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「IOWN構想」を読んで ~ デジタルツインと何が違う?

Last updated at Posted at 2019-12-14

先月出版された「IOWN構想 ―インターネットの先へ」という本を読みました。デジタルツインとは異なるデジタルツインコンピューティングという新しいキーワードも出てきていて、これは勉強しておくべきだなと思いました。

IOWNとは?

私が説明を書くよりも引用した方が分かりやすそうですね。

まず、IOWNとは何か?

「IOWN」(アイオン:Innovative Optical & Wireless Network)は、NTTがパートナーの方々と共にめざしたい未来の世界を実現するための基盤 (p.ⅰ)

そして、いつ実現するものなのか?

「情報環境=場」、すなわち仕組みを実現する手段の1つとして私たちはIOWN(アイオン:Innovative Optical & Wireless Network)構想を提唱し、2030年の実現を目指して活動を開始した。(p.008)

何で構成されているのか?

IOWN構想では、これまでの情報通信システムを変革し、現状のICT技術の限界を超えた新たな情報通信基盤の実現をめざす。それを、光技術による「オールフォトニクス・ネットワーク」と、そのうえに構築されるリアルタイムで分析やフィードバックを行う「デジタルツインコンピューティング」、さらにはそれらの処理を全体最適に調和させてリソース配分を行い、必要な情報をネットワーク内に流通させる仕組みである「コグニティブ・ファウンデーション」により実現したいと考えている」(p.008)

・・・とのことで、次の3要素で構成されるようです。

  • オールフォトニクス・ネットワーク
  • デジタルツインコンピューティング
  • コグニティブ・ファウンデーション

デジタルツインコンピューティングとは?

さて、ここでIOWNのいうデジタルツインコンピューティング(DTC)とは、従来から知られているデジタルツインとは異なる概念だそうです。引き続き、引用します。

「デジタルツインコンピューティング」(DTC)は、現実世界を構成するモノやヒトなどをサイバー空間上にリアルに再現するとともに、それらを組み合わせた高度なシミュレーションを可能とする技術を指す。アメリカ国防総省国防高等研究計画局(DARPA)による造語である「デジタルツイン」は、現実世界の現象を計算機上で再現する、いわゆる「デジタルの双子をつくる」という考え方だが、これをベースとしながら、その組み合わせと適用範囲をさらに拡張したコンピューティングの概念である。(p.022)

他の説明も見てみます。

DTCは、これまでのデジタルツインの概念を発展させ、多様なデジタルツインを掛け合わせて様々な演算を行うことにより、実世界の「再現」を超えたデジタルツイン同士のインタラクションをサイバー空間上で自由自在に行ことをめざす。(p.039-040)

多様なデジタルツインを掛け合わせて様々な演算を行うというとこが重要そうですね。この事例として、「未来都市のデザイン」や「ヒトを含めた実社会の未来予測」が書かれていました。

デジタルツインだって、まだそんなに成功事例を聞いたことないのですが、IOWNによって示されているのはその先にあるデジタルツインコンピューティングという概念でした。この分野を引き続きウォッチしていきたいと思います。

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