はじめまして!ネットワークエンジニア目指す大学3年生のえださんです!
嬉しいことにTechTrain Advent Calendar 2019の5日目を担当させていただくということで、僕からは、無線通信ってとってもおもしろいんだよってことをちょっとでも共有できたらなと思います...!!
最近メッシュWi-Fiを触れておもしろいな〜と思ったので、今回のテーマは「メッシュWi-Fi」です!
メッシュWi-Fiとは?
現在は家庭用IoT機器の普及や、一人あたりが所有する端末の増加によって、Wi-Fiアクセスポイント(以下AP)に対する負荷は一昔前よりかなり大きいものとなっています。また、家がとてもひろーいみなさんにとって、「端っこの部屋に電波が届かない。。。」ということも深刻な問題ですよね?(笑)これらを柔軟に対応することのできる仕組みがメッシュWi-Fiなんです!ここでは、TP-Linkが販売するメッシュWi-Fiルーター、Deco M9 plusの仕様に沿って説明していきます。
まず、無線LANの一般的な構成とメッシュWi-Fiでの構成から比較していきましょう。
一般的な構成
一般的な構成は以下のようになっています。
みなさんの家もルーターとモデムがくっついているといった違いがあったりするかもしれませんが、基本的にはAPが1つのこのような構成となっているでしょう。この場合、以下のような特徴があります。
- 接続する機器が増えるとどんどんAPの負荷が大きくなってしまう
- APからの距離が遠くなるに従って電波強度が落ちていく
- APに障害が起きた場合、Wi-Fiが使用不可になる
メッシュWi-Fiでの構成
では次にメッシュWi-Fiの構成をみていきます。
メッシュWi-Fiの場合はAPを複数設置することが可能です。TP-LinkのDecoシリーズでは最大10台まで設置することができるようです。インターネットにつながっているAPをメッシュWi-Fiルーター、その他のAPをサテライトと呼び、これらのAP群で1つの大きなメッシュネットワークを構築します。また、一般的な構成に比べて以下のような特徴があります。
- 接続する機器が分散されるのでAP1つあたりの負荷を小さくできる!
- 常に一番電波強度の高いAPに接続するので通信品質を保てる!
- 特定のAPに障害が起きても、周囲のAPに切り替わって通信を継続できる!
ということで、「ここの部屋電波弱いなぁ。。」となっていた場所にサテライトを設置することで、今までの懸念点を改善することができるようになるのです!
また、メッシュネットワークを構築するバックホールもEthernet、Wi-Fiと柔軟に選択できるため、この部屋はパケットロスを抑えたいからバックホールはEthernetで、この部屋はEthernetの環境を用意するのが大変だからバックホールはWi-Fiにする。といったことが可能です。
必要なところに好きな形でAPを設置して、ネットワークを拡張していくことのできる仕組み、それがメッシュWi-Fiなのです!ジュウナンダナーーー
ちなみにGoogleのメッシュネットワークの説明には以下のようなメリットが挙げられています。簡単かつ的確にまとめられているので、ぜひ本文の方もみてみてください。
- 柔軟な受信可能範囲: Wifi ポイントを追加すると、玄関や壁を隔てた屋外など、受信しにくい場所にも強い電波が届きます。
- 自己修復: 従来の Wi-Fi ネットワークでは、ルーターが故障すると、デバイス間の通信もすべて切断され、Wi-Fi が使用できなくなります。一方メッシュ ネットワークでは、1 つの Wifi ポイントが停止したら、通信は別の Wifi ポイントに転送されます。注: このことが行われるのは、追加の Wifi ポイントが停止した場合のみです。メイン Wifi ポイント(モデムと接続している Wifi ポイント)がオフラインになった場合は、ネットワーク全体が停止します。
- 直接の経路: すべての Wifi ポイントが相互に接続されているため、宛先にデータを送信できる経路は複数あります。経路は、常に最速のものが選択されます。
メッシュWi-Fiを支える技術
メッシュWi-Fiでは常に一番電波強度の高いAPに接続することで通信品質を高めているわけですが、その際に発生してくるのが、APの切り替え処理(= ローミング)です。このローミングに時間がかかってしまうと、通信が途切れたり、切断される原因になってしまいます。メッシュWi-Fiではこのローミングを円滑に行うことのできる技術がいくつか採用されています。
IEEE802.11v
ネットワークトポロジに関する情報共有を規定したプロトコルです。クライアントはこれを利用することで、ネットワークの全体像を掴むことができ、ローミング先のAPを決める判断材料とすることができます。また、省電力に関する制御もこれを通して行われます。
IEEE802.11k
近隣ノードに関する情報共有を規定したプロトコルで、クライアントはこれを利用することで、近隣APで利用されているチャネル情報をリストとして取得することができます。接続中のAPの信号強度が落ちてきたら、このチャネルリストのAPよりローミング先のAPを探します。すると、より高速にローミング先APを決めることができます。
IEEE802.11r
高速ローミングを規定したプロトコルで、実際にローミングを行う際にFT (Fast Basic Service Set Transition) と呼ばれる機能を使ってすばやく認証を行うことができます。具体的には、APを移動した際に行われる鍵の交換処理を省略することができます。
プロトコルっていろいろあるんですねえ〜〜。
さいごに
メッシュWi-Fiの概要から、使われている技術までを記事とさせていただきました!
無線通信って、空間を伝搬していく電波だからこその技術がたくさんあるんですよね〜〜。うーーーん、おもしろい!!!
実はこの記事、再編集して二度目の投稿になるんですが、その理由が所属している組織から知的財産について指摘があった為です。目に見えない財産である以上、なかなか価値があることすら実感できない訳ですが、会社、研究室といった組織として活動を行っていく以上その意識はしっかりしておかなくてはならないと痛感しました。なにが損害を与えるかなんてなかなかわからないですからね。一番安全なのは、組織として行っている分野に関しては一切アウトプットしないことだと思いました(笑)みなさんも「知的財産」自分は大丈夫だと思っていても(まさに自分がそれ)訴えられる可能性ありますから気をつけていきましょう。
私のブログの方でも情報発信たまーーにやってますので、そちらもぜひご覧ください!
最後まで見てくださってありがとうございました〜〜〜〜〜