はじめに
CodeRunner 4とは?
MacOSには“CodeRunner 4”という非常に軽い実行環境があります。VSCodeにも“CodeRunner”という拡張機能がありますが、これとは別の独立実行型のアプリケーションです。詳細は
https://coderunnerapp.com
をご覧ください。
CodeRunner 4の注意点
Apple App Storeでも“CodeRunner 4”が購入できますが、App Storeのアプリケーションは(本来はそうあるべきだとは思いますが)サンドボックスの制約が厳しいために、思うように機能を拡張できないという不利な点があります。これはTexifier(旧名Texpad)というLaTeX用のIDEにも言えることです。
そのため、利用して課金することを決めた場合は、サイトから直接、ライセンスを購入することをお勧めします。
Python 3.12にバージョンアップして困ったこと
pipでインストールできないモジュールがある
Python 3.12をHomebrewでインストールした場合、Apple App Storeと同様に要求するサンドボックスの制約が強めなために、pipでモジュールをインストールできないものがあります。無論、ユーザーの操作によってシステム全体に影響を及ぼさないようにするという設計思想は重要だと思いますが、利用したいモジュールがインストールできないのでは、そもそも意味がないというのも確かです。
解決方法
そのような場合に最も手っ取り早いのが「仮想環境」を構築しておき、その中でpipでモジュールをインストールするという方法です。
仮想環境の作成の際は、書類内に作成するとiCloudにアップロードされて、物理ディスク内の中身がなくなってしまった場合、いちいちダウンロードするのが面倒なので、ホームディレクトリに作成するのが良いかと思います。
仮想環境の簡単な作成方法(自分のホームディレクトリに作成する場合)
cd ~
python3 -m venv myenv
この操作は1回のみです。
そして、通常の実行の場合はその後、ホームディレクトリの位置で
source myenv/bin/activate
とすることで仮想環境の中に入ることができ、
deactivate
で仮想環境から抜けることができます。
CodeRunner 4で仮想環境に入りたい
メニューバーから「Setting...」を選択
まずは下の画像のようにメニューバーの「CodeRunner」→「Setting...」で設定画面を表示させます。
次に下の画像のように「Languages」タブの「Settings」タブを選びます。
Setting
Run Commandには
source $compiler ; python $filename
と入力しておきます。
Language uses compile scriptに入力
次にLanguage uses compile scriptにチェックを入れて、Edit Scriptボタンを押します。
そして、末尾に
echo "/Users/[ユーザー名]/myenv/bin/activate"
と入力してSaveで保存します。
ユーザー名が分からない場合
なお、[ユーザー名]部分には自分のユーザー名が入りますが、自分のユーザー名がわからない場合は、下記を入力して
cd ~
これでホームディレクトリに移動して、
pwd
と入力することで、自分のホームディレクトリのパスを知ることができますので、この“/Users/”の後ろに表示されているのが[ユーザー名]に該当する部分です。
例えば、上記の“pwd”を入力して
/Users/hogehoge
と表示された場合は、Language uses compile scriptのEdit Scriptボタンで表示されたScriptの末尾には
echo "/Users/hogehoge/myenv/bin/activate"
と入力するということになります。
おわりに
これで仮想環境内でPythonを実行することが可能になります。
追記:仮想環境へのモジュールのインストール方法
モジュールをインストールしたい場合は、ターミナルでpipでこの仮想環境内に入る必要があるために
source myenv/bin/activate
とすることで仮想環境の中に入ることができ、
pip install モジュール名
で任意のモジュールをインストールし、
deactivate
で仮想環境から抜けることができます。