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最新のRuby on Railsに一人で迫ってみる挑戦Advent Calendar 2023

Day 10

StimulusはどのようにしてDOMの変更を検知しているのか

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はじめに

本記事は錆びかけたRailsの知識を頑張ってアップデートするアドベントカレンダー10日目です。

今日はMutationObserverについて学んだらRails7(というか、Stimulus)の仕組みが把握できたという話を書きます。

背景

筆者は現在、Rails7のHotWireを学んでいます。

HotWireを学ぶ教材として、猫Rails様の書かれた猫でもわかるHotwire入門 Turbo編を読み手を動かしています。

その中で、Stimulusというライブラリが登場しました。

stimulusとは?

Railsで利用するJavaScriptのライブラリです。Stimulusを使えば、RailsでJavaScriptを使った動きをつけるとき、より便利にJavaScriptを扱えるようになります。

具体的なStimulusの動作例は以下のページに端的にまとまっているのでぜひご覧ください。

素のJavaScript(ここではバニラJSと呼びます)を利用する場合と比較したStimulusの特徴は以下の通りです。

構造化されたJavaScriptコードの管理

バニラJSもStimulusも、要素に対してイベントをセットして、ユーザーの決まった動作(Clickやフォームの入力)に反応してそのイベントが動く(イベントが発火する)という点は変わりません。

しかし、Stimulusはイベントをセットするためのお作法、レールを用意してくれます。これにより複数人で開発する場合やコードの量が多くなってきた場合でもコードの可読性を保ちやすくなります。

DOMの変更に対する自動的な対応

StimulusはDOMの変更を監視します。新しく要素が追加された場合、自動的に適切なイベントをセットする仕組みがあります。

新しい要素がユーザーの操作などによってDOMに追加される場合、その新しいDOMにイベントをセットするようコードを書くのは手間ですし、ミスが起きやすくなります。Stimulusは、これを自動化しているので便利!ということですね。

疑問点

ここで1つ疑問が浮かびました。StimulusはどのようにしてDOMの変更を監視しているのでしょうか。

結論

Stimulusは、MutationObserverというものを使ってDOMの追加・更新を監視しています。

MutationObserverとは?

MutationObserverはWeb標準のAPIです。DOMの変更に反応して発火します。JavaScriptから利用するための書き方が準備されています。おそらく、以下のような形で実装されているはずです。

注意: 以下は筆者の妄想コードです。実際のStimulusの中身のコードではありません。

stimulusの例
import { Application } from "stimulus"

const application = Application.start()

// MutationObserverの設定
const observer = new MutationObserver(mutations => {
  mutations.forEach(mutation => {
    if (mutation.type === 'childList') {
      mutation.addedNodes.forEach(node => {
        // 新しいノード(DOM要素)が追加された時にコントローラーを接続
        application.connectControllerForNode(node)
      })

      mutation.removedNodes.forEach(node => {
        // ノードが削除された時にコントローラーを切断
        application.disconnectControllerForNode(node)
      })
    }
  })
})

// ObserverをDOMの変更を監視するように設定
observer.observe(document.body, { childList: true, subtree: true })

ここで伝えたいことは、new MutationObserverという書き方は特にライブラリを読み込まずともできる、つまり標準で使えるクラスであるということです。

なるほど確かに、このようなAPIがあるのならDOMを監視して何かをするということが容易にできそうですね。

Stimulusが監視しているイベントまとめ

イベント 説明
input 入力フィールドに文字が入力された際にトリガーされる。テキストボックスやテキストエリアでのキータイプなどに用いられる。
change フォーム要素(例えばテキストボックス、セレクトボックス、チェックボックス)の値が変更されたときにトリガーされる。
submit フォームが送信されるときにトリガーされる。フォームの送信ボタンが押された際などに反応する。
mouseover マウスポインターが要素の上に移動したときにトリガーされる。
mouseout マウスポインターが要素を離れたときにトリガーされる。
keydown キーボードのキーが押されたときにトリガーされる。
keyup キーボードのキーが離されたときにトリガーされる。
focus 要素がフォーカスを受けたとき(例えばテキストボックスをクリックしたとき)にトリガーされる。
blur 要素がフォーカスを失ったときにトリガーされる。

終わりに

StimulusはRailsの思想であるCoCを体現するJavaScriptライブラリなんですね。

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