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Google Cloud Platform(GCP)の Cloud SQL がフェイルオーバー際の挙動

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 この記事は、オールアバウト Advent Calendar 2016の17日目の記事です。
 今日は Google Cloud Platform (以下 GCP)のストレージサービスの Cloud SQL がフェイルオーバー際に、レプリカの挙動について、ちょっと話したいと思います。

Cloud SQL とは

 皆さんはご存知だと思いますが、Cloud SQL は、Google が提供する使いやすいフルマネージドの MySQL データベースです。
 Cloud SQL は第1世代と第2世代ご提供されています。
 今日は第2世代について、話します。

レプリカ

 第2世代の Cloud SQL レプリカは以下の二種類があります。
 ・フェイルオーバーレプリカ
 ・リードレプリカ

フェイルオーバーレプリカ

 名前の通り、マスターインスタンスは何か障害が発生する時、フェイルオーバーして、マスターを昇格するインスタンスです。必ずマスターインスタンスと同じマシンタイプです。

リードレプリカ

 リードレプリカは単純にマスターインスタンスとレプリケーションを組んでいるスレーブインスタンスです。フェイルオーバー機能は提供されません。マスターインスタンスと異なるマシンタイプでも大丈夫です。

フェイルオーバー際の挙動

 フェイルオーバーする時に、フェイルオーバーレプリカとリードレプリカの挙動を確認するため、手動で発動します。

フェイルオーバー

 下記のコマンドを実行して、settingsVersion フィールドの値を取得します。

$ ACCESS_TOKEN="$(gcloud beta auth application-default print-access-token)"
$ curl --header "Authorization: Bearer ${ACCESS_TOKEN}" \
 --header 'Content-Type: application/json' \
 https://www.googleapis.com/sql/v1beta4/projects/[PROJECT-ID]/instances/[MASTER_INSTANCE_NAME] \
 -X GET

 [PROJECT-ID][MASTER_INSTANCE_NAME] は各自の環境に合わせて書き換えます。

 結果:

{
 "kind": "sql#instance",

 ......

 "state": "RUNNABLE",
 "backendType": "SECOND_GEN",
 "databaseVersion": "MYSQL_5_6",
 "region": "asia-northeast1",
 "settings": {
  "kind": "sql#settings",
  "settingsVersion": "12",           ← ここ
  "authorizedGaeApplications": [],
  "tier": "db-n1-standard-1",
  "backupConfiguration": {
   "kind": "sql#backupConfiguration",
   "startTime": "16:00",
   "enabled": true,
   "binaryLogEnabled": true
  },

 ......

 次は下記のコマンドでフェイルオーバーを実施します。

$ curl --header "Authorization: Bearer ${ACCESS_TOKEN}" \
 --header 'Content-Type: application/json' \
 --data '{"failoverContext":{"settingsVersion":"[SETTINGS_VERSION]"}}' \
 https://www.googleapis.com/sql/v1beta4/projects/[PROJECT-ID]/instances/[MASTER_INSTANCE_NAME]/failover \
      -X POST

 [SETTINGS_VERSION] は先程取得された値で書き換えます。
 [PROJECT-ID][MASTER_INSTANCE_NAME] は各自の環境に合わせて書き換えます。

レプリカの挙動

 1、フェイルオーバー開始
 フェイルオーバーコマンドを実行する直後、マスターインスタンスのアイコンが黄色い三角になりまして、フェイルオーバーレプリカのアイコンが回っていて、昇格している模様です。
cloudsql1.jpg

 2、新しいフェイルオーバーレプリカを立ち上がる
 元のフェイルオーバーレプリカインスタンスがマスターインスタンスに昇格した後、新しいフェイルオーバーレプリカインスタンスを立ち上がります。
cloudsql2.jpg
 フェイルオーバー開始から終了まで、30秒ぐらい、ダウンタイムが発生します。この時点に、ブラウザでサービスへアクセスする場合、データベースが接続できないため、「MySQL server has gone away」ページが表示されます。

 3、リードレプリカを再作成
 ここの挙動が一番不思議です。マスターインスタンスが立ち上がって、新しいフェイルオーバーレプリカを作成する時に、リードレプリカはマスターインスタンスとのレプリケーションを再構築しなくて、インスタンス自体再作成されたんですね。
cloudsql3.jpg
 この挙動について、Google のサポートにも問い合わせしました。以下は Google サポートからの回答です。

リードレプリカを再作成しますので、1分間位に接続することできません。
結論的に、フェイルオーバーが発生する時にリードレプリカのダウンタイムも発生します。
ダウンタイムのタイミングについて、新マスタ交換後にリードレプリカを再作成されます。

 そうすると、参照系のアプリもフェイルオーバーする際にサービスダウンが発生しますね。:thinking:

 4、正常状態に戻る
 1分ぐらい立って、すべてのインスタンスが立ち上がりましたね。
cloudsql4.jpg

結論

  • フェイルオーバーする時、マスターインスタンスに接続するサービスは30秒ほどダウンタイムが発生します。
  • フェイルオーバーする時、リードレプリカも再作成されます。
  • リードレプリカが再作成されるため、リードレプリカに接続するサービスは1分ほどダウンタイムが発生します。
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