ChatGPTにTransformerの仕組みを教えてもらった
ChatGPTにTransformerの仕組みを教えてもらい、色々と質疑応答を重ねて、自分的にわかりやすい説明を出力できたので、備忘のために記事にしています。特に具体的なベクトルで計算を模擬してもらったので、処理を想像しやすくなっています。いろいろ間違っていたら教えてください。
以下GPT-4oの生成文(そのまま)
Transformerの仕組み:機械翻訳の具体例(数値付き)
Transformerは、エンコーダとデコーダで構成され、機械翻訳のタスクでよく使われます。ここでは、英語からフランス語への翻訳を例に、具体的な数値を使ってその仕組みを見ていきます。
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入力文の準備
• 英語の入力文: “The cat sat”
• トークン化と埋め込み: 各単語をトークン化し、3次元の埋め込みベクトルに変換します(実際は次元数がもっと多いですが、ここでは3次元で簡略化しています)。
• “The” → x_{\text{The}} = [0.1, 0.2, 0.3]
• “cat” → x_{\text{cat}} = [0.4, 0.5, 0.6]
• “sat” → x_{\text{sat}} = [0.7, 0.8, 0.9] -
エンコーダの処理
エンコーダは、この埋め込みベクトルを一連の文脈情報を含むベクトルに変換します。
(1) Self-Attentionの計算
• Query, Key, Valueの計算: 各単語に対して、Query (Q)、Key (K)、Value (V) を計算します。ここでは、簡単な重み行列 W_Q, W_K, W_V を使って計算します。
• W_Q = W_K = W_V = \begin{bmatrix} 0.1 & 0.2 & 0.3 \\ 0.4 & 0.5 & 0.6 \\ 0.7 & 0.8 & 0.9 \end{bmatrix}
• “The” の場合:
• Q_{\text{The}} = W_Q \cdot x_{\text{The}} = [0.14, 0.32, 0.50]
• K_{\text{The}} = W_K \cdot x_{\text{The}} = [0.14, 0.32, 0.50]
• V_{\text{The}} = W_V \cdot x_{\text{The}} = [0.14, 0.32, 0.50]
• Attentionスコアの計算: 各QueryとKeyの内積を計算し、Softmaxを適用してスコアを計算します。
• \text{Score}(Q_{\text{The}}, K_{\text{The}}) = \frac{0.14 \times 0.14 + 0.32 \times 0.32 + 0.50 \times 0.50}{\sqrt{3}} = 0.085
• 加重平均の計算: スコアに基づいてValueの加重平均をとり、Attentionの出力を計算します。
• \text{Attention}_{\text{The}} = 0.085 \times [0.14, 0.32, 0.50] = [0.0119, 0.0272, 0.0425]
• 他の単語 “cat” と “sat” に対しても同様に計算します。
(2) Feed-Forward Neural Network (FFN)
• FFNの計算: Attention出力をFFNに入力し、非線形変換を行います。
• \text{FFN}_{\text{The}} = [0.02, 0.03, 0.04] (例として)
(3) 残差接続とLayer Normalization
• 残差接続: Attentionの出力とFFNの出力を加算します。
• \text{Output}_{\text{The}} = [0.02 + 0.0119, 0.03 + 0.0272, 0.04 + 0.0425] = [0.0319, 0.0572, 0.0825]
• Layer Normalization: これを正規化します。
• \text{NormOutput}_{\text{The}} = [0.0375, 0.0672, 0.097] (例として)
- デコーダの処理
デコーダは、エンコーダの出力を受け取り、ターゲット言語(フランス語)の文を生成します。
(1) Masked Self-Attention
• 初期入力: 最初のトークンとして、“Le”(フランス語の「The」に相当)を入力します。
• “Le” → x_{\text{Le}} = [0.2, 0.1, 0.3]
• Masked Self-Attention: デコーダ内で自己アテンションを適用します。マスクにより、未来の単語を見えないようにします。
• Q_{\text{Le}} = W_Q \cdot x_{\text{Le}} = [0.12, 0.27, 0.42]
• K_{\text{Le}} = W_K \cdot x_{\text{Le}} = [0.12, 0.27, 0.42]
• V_{\text{Le}} = W_V \cdot x_{\text{Le}} = [0.12, 0.27, 0.42]
(2) Encoder-Decoder Attention
• エンコーダの出力: 先ほどエンコーダから得られた出力ベクトル \text{NormOutput}_{\text{The}} を使って、次の単語を予測します。
• Attentionスコアの計算: エンコーダの出力とデコーダのQueryの間でAttentionスコアを計算し、次のフランス語の単語を生成します。
• \text{Score}(Q_{\text{Le}}, K_{\text{The}}) = \frac{0.12 \times 0.0375 + 0.27 \times 0.0672 + 0.42 \times 0.097}{\sqrt{3}} = 0.0325
• 加重平均: スコアに基づいてValueの加重平均を計算します。
• \text{Attention}_{\text{Le}} = 0.0325 \times [0.12, 0.27, 0.42] = [0.0039, 0.0088, 0.0137]
