この記事ではガリル社のモーションコントローラーの概要を記載する。
##モーションコントローラーとは?
サーボモータなどのアクチュエータを制御するための機器。モーション(動き)を制御(コントロール)することができる。下図ではPCに接続されたコントローラー(ガリル)がサーボアンプ(サーボドライバー)に指令を出し、サーボアンプがモーターを制御している。エンコーダーはモーターの動き(回転数やトルクなど)を計測し、コントローラーへフィードバックしている。
##ガリルの仕様
- スタンドアロン動作、またはPCからEthernet,USBで制御。
- 最大8軸(型式のDMC-41x3のxが制御可能な軸数。4軸ならDMC-4143)※注1
- プログラムまたはガリル制御ソフトのターミナルから動作。
- プログラムは最大8つまで並列制御(マルチタスク)可能。
- デジタル・アナログI/O制御可能。
- PID制御でゲイン調整が可能。
※注1 モーター一つを1軸と見なす。モーター4つを同時制御したいなら最大4軸用のガリルを使う必要がある。
##ガリルの特徴
- 簡単なプログラムでモーター制御ができるので、PLCに比べるととりあえず動かしたいときに便利。
- 並列処理が簡単にできるので、複雑な多軸制御でも動作検証が楽。
- 動作中にターミナルから回転数やトルクを変えられるので、簡単な動作ならプログラムを書き換えなくても動作検証ができる。
- プログラムは簡単な文法のスクリプト言語なので書きやすいが、古い言語スタイルなので複雑なことはできない。
- 円弧補間など数式の設定をしなくても自動でやってくれる。
##プログラムの作成・転送・実行
PC上でのプログラム作成・プログラムのガリルへの転送・ガリルでのプログラム実行の手順を記載する。
###プログラムの作成
ガリルプログラムのコーディングはGalil Toolsで行える(エディタはついているが入力補完などのIDEとしての機能はない)。なお、静的なエラーは以下のダウンロード実行時にターミナルに表示される。
###プログラムのガリルへの転送
作成したプログラムをガリルへ転送(ダウンロードと呼ばれている)するにはGalil Toolsでプログラムを開いた(プログラムウィンドウがアクティブ)状態でDownLoadボタンを押す。なお、ただダウンロードしただけではガリルの電源を落とした時にダウンロードしたプログラムは消されてしまうので、電源を落とした後でもプログラムを残したい場合は書き込む作業(ターミナルでコマンドBN)が必要になる。LSコマンドを実行するとガリルにダウンロードされたプログラムがターミナルに表示される。
###プログラムの実行
実行させたいプログラムをガリルへダウンロードした状態で、ターミナルにXQ#{実行させたいラベル名}と入力するとプログラムが実行される。