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IP Geolocation とは

Last updated at Posted at 2019-10-06

DAZNで見れなかった件

もともとはこんな話がありました

「NURO光(ニューロ光)を契約した友人が元海外IPを割り振られて大手動画配信サイトや子供のゲームなどいろいろなサービスを利用できなくなってしまいました。」。
https://nekonko2.com/nurohikari-demerit/

どうしてこういうことになるのか

IPアドレスから、位置情報を判定してコンテンツを制御しているサービスがありますが、そういったものはどのように位置判定をしているのかは気になりませんでしょうか。
私の所属する組織では、そういったことを常に調査し、データベースを提供しています。その更新している仕組みをかんたんに説明したいと思います。

そもそもIPアドレスから位置がわかるのか

(*)ここで説明するIPアドレスは、v4のみになります。
IPアドレスの割当てに関しては、大元はICANNが管理していて、その配下にある5つのRIR(ARIN, RIRENCC, APNIC, LACNIC, AfriNIC)へ割当ては終わっています。さらに、APNICではにおいてもその配下のNIRへの割当は終わっています。
日本においては、IPアドレスを管理する組織としてJPNICが存在し、以前はそこから直接割当てが行われていましたが、現在においては通常はIP指定業者へ割り振りを行い、そこからエンドユーザへ割当てが行われています。
つまり、あるIPアドレスがあったときに、それがどの国で使われているのか、その国の中では、どの組織が所有しているかというのは、把握されています。
しかし、そこでは、住所までは管理されてはいません。

コマンドやサービスからわかること

whois からわかること

上記のような内容を検索するためのデータベースとして、「whois」というものが存在しています。whois自体はサービスですが、UNIX(Linux)などでは、コマンドとしても存在しています。
このwhoisコマンドを使ったりして、IPアドレスの所有してしている組織を検索することができます。
[JPNIC WHOIS Gateway]
https://www.nic.ad.jp/ja/whois/ja-gateway.html

ドメインがわかっているときには、ドメインからの検索もすることが可能です。
「JPRSが 提供するドメイン名登録情報検索」
https://whois.jprs.jp/

ここからわかることとしては、IPアドレスがどの組織(プロバイダだったり、企業など)が所有しているかということはわかります。しかし、国内であれば、都道府県やそれ以下の細かい住所などの位置情報はわかりません。

traceroute からわかること

ネットワーク系のコマンドとして、pingやtraceroute(Windowsではtracert)というのを利用したことがある方もいると思います。どちらもICMPのパケットを送出し、到達したかなどの結果が得られます。
ping応答がなくても、目的の機器への経路が不達とは限らず、そのパケット自体をdropする設定がされていることもあります。

当社からtraceroute を実行した結果の画面
01.png

ここで、IPアドレスだけではなく、ホスト名も表示されているところがあります。このホスト名が手がかりになります。途中のプロバイダ(回線)情報がわかるのと、プロバイダごとに地域名の付け方に一定の規則性が見えたりします。
02.png

当組織のデータ

当組織では、定期的に下記のようなことを実施しています。
(1) 国内のすべてのIPアドレスに対して、whois情報を取得
(2) tracerouteを実施し、途中の経路情報を取得
(3) 「キーワード」を整理し、上記から得られた情報から位置情報や回線情報を判定
上記の内容はほぼ自動化(プログラム)で整理し、その後専門調査員が企業情報などを確認して付加しています。ここで「キーワード」と書かれていますが、ここもポイントで、専門調査員が常にその内容を更新しています。

また、これらに加えて、
(4) JPNICのIP移転リストのサイトを定期的に取得し、変化があったかをチェックする
[JPNIC IPv4アドレス移転履歴]
https://www.nic.ad.jp/ja/ip/transfer/ipv4-log.html
を行っています。最近は、国内でのIP移転だけではなく、海外からの移転も増えてきています。
ここで、日本国内へ移動してきた場合、上記の(1)〜(3)の処理の対象としています。

このようにしてまとめたデータを「SURFPOINT」 として提供させていただいています。
最初に書きました事象も当組織においては、2019年2月から国内判定がされており、地域情報も判定されています(ちょっとした自慢)。

このような情報を提供させていただいている企業様からもフィードバックを頂き、それをもとに更新することも行っています。したがって、ぜひ当組織のデータをご利用いただき、お互いに精度を高めていただければと思います。

その他の情報は下記を参考にしていただければと思います。
[どこどこJP ラーニング]
https://www.docodoco.jp/learn/index.html

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