RailsでIDを露出させないようにする②

以前の記事でobfuscatableというgemを作ったのですが、ハッシュ風にエンコードしたIDをデコードしつつレコードを取得する時に、ActiveRecordのfindをうまくoverrideできずにやむなくfind_obfuscatedという別のメソッドを定義していました。
（理由は後述）

最近、hashids.rbという別の方法でIDを変換するgemを発見したため、今回はfindをオーバーライドして完全に透過的にIDをエンコードするgemを作りました。

使い方

使い方はいたって簡単。

gem "acts_as_hashids"

Gemをインストールして、以下のようにacts_as_hashidsとApplicationRecordに書くだけです。

class ApplicationRecord < ActiveRecord::Base
  acts_as_hashids
end

class Foo < ApplicartionRecord
end

foo = Foo.create
# => #<Foo:0x007feb5978a7c0 id: 3>

foo.to_param
# => "ePQgabdg"

Foo.find(3)
# => #<Foo:0x007feb5978a7c0 id: 3>

Foo.find("ePQgabdg")
# => #<Foo:0x007feb5978a7c0 id: 3>

Foo.with_hashids("ePQgabdg").first
# => #<Foo:0x007feb5978a7c0 id: 3>

こんな感じでエンコードしたIDにもfindがそのまま使えます。

findオーバーライドの課題

findをオーバーライドしようとした時に最初に思いつくのは、

class Foo < ActiveRecord::Base
  def self.find(ids)
    # Do whatever
    puts 'Yay'
  end
end

Foo.find('something')
# => "Yay"

しかし、このオーバーライドは以下のような場合に失敗します。

# `bar.foos`は`has_many`でfooを取得すると仮定
bar.foos.find('something')
# ActiveRecord::RecordNotFound: Couldn't find User with 'id'="something"

Foo.where(nil).find('something')
# ActiveRecord::RecordNotFound: Couldn't find User with 'id'="something"

なぜかというと、同じfindを使っているように見えて、実は関数の定義されている場所が違います。

bar.foos.class
# => Foo::ActiveRecord_Associations_CollectionProxy

Foo.where(nil).class
# => Foo::ActiveRecord_Relation

これらのクラスにmixinされているモジュールをMonkeyパッチすれば簡単なのですが、そこを弄ってしまうと汎用性がなくなってしまいます。

解決策

そこで、オーバーライドしたいロジックのfindを含んだモジュールFinderMethodsを作成し、各所に動的にextendしてみます。

ActiveRecord_Associations_CollectionProxy

これはhas_manyの定義時に生成されるため、

class Foo < ActiveRecord::Base
  def self.has_many(*args, &block)
    options = args.extract_options!
    options[:extend] = (options[:extend] || []).concat([FinderMethods])
    super(*args, options, &block)
  end 
end

Base.foos.find('something')
# => "Yay"

成功です！

ActiveRecord_Relation

これはActiveRecord::Base.relationとして動的に生成されるため、

class Foo < ActiveRecord::Base
  def self.relation
    r = super
    r.extend FinderMethods
    r   
  end
end

Foo.where(nil).find('something')
# => "Yay"

成功です！

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ということで、このあたりをうまく吸収して、既存のコードに一切手を入れずにIDをエンコードできるgemがacts_as_hashidsになります。