ニューロモーフィック・(チップ|コンピューティング)について気になったのでメモ。
IoT機器自体がセンサー以上の役割を持って自律的に機能するには、微細化技術の限界・必要な計算量・バッテリー技術、等を考えると、「ニューロモーフィック」な技術の進歩が必要になるのかもしれない。10~20年後にはコンシューマーの手に降りてくるのか?
「ニューロモーフィック・チップ」とは?
ニューロモーフィック・チップ(Neuromorphic chip)とは、脳の構造を模したコンピューターチップで、インテル、クアルコムなど企業をはじめ、様々な企業・研究所で研究が進められています。
ニューロンモデルを用いたコンピューティングは、既存のコンピュータ上でシミュレートするニューラルネットワーク(神経回路網)が浸透していますが、IBMが開発したのは、脳のニューロンとシナプスを物理的に模した構成のニューロシナプティック・コア、つまり、これまでソフトウエアとして実現されてきたものを半導体上の集積回路ハードウエアとして再現したもので、まさに「人工頭脳」の第一歩と呼べるものかもしれません。
概要を理解するのにお勧めの資料 by OGAWA, Tadashi (@ogawa_tter) 2016年12月16日
PDF : "Perspectives on Neuromorphic Computing", T. Hylton, Keynote, ORNL Neuromorphic Comp WS, Jun 29 2016
最近の状況
Slide (PDF) : Neuromorphic Computing ~ Beyond CMOS Emerging Computing Architecture ~ Basic Research Needs
2015年10月に開催された Round Table のレポート。
スポンサーは北米の DOE = Department Of Energy の Office Of Science ASCR/BES。
ASCR : Advanced Scientific Computer Research
BES : Basic Energy Sciences
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- 参加者一覧を見ると、どの企業・大学が興味を持っているかわかる。
- Slide 7
- シナプスと機能等価なメモリスタ(Memistor)が重要な役割を担う
- 2008年にHP研究所により開発された
- 抵抗器(Reistor)、キャパシタ(Capacitor)、インダクタ(Inductor)に次ぐ新たな受動素子(第4の回路素子)
- The memristor = the functional equivalent of a synapse
- Slide 8
- Von Neumann と Neuromorphic の比較図
- Slide 13
- 機械学習との関係についても触れている。
- 複雑で構造化されていないデータの解析には(フォン・ノイマン型コンピューターを使った)現在の手法は不向きで、ニューロモーフィック・コンピューティングの適用により大きく加速できる可能性がある。
- Slide 15
- 既存チップの比較
- TrueNorth : 2015 IBM
- SpiNNaker hybrid CPU/Neuron : University of Manchester and FACETS, University of Heidelberg
- ARM コアをつなげて開発した??Low-Power Chips to Model a Billion Neurons
以上