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令和元年度「気象過去データの利用環境」(rev1)

Last updated at Posted at 2019-08-21

2019-08-22 予報区データを中心に、説明を補いました。

はじめに

気象庁ではこのたび、気象データを実際に使っていただいて、気象データの利用の推進に向けた企業等のニーズや課題等を分析する調査を実施します(報道発表資料)。要は無料で気象の過去データが利用できます。ただし2020年3月までなので注意してください。クラウド時代の情報提供形態について模索中だから期限付き試行なので、将来的には多分多少違った形態になっていくだろうと思います。

昨年度はWXBCで類似の試行提供を行いましたが、今回は一部基礎的データについて登録なしにどなたでも利用可能になっているところが、利用者サイドから見ると新しいポイントです。

例によって直接の中の人ではないのですが、気象に詳しくない技術者向け(になっているとよいのですが)紹介を書いておきます。正しくは気象庁情報利用推進課窓口にお問い合わせください。

何があるのか

  • 地点データ(利用者登録不要
    • アメダス」:全国約1300地点(降水量)での自動観測。一部地点では降水量のほかに積雪深、風向・風速、気温、日照時間があります。天気(晴曇雨雪の区別)がほしい場合、降水量・日照時間から無理やりなんとかすることもできますが、推計気象分布(後述)を用いるのも一案です。
    • 地上気象観測」:全国約150地点での観測。かつてはすべて有人観測でしたが、次第に自動化が進んでいます。アメダスで観測していない気圧・湿度データがあります。
    • 上記2項でおびただしい数のデータセットがありますが、時系列処理との関係で次のように大別されます:
      • 時系列生データ的に使える「10分値」「時別値」「日別値」など(高頻度のものはファイルがでかい)
      • 時間方向に統計処理した結果の「平年値」「極値」「順位値」など
    • 高層気象観測」:ここではラジオゾンデによる高層気象観測だけが収録されています。平年値だけです。
  • 面的データ(メッシュデータ、ラスタデータ、またはGPVとも呼ばれる)
    • 観測
      • 解析雨量」:国土交通省水管理・国土保全局、道路局と気象庁が全国に設置しているレーダー、アメダス等の地上の雨量計を組み合わせて、1時間の降水量分布を1km四方の細かさで解析したもの。
      • レーダーエコー」:雨の強さを観測しているという意味では解析雨量と同じですが、頻繁に(5分に1回)得られる反面、一段階生データ的(地上の雨量計の情報は反映していない)なのが違いです。
      • 推計気象分布」:気温と天気(晴曇雨雪の区別)について、リモセン、地点観測、スパコンを活用して面的分布を推定したものです。
      • 海面水温」:詳しくは知りませんが機械学習の入力として有用だからおいているんだと思います。
    • 予報
      • 数値予報」:スパコンによるシミュレーションです。風、気圧、気温、湿度などが基幹的な物理量です。降水量もありますが、降水短時間予報のカバーする目先15時間は、そちらを使ったほうが観測に特性が合うように調整されています。
        • 全球モデル:1日4回5.5日先までの予想が出て、そのうち1日1回11日先まで延長されます。
        • メソモデル:1日8回39時間先までの予想が出て、そのうち1日2回は51時間先まで延長されます。
        • 二週間気温ガイダンス
      • 高解像度降水ナウキャスト」:レーダーエコーなどからごく短時間の降水分布の予測をしたものです。250m解像度格子で30分先までの予測が5分に1回発表されます。
      • 降水短時間予報」:雨の強さの予測という意味ではナウキャストと類似ですが、より低解像度で、最長15時間先までの予測が1時間毎に発表されます。
  • 予報区に対する防災情報: 地点ではなく領域(予報区)に対して発表されるものです。GIS用語でいうとポリゴンデータということになります。
    • 気象注意報・警報・特別警報
    • 気象情報
      • これは全般気象情報、地方気象情報、府県気象情報の総称です。気象業務法第24条の29で定義される「気象情報」とは違います。まぎらわしいですね。申し訳ありません。
      • 内容は、「警報・注意報に先立つ注意喚起や警報・注意報の補足など」ということになっています。注意報・警報のように発表と解除が対になっているわけではなく、注意報・警報とは対照的に明確な発表基準はありません。つまり、総務系じゃなくて予報担当が出すプレスリリースだと思っていただいたら良いと思います。
      • 全国向けに出すのが全般気象情報、11地方予報区に出すのが地方気象情報、府県予報区に出すのが府県気象情報です。府県予報区は地方気象台の所管区域です。原則として都府県ですが、北海道と沖縄県は分割され、東京都は分割されません。

データフォーマット概説

  • 地点データは独自のバイナリと、それじゃ読みにくかろうと用意されたCSVがあります。
  • 面的データはGRIB2です。 フォーマット自体については以前Qiitaにざっくり説明書いたのがあります
  • 予報区に対する情報は、気象庁防災情報XMLです。
    • これもとっつきやすい説明が必要と思うのだが時間がありません。そもそも公式XSDがあまりにもアーミーナイフすぎて実際上どういうフォーマットなのかわからないので、私製RNGスキーマをGithubに置いています。

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