はじめに
2023年の6月から文系卒で新卒未経験としてエンジニアとなり約半年がたったエイスケといいます。
この時代この3点セットも珍しくはないとは思うのでこういった同じ状況の同年代の方々や24卒以降の方にも私の体験談が参考になったらいいなと思っています。
時系列
6月中旬 エンジニア研修でAWSと出会う
6月20日 クラウドプラクティショナー申し込み
7月8日 クラウドプラクティショナー(CLF)合格
8月16日 SAA申し込み
8月19日 SAA合格
12月10日 Solutions Architect Professional申し込み
12月24日 Solutions Architect Professional合格
こういった時系列でソリューションアーキテクトプロフェッショナルを獲得できました。
この記事の対象者
- Solution Architect Professional(以降SAP)を受けようと思っているそこのあなた
- 試験前でいろいろな人の体験談を読んでいるそこのあなた
この記事で知れること
- SAPとはどういう資格なのか
- なぜ難しいのか
- 勉強時間・勉強方法
- SAPの試験特性を踏まえた意識する点
こういった点をAWSの実務経験はおろか、エンジニアとしての人生も歩み始めたばっかりの視点から書いていきます!
SAPとはどういう資格なのか
AWS認定資格の最難関資格との噂があるほど非常に難易度の高い資格です。
AWS WellArchitected フレームワークに基づいて AWS ソリューションを設計し、最適化することを課題とし、受験者の高度な技術スキルと経験を検証します。
と、これが試験ガイドに書いてある説明です。簡単にいうとユーザーが抱える課題をAWSサービスを使ってどう解決するかを答える試験ですね。
試験問題は75問で、試験時間は180分です。多い!長い!
解答タイプとしては、4択から1つ選ぶ択一選択問題と、5~6択から2~3つ選ぶ複数選択問題があります。
合格ラインは1000点中750点です。
比較対象としてSAAと比べると
試験問題 | 試験時間 | 解答タイプ | 合格ライン | |
---|---|---|---|---|
SAP | 75問 | 180分 | 択一選択問題・複数選択問題 | 750点 |
SAA | 65問 | 120分 | 択一選択問題・複数選択問題 | 720点 |
となります。
10問増えた割に60分も増やしてくれるAWSさん優しい!という感情になりますが、問題を解き始めたらその感情は一瞬で無くなります。
試験の詳細は試験ガイドからみれるので1度目を通しておくといいと思います。
なぜ難しいと言われるのか
最難関と言われる所以はおそらく以下の理由からかなと思います。
①問題文と試験時間が長い
とりあえず1問見てみましょう
- ある企業には、個々のビジネスグループが所有する多数の AWS アカウントがあります。そのアカウントのうちの 1 つが最近侵害されました。攻撃者が多数のインスタンスを起動したため、そのアカウントの請求額が高額になりました。
同社はセキュリティ侵害に対処しましたが、ソリューションアーキテクトは、すべてのアカウントで過剰な支出を防ぐソリューションを開発しなければなりません。各ビジネスグループは、各自の AWS アカウントで完全なコントロールを維持したいと考えています。
これらの要件を満たすために、ソリューションアーキテクトが推奨すべきソリューションはどれですか。
A) AWS Organizations を使用する。各 AWS アカウントを管理アカウントに追加する。ec2:InstanceType条件キーを使用する SCP を作成して、各アカウントで高コストのインスタンスタイプが起動されないようにする。
B) カスタマー管理型の新しい IAM ポリシーを、各アカウントの IAM グループに添付する。ec2:InstanceType 条件キーを使用するようにポリシーを設定し、高コストのインスタンスタイプが起動されないようにする。既存の IAM ユーザーをすべて各グループに配置する。
C) AWS アカウントごとに請求アラートをオンにする。アカウントが指定された支出しきい値を超えると必ず Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) 通知をアカウント管理者に送信するAmazon CloudWatch アラームを作成する。
D) 各アカウントで AWS Cost Explorer をオンにする。各アカウントのCost Explorerレポートを定期的に確認して、支出が希望額を超えていないことを確認する。
とにかく問題文も回答文も長いですね。これが75問出てくるので、解いている途中は一生終わらないのでは???と思いますね。
これは試験中もそうですが勉強中もこれを解いていかないといけないので非常にメンタルにきます。。。
180分という試験時間もほとんどの人が経験したことのない試験の長さですよね。(東工大の2次試験の数学が同じ試験の長さだそうです。)
これを集中力をもって解き続けないと正答率75%の壁を突破するのは対策なしにはなかなか難しいかなと思います。
②選択肢が全て正解に見える
本当に全部正解に見えます。たぶん中には全部正解のものもきっと混ざってます。
この正解に見える問題。2つの理由があるからかなと思います。
1.長い回答文の中に正解の部分と不正解の部分が存在する。
正解の箇所を読んで、これだ!と回答文を読むのをやめて次に行くとそこに続く箇所が間違いのため選択肢としても間違いというものがあります。
2.間違いではないが、他により正解のものがある
これが厄介なんですよね。
例えば、コスト最適化を行いたい場合、どれでもコストは減るが要件を満たしつつ1番コストを下げられるものを選ばないといけないわけですね、、、
③シンプルに聞かれることが難しい
これまでCLFとSAAを取ってきましたが、聞かれるサービスはより広くより深いです。
それだけでも難しいのは確定ですね、、、でもこれは勉強して知識蓄えればOK!
