はじめに
Gitに関する資料やリファレンスは多いものの、「実際の現場でよく使うコマンドって結局どれ?」という疑問を持つ方も多いと思います。
この記事では、私が普段の業務でよく使っているGitコマンドを厳選してご紹介します。
基本的な使い方と「どんなときに使うのか」をセットで解説するので、Git初心者や学び直したい方の参考になれば幸いです。
1. git status
:現在の状態を確認
git status
- 使いどころ:変更されたファイル、add済みのファイル、現在のブランチの状態を確認したいとき
2. git log --oneline --graph
:履歴を簡潔に表示
git log --oneline --graph
- 使いどころ:履歴をツリー状に視覚的に把握したいとき
3. git checkout -b ブランチ名
:新しいブランチを作成して移動
git checkout -b feature/new-ui
- 使いどころ:新しい作業用ブランチを作成するとき
- 注意点:現在のブランチの状態がそのまま引き継がれるため、事前にコミットしておくのが安全
4. git stash
:作業中の変更を一時退避
git stash
-
使いどころ:急に他のブランチに切り替えたいけど、コミットはまだしたくないとき
-
補足:
-u
を付けると、新規作成ファイル(未追跡ファイル)も退避できる -
関連コマンド:
-
git stash list
:退避中のリストを確認 -
git stash apply stash名
:退避した変更を戻す(stash名を省略すると直近の退避分が適用される)
-
5. git reset --soft HEAD~1
:直前のコミットをやり直す(履歴を消さずに)
git reset --soft HEAD~1
- 使いどころ:直前のコミットメッセージを修正したいとき。コミットをやり直したいとき
- 注意点:push 済みのコミットに対しては使わないのが安全
6. git diff
:差分の確認
git diff
-
使いどころ:どこを変更したか、コミット前に確認したいとき
-
バリエーション:
-
git diff --cached
:add
済みのファイルの差分を確認 -
git diff ブランチA..ブランチB
:ブランチ間の差分比較 -
git diff --name-only
:ファイル名だけ表示 -
git diff -- 対象のファイルパス
:特定ファイルの差分を確認(--
とファイルパスの間に半角スペースが必要)
-
7. git revert
:間違ったコミットの取り消し(安全なやつ)
git revert <コミットハッシュ>
- 使いどころ:すでにpush済みのコミットを「打ち消したい」とき
-
ポイント:
reset
と異なり履歴を壊さず、打ち消しのコミットを新たに作成するため安全
8. git cherry-pick
:他のブランチの特定のコミットだけ取り込み
git cherry-pick <コミットハッシュ>
- 使いどころ:メインブランチに一部の修正だけ先に取り込みたいとき
- 注意点:コンフリクトが起きやすいため、事前に差分の確認をしておくと安心
9. git branch -d
:使い終わったブランチを削除
git branch -d feature/old-ui
-
使いどころ:マージ済みで不要になったローカルブランチの掃除
-
オプション:
-
-D
:未マージでも強制削除(慎重に!)
-
10. git clean -fd
:Git管理外の不要ファイルをまとめて削除
git clean -fd
-
使いどころ:
git status
に「Untracked files」が大量に表示されていて邪魔なとき -
利点:作業ディレクトリがスッキリし、ビルドファイルや一時ファイルの削除が楽になる
-
注意点:Git に管理されていないファイルを完全に削除するため、重要なファイルを消さないように注意。まずは
-n
オプションで確認するのが推奨 -
オプション:
-
-n
:削除前に対象ファイルだけを表示(安全) -
-f
:削除を強制(required) -
-d
:ディレクトリも対象に含める
-
まとめ
実務では「どのコマンドを、どんな場面で使うか」がわかると、Git操作がぐっと楽になります。
もし他にも「このコマンド便利だよ」というものがあれば、ぜひコメントで教えてください!
🍭おまけ:筆者のGit便利設定
# よく使うエイリアス
git config --global alias.st status
# git st で git status が可能
git config --global alias.co checkout
# git co で git checkout が可能
git config --global alias.br branch
# git br で git branch が可能