳ITサービス財務管理・・・ITサービスにかかわるコストを予測し、実際に発生したコストの計算や調整を行う。
###ファシリティマネジメント
ファシリティ・・・設備や施設のこと。
ファシリティマネジメント・・・設備や施設を適切に管理・改善する取り組みのこと。
UPS・・・日本語で無停電電源装置。装置内部に蓄電しておいて、停電などで電力の供給が断たれた際に一定の時間電力を供給する。
#システム監査
システム監査・・・組織の情報システムにまつわる様々なリスクをチェックし、評価や保証・アドバイスすること。
ITガバナンス・・・ITシステムを適切に管理・運用するための体制や方法のこと。
###システム監査人の4つの要素
①外観上の独立性・・・システム監査を客観的に実施するために、監査対象から独立していなければならないということ。
②精神上の独立・・・システム監査を実施するにあたり、偏見を持たず公平な目線で判断を行わなければならないこと。
③職業倫理と誠実性・・・職業倫理に従い、誠実に業務を実施しなければならない。
④専門能力・・・学習及び実務経験を通じて、専門職としての知識や技能を保持しなければならないこと。
###システム監査の流れ
①監査計画の立案・・・監査の目的を効率的に達成するために、監査内容や時期・範囲について適切な計画をたてる。
②予備調査・・・本調査の前に監査対象の実態把握を行う。資料の収集やアンケート調査などにより事前に問題点にあたりをつける。
③本調査・・・予備調査で作った監査手続書に従い、現状確認や監査証拠の収集・評価を行い監査調書にまとめる。
④評価・結論・・・監査調書に基づいて評価を行う。結果は監査報告書としてまとめ、指摘事項や改善方法などを記載する。
#参考文献
この記事は以下の情報を参考にして執筆しました。
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和03年