勉強時間・勉強方法
勉強時間
勉強時間は本気でやったのは50~60時間くらいです。期間にすると2週間です。
平日は始業前に2時間以上。ときどき終業後も少し。
土日は実質3日間しかなかったので、それぞれ6時間ずつくらいやりました。
『本気でやったのは』というクサい文言があるのは、8月にSAAを取ってから何度も次はSAP!と思って問題を解き始めたのですが、問題の長さと全く正解しないことに絶望して何回か諦めた過去があるからです笑(その辺の勉強時間を含めると全部で80時間になるかなと思います。)
どうしても年内に取りたかったので12月10日に腹をくくって何も準備はできていない中、2週間後の試験の登録をしました。
そこからは気合を入れて試験準備をしました。結局受かるか落ちるかは試験日を確定させるかしないかですね!
勉強方法
2週間で合格までたどり着く必要があったのでひたすら問題を解くことを選びました。
SAAくらいの知識は持っていたので、SAAを取った人はとりあえず問題をたくさん解いてみることをお勧めします。
私は書籍とWEB問題集を使ってひたすら問題を解きました。
書籍
AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説
この本はSAPの試験特性を解説してくれているので、SAPの勉強を始める際にこの本を買って1周すると最初の試験勉強としては取り組みやすいと思います。
また、ほとんどが問題で構成されているので問題を解くことの練習にもなりますし、解説も充実しているので自分の回答がなぜ間違っているのかを理解することができます。
WEB問題集
CloudLicense
この問題集があるのとないとでは合格率が全然変わってくると思います。
圧倒的な問題量と解説量なので、問題を解く練習にも知識を増やすことにも役に立ちます。
また、AWS認定本試験モードという75問180分の模擬試験を受けることができます。これで本番への対策も練ることができます。
※このサイトはよく名前が変わったり、どこの会社が提供しているのか分からなかったりとちょっと怪しい噂があります。使う際は自己責任でお願いします。
SAPの試験を受けるにあたって意識すること
この試験に合格するために、ひたすら問題を解いて知識を蓄えるというのは時間をかければできそうですが、皆さんそうはいかないと思うので、知識が完璧でない中で75問を180分で解くにあたって意識しておくといいことがあります。
①選択肢は消去法で絞る
全部正解に見えるので、とにかく間違いのパターンを問題を解く中で見つける必要があります。
・ALBはリージョンをまたいで配置することはできない
・NLBにWAFを直接設定はできない
など選択肢の中にこういったできないことをあたかもできるように書いているので、秒で選択肢を削ることができます。
上手くいけば1択まで絞ることができるので、
そのサービスでできることを知ることも大事ですが、できないことを知ることも同じくらい大事です。
②3時間集中できる方法を知っておく
ある程度知識を持てば、それを発揮するためにはどうするかを考えた方が良いです。
集中力切れで普段だったら解ける問題を落としてしまうことが1番良くないのでそのためにも必要な対策かなと思います。
75問180分という1問あたり2~3分くらいで3時間問題を解き続けないといけないので。とにかく集中し続ける方法を知っておく必要があります。問題と解答
自分はベタですがカフェインと糖を試験前に摂取してから試験の望みました。
あと試験を受ける前に試験監督に試験中のお手洗いに行けるかどうかを聞いておいて、集中力が切れそうだったら5分間退席して休憩しに行くことも手で、自分もそこで集中力を回復させました。
もちろん試験時間はその分削られてしまいますが、集中力を切らすと連続して間違えてしまう可能性があるので、試験中の集中力を取り戻すために5分使うなど、試験に臨む前に180分間の時間の使い方を決めておくことをおすすめします。
③あきらめない
正直、試験勉強するときも試験を解いている間もあきらめそうになることがたくさんあります。これはSAAやCLFとは全く違う辛さがあります。
でも、あきらめないでください!必ずできるようになります!
私も試験中、次の試験いつ受けようかなとかあきらめそうになった瞬間もありましたが、まずは最後までやり切る。完走を目指してやってみてください!
それで結果がダメだったとしても、3時間の時間の使い方への対策を次は打つことができますし、無駄ではないです。
あきらめそうになったらまずは目の前の1問を絶対正解させることに意識を置いてみてそれをひたすら繰り返していくといつの間にか75問解き終わっています。
最後に
正直試験を受ける前も受け終わった後も合格する自信がなく、今ももう一回受けたら合格できるのかは分からないです。
安定して合格するには何か月という単位で勉強するべきだし、BlackBelt等を読み込んで敵なし状態にすることが1番いいと思います。
でもそれはとんでもなく大変なことなので、とにかく合格することを目標に今回は取り組んでみると、AWSの知識はもちろんこの180分試験に対する取り組み方にも対策が必要なことが分かりました。
2023年の6月からエンジニアとなり12月にProfessionalの試験に合格できたのは、自分でも満足できる結果となりました。
来年はここで得た知識をより業務で使えるようにすることと、Specialty試験にも挑戦していくことを目標に日々精進していきます。
今見たらSpecialtyも180分試験なんですね。これを3年おき?に更新し続けるのとんでもない体力ですね。。知識付けてそこらへんはカバーしていきたいです。
おまけ
どうしてもメンタルが持たない場合はフルマラソンに出場して、自分の限界に挑むことでメンタルを強くすることをお勧めします。なのでAWS資格取得ロードとしては、CLF→SAA→フルマラソン完走→SAPですね。