概要
SeedSigner の開発者チームには彼等なりの思想・志向があるようで1、ある種の機能追加リクエストは長い間優先度が低いままに据え置かれています。そこで個人的に欲しかった機能を追加したフォークを自分で作成しました。
追加した機能
現在のところ公式版に追加している主な機能は以下のとおりです。一つ目は日本語のパスフレーズを入力するために必要だったのですが、長期保管用のウォレットなどに長いパスフレーズを設定している場合にも便利だと思います。
- QRコードを用いた BIP-39パスフレーズ入力
- 暗号化シードQR(krux互換) New!
- 平文QRコードによるシードエクスポート New!
- BIP-85 の子シードの読み込み(Jean Do氏のフォークの取り込み。公式版は子シードの画面表示のみ)
コード
ソース(Python)とSeedSigner用SDカードイメージをこちらの GitHub サイトに掲載しています。
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(セルフ・カストディの初心者が)誤った使い方をすることでセキュリティ上のリスクが生じる可能性のある機能には否定的な印象。たとえばパスフレーズのQRコード入力は多くの場合パスフレーズの紙媒体への保存が前提となりますが、初心者がシードフレーズの SeedQR出力 と一緒にそれを保管した場合のセキュリティリスクを彼らは懸念します。「パスフレーズは記憶すべき」、「長く複雑なパスフレーズより、パスフレーズを使わないマルチシグ設定の方がよい」という思想がある様に見受けられますが、個人的には、ケース・バイ・ケースだと思いますし、SeedSingerは単なるツールなので(特に上級者は)自己責任で利便性とリスクをそれぞれ自分で判断して活用すればよいと考えています。そもそも セルフ・カストディ自体がリスクを伴う訳ですし。 ↩