はじめに
Excelで 「Ctrl + Shift + \(バックスラッシュ)」 というショートカットをご存じでしょうか。
「罫線を削除する」 という、ややマニアックなショートカットです。
様々なサイトで「表の途中の罫線をいい感じに削除してくれる」かのように紹介されているものの、具体的にどのような挙動をするのか気になったので調べてみました。
「Ctrl + Shift + \(バックスラッシュ)」の活用例
例えば1つの表を上下に分けたい場合などに使用できます。
ただし、表の作成過程で罫線のつぎはぎが行われていると、以下のようになってしまうことがあります。
なぜこのような事象が起きるのでしょうか?
そもそも「罫線が引かれている」とはどのような状態か
3×3のセルを選択して格子状に罫線を引いた場合を例にとります。以下のイメージです。
この場合、実際は各セルに以下のような罫線が引かれています。
※グレーの箱=罫線あり、破線の箱=罫線なし
例えばA1セルとA2セルの間の罫線は、
- A1セルの下罫線
- A2セルの上罫線
の2つの罫線が引かれた結果、それらをまとめて表示しているということになります。
一方、C1~C3セルの右隣(D1~D3)の周囲には罫線がありませんが、実際はC1~C3セルの右端は罫線が引かれているように見えています。
つまり、
- 自セルと、隣接するセルのいずれの側からも罫線が引かれている
- 自セル側からのみ罫線が引かれている
のいずれのケースであっても、表面上は罫線が引かれているように見えるということになります。
「Ctrl + Shift + \(バックスラッシュ)」で何が起こるか?
罫線の仕組みを踏まえたうえで、「Ctrl + Shift + \(バックスラッシュ)」によって何が起こるかを確認します。
上端と左端の罫線のみが消えます(見えなくなります)。
下端と右端がなぜ消えない(見えたまま)なのかというと、A2セル上端とB1セル左端の罫線が残っているからです。
<例2:2行目を選択>
このショートカットキーの活用例として紹介されているものです。
表の真ん中である2行目の縦罫線のみが消えます。
なぜ2行目の上端と下端が残ったままかというと、1行目下端と3行目上端が消えていないからです。
なにも変わりませんね。
これは、隣接する周囲の各セル(B1、B3、A2、C2)側からの罫線が消えていないためです。
本当に上記の通りになっているか確認しましょう。
B1~B2を範囲選択した状態でセルの書式設定ダイアログの「罫線」タブを開いてみると分かります。
中央部の罫線の色が黒から淡いグレーに変わっています。
選択範囲の内線がいずれの側のセルからも引かれている場合は黒、それ以外は淡いグレーになるので、片側(この場合B2セル)の方からの罫線のみが消えていることが確認できます。
「Ctrl + Shift + \(バックスラッシュ)」で狙った効果が得られないケース
冒頭で記載した、「Ctrl + Shift + \(バックスラッシュ)」により一部罫線が欠けてしまうケースに話を戻しますと、これは一部セルについて5行目セル側からの罫線が引かれていなかったためとなります。
終わりに
罫線の仕組みを頭に入れておくことで、「Ctrl + Shift + \(バックスラッシュ)」を使えるシーンについて理解が深まると思います。
罫線の操作は頻出作業なので、是非活用してください。