はじめに
皆さん、「参照マスタ」というものを聞いたことがありますか?
「参照マスタ」とは、マスタオブマスタと言われてマスタデータを作る際、マスタを構成する属性を定義するコード値を指します。
参照マスタとは…
それでは、どのようなものが参照マスタであるかを確認してみましょう。
例えば、国・地域コード、都道府県コード、通貨コード、勘定科目・コストセンター、カテゴリ分類(UNSPSC‐国連標準製品サービスコード、顧客区分、工場区分)等のようなものが該当します。
参照マスタは、大まかに2つに分類されます
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企業法人等の組織内部でのみ使用されるもの(内部):勘定科目・コストセンター、組織・人事コード、テリトリコード、販売区分等
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世間一般に公開されて世界、業界共通のもの(外部):通貨コード(ISO 4217)、国・地域コード、都道府県コード、日本標準産業分類(JSIC)、北米産業分類システム(NAICS)、国連標準製品サービスコード(UNSPSC)等
Informatica MDM SaaSと参照マスタについて
これら「参照マスタ」も、Informatica MDM SaaSで管理することができます。その為には、Reference 360(360アプリの一つ)を利用します。そして、Referenceライセンスが必要となります。
このReferenceライセンスには、2パターンがあります
- 標準(スタンダード):Reference 360の全ての機能が利用できる
- 基本(ベーシック):Reference 360の一部機能のみが利用できる
「基本(ベーシック)」とは…
例えば、顧客(取引先法人/消費者)、製品(品目、製品)マスタには、それぞれ、顧客区分(株式会社、有限会社)、製品区分(例えばRoHS適合)、リスク区分(信用)等のように当該マスタ自体を管理する上で必要な属性があります。
それ以上、それ以下でない範囲でそれら属性コード値の管理を行う場合に限定して利用することができるものです。
MDM SaaSで、Customer 360、Product 360、Supplier 360を利用の場合、Reference 360 基本(ベーシック)を利用して、参照(属性)データを管理することができます。
顧客-Customer(B2B、B2C)、製品-Product、サプライヤーSupplierドメインライセンスに包含されています(※Referenceドメインライセンスは不要です)
例えば、「取引先区分」のドロップダウンリストを設ける場合で利用します。
「基本(ベーシック)」の利用範囲・制約事項
利用制約は、以下のようになります。
「基本(ベーシック)」での参照マスタの作成の流れ
Business 360コンソールから当該属性を設定させるビジネスエンティティ(BE)において、「選択リスト」、「従属選択リスト」の[全般]プロパティの「新規」から設定します。
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項目定義
Name、Code、Descriptionの3項目固定のみ
(保存ボタンをクリックしてこの参照マスタのレイアウトを確定します) -
ビジネスエンティティの属性(項目)に利用する参照マスタを引き充てる
(■をクリックして、前段で保存した参照マスタを検索します)
まとめ
導入検討時において、要件が確定していない、また、要件定義途中、インプリ途中でも仕様変更があり得ます。「基本(ベーシック)」の利用以外に、「標準(スタンダード)」の最低ライセンス数(10,000レコード~)を準備しておくと、要件・仕様変更に柔軟に対応することができますので、検討をおすすめします。