TypeScriptプロジェクトでwebpackを使ったサイトの開発を行っています。
webpackインストール後、標準設定のままでは開発環境で画像やCSSファイルが正常に読み込めなかったため対処したことの記録です。

大雑把なまとめ

開発環境、本番環境それぞれのリソースを置くディレクトリを作成
configで開発環境のファイル参照先を指定するpublicPathを追加
画像、CSSを読み込むためのパッケージを追加
ビルド時に開発環境のリソースを本番用のディレクトリにコピーするプラグインを追加

最終的な階層構造は以下のようになりました。

project/
　├ dist/
　│　└ resource/
　│　   └ img/ // 本番環境の画像ファイル
　│　   └ css/ // 本番環境のCSSファイル
　│　└ index.html
　│　└ main.js
　│　└ // 各種jsファイル
　│　
　├ src/
　│　└ img/ // 開発環境の画像ファイル
　│　└ css/ // 開発環境のcssファイル
　│　└ index.ts
　│　
　├ index.html
　├ package-lock.json
　├ package.json
　├ tsconfig.json
　├ postcss.config.js
　└ webpack.config.js

やったこと詳細

devServerの設定内にpublicPathを追加

publicPathは出力するファイルのパスを指定するためのオプション。

devServer.staticプロパティを追加。
- ビルド結果が出力されるdistディレクトリを設定

webpack.config.js


const config = {
  entry: "./src/index.ts",
  output: {
    path: path.resolve(__dirname, "dist"),
  },
  devServer: {
    open: true,
    host: "localhost",
    static: {
      directory: path.join(__dirname, "dist"), // これを追加
    },
  },

file-loaderを入れる

画像ファイルをバンドルするnpmパッケージ。

インストール

npm install --save-dev file-loader

package.json内に"file-loader"が追加されていることを確認する
webpack.config.jsに設定を追加

webpack.config.js


const MiniCssExtractPlugin = require("mini-css-extract-plugin");

const config = {
 // 中略
  plugins: [
 // 中略
      // Add your rules for custom modules here
      // ----- ここからfile-loader追加 ----- 
      {
        test: /\.(png|jpg|gif|svg)/,
        use: [
          {
            loader: 'file-loader',
            options: {
              name: 'img/[name].[ext]'
            }
          }
        ]
      },
      // ----- ここまで ----- 
      // Learn more about loaders from https://webpack.js.org/loaders/
    ],
  },
  resolve: {
    extensions: [".tsx", ".ts", ".jsx", ".js", "..."],
  },
};

css-loaderを入れる

CSSをバンドルするnpmパッケージ。
これはwebpackインストール時のオプション設定でCSS関連ソリューションを使用する設定をしていたため、最初から入ってました。
あとから追加する場合は上記file-loaderと同様にインストール&configに追記で対応。

copy-webpack-pluginを入れる

ビルド時に指定したディレクトリへファイルをコピーするプラグイン。

インストール

npm install --save-dev copy-webpack-plugin

Webpackの設定ファイルにcopy-webpack-pluginを追加

webpack.config.js

// ビルド時にsrc内のリソースをdistへコピーするためのプラグイン
const CopyWebpackPlugin = require('copy-webpack-plugin');

const config = {
  // 中略
  plugins: [
    new HtmlWebpackPlugin({
      template: "index.html",
    }),

    // Add your plugins here
    // Learn more about plugins from https://webpack.js.org/configuration/plugins/
    // ----- ここからプラグイン追加 -----
    new CopyWebpackPlugin({
      patterns: [
        { from: 'src/img', to: 'resource/img' },
        { from: 'src/css', to: 'resource/css' }
      ]
    }),
    // ----- ここまで -----
  ],

今回はビルド時に src/img src/css にあるファイルをそれぞれ
dist/resource/img dist/resource/css にコピーするように設定。

htmlファイルでの参照パスの指定

1つめの手順でdevServerのpublicPathを dist に設定しているので、dist ディレクトリ内のリソースファイルパスを指定しました。

index.html

 <img src="resource/img/画像ファイル名.png">

 <link rel="stylesheet" href="resource/css/CSSファイル名.css">

ここまでで、開発環境でも画像やCSSを正しく読み込んで表示できるようになりました。

srcディレクトリ内にリソースファイルを追加編集して、ビルドしてdistに写ったファイルをdev環境から参照する。という流れになっていますが、これが適切な運用なのかは分かりません。