データをじっくり見ていくと、そこには今まで誰も気付かなかった見込み客が眠っているのでは?と思わされる本を読みました。少し前に流行っていたFACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣という本です。副題の通りですが、本書では人間の〇〇本能と書かれている世界を見るときの10の思い込みと、データを基に世界を正しくみるとはどのようなことかが書かれています。
私が最も魅かれたのは「世界には50億人の見込み客がいる。」という一文です。例えば、世界を高所得者層/先進国と低所得者層/後進国という2クラスだけで認識している人には、欧米の人々のみ(せいぜい10億人)しか見込み客に見えていない。しかも、きっと、欧米以外の人々は貧しくてその日の食事にも困る可哀そうな人たちであろうという誤った見方しかできない。でも、実際にデータを見れば、本当の貧困層という人は世界に9%しかいなくて、残りの91%は高所得者層と中所得者層であることが分かる。生活水準が上がっている中所得者層の人はスマートフォンなどの購買意欲も高まっている。そういう人たちをデータも見ずに貧困者と見ている限りは、ビジネスチャンスに気付けないだろう、というのです。この話は「1章 分断本能」の中で述べられています。
現在の私自身は全世界の50億人を相手にするようなビジネスをしていないものの、参考になる部分は大きいと思いました。例えば、私は大企業相手にビジネスをしているIT業者です。しかし、経済産業省の資料を見てみると、大企業の社数は全体の0.3%で、従業者数は31%でしかないようであるものの、普段はそれ以外をターゲットとは見ていません。では、実際、大企業じゃない人たちはIT化が進んでいないかというと、そうともいいきれなくて、大企業では考えられないくらいG-SuiteやOffice365やSalesforceを先進的に活用している企業も多くあります。大企業とそれ以外という分断で見たときに、見落としているビジネスチャンスがあるかもしれないな。
上記で述べてた分断本能だけでなく全部で10の〇〇本能が書かれていて、どれも参考になります。ときどき見返してみると、そのときそのときの気づきがありそうだなと思わされる本でした。ですので、数年後の自分のためのメモとしてQIITAに掲載させて頂きます。
ファクトフルネスに書かれている10の思い込み
- 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
- ネガティブ本能 「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
- 直線本能 「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
- 恐怖本能 危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
- 過大視本脳 「目の前の数字が一番重要だ」という思い込み
- パターン化本能 「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
- 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
- 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
- 犯人捜し本能 「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
- 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み