(3) Feed-Forward Neural Network (FFN)
• FFNの計算: Attention出力をFFNに入力します。
• \text{FFN}_{\text{Le}} = [0.01, 0.02, 0.03]
• 残差接続: Attention出力とFFN出力を加算します。
• \text{Output}_{\text{Le}} = [0.0039 + 0.01, 0.0088 + 0.02, 0.0137 + 0.03] = [0.0139, 0.0288, 0.0437]
• Layer Normalization: 最終的に正規化します。
• \text{NormOutput}_{\text{Le}} = [0.016, 0.033, 0.051] (例として)
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最終的な翻訳の生成
• 線形変換とSoftmax: 最後に、デコーダの出力を線形変換し、Softmaxを適用して、次に来る単語を予測します。
• 次の単語の予測: 「chat」(フランス語の「cat」)が予測されます。
• プロセスの繰り返し: デコーダは次に「chat」を入力し、同じプロセスを繰り返して次の単語を予測します。
このプロセスを繰り返し、「The cat sat」がフランス語で「Le chat s’est assis」と翻訳されます。
GPTの仕組み:文章生成の具体例(数値付き)
GPTは、自己回帰的に次の単語を予測して文章を生成します。ここでは、文章生成の例を数値付きで説明します。
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初期プロンプトの準備
• プロンプト: “Once upon a time”
• トークン化と埋め込み: 各単語をトークン化し、3次元の埋め込みベクトルに変換します。
• “Once” → x_{\text{Once}} = [0.2, 0.4, 0.6]
• “upon” → x_{\text{upon}} = [0.5, 0.3, 0.7]
• “a” → x_{\text{a}} = [0.6, 0.2, 0.8]
• “time” → x_{\text{time}} = [0.1, 0.9, 0.3] -
Self-Attentionの適用
(1) Query, Key, Valueの計算
• 重み行列: W_Q = W_K = W_V = \begin{bmatrix} 0.1 & 0.2 & 0.3 \\ 0.4 & 0.5 & 0.6 \\ 0.7 & 0.8 & 0.9 \end{bmatrix}
• “Once” の場合:
• Q_{\text{Once}} = W_Q \cdot x_{\text{Once}} = [0.28, 0.64, 1.00]
• K_{\text{Once}} = W_K \cdot x_{\text{Once}} = [0.28, 0.64, 1.00]
• V_{\text{Once}} = W_V \cdot x_{\text{Once}} = [0.28, 0.64, 1.00]
(2) Attentionスコアの計算
• スコア計算: 各QueryとKeyの内積を取り、Softmaxを適用してスコアを得ます。
• \text{Score}(Q_{\text{Once}}, K_{\text{Once}}) = \frac{0.28 \times 0.28 + 0.64 \times 0.64 + 1.00 \times 1.00}{\sqrt{3}} = 0.3
(3) 重み付き平均の計算
• Attentionの出力: Valueベクトルにスコアをかけて加重平均します。
• \text{Attention}_{\text{Once}} = 0.3 \times [0.28, 0.64, 1.00] = [0.084, 0.192, 0.30]
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Feed-Forward Neural Network (FFN)
• FFNの適用: Attention出力をFFNに入力し、次の出力を計算します。
• \text{FFN}{\text{Once}} = [0.1, 0.2, 0.3] (例として)
• 残差接続: Attention出力とFFN出力を加算します。
• \text{Output}{\text{Once}} = [0.084 + 0.1, 0.192 + 0.2, 0.30 + 0.3] = [0.184, 0.392, 0.60]
• Layer Normalization: 最終的に正規化します。
• \text{NormOutput}_{\text{Once}} = [0.194, 0.412, 0.632] (例として) -
次のトークンの予測
• 線形変換とSoftmax: 最後に、デコーダの出力を線形変換し、Softmaxを適用して、次に来るトークンを予測します。
• 次のトークンの予測: 「was」(例として)が予測されます。 -
次のトークンをフィードバック
• プロセスの繰り返し: 予測されたトークン「was」を次の入力としてフィードバックし、同じプロセスを繰り返します。
• “was” → x_{\text{was}} = [0.7, 0.3, 0.5]
• 新しいAttentionとFFN処理が再び行われます。
• 文章生成の続き: “Once upon a time, there was a…” という形で文章が続いて生成されていきます。
このプロセスを繰り返して、GPTは自然な文章を次々と生成していきます。
まとめ
• Transformer: 機械翻訳では、エンコーダで文脈情報をエンコードし、デコーダでターゲット言語の文を生成します。各ステップでベクトル計算が行われ、Attentionメカニズムにより文脈が反映された出力が得られます。
• GPT: 文章生成では、過去のトークンに基づいて次のトークンを自己回帰的に予測します。ベクトル演算を通じて、次に来るべき単語を文脈に基づいて決定します。
具体的な数値例を使うことで、TransformerとGPTがどのように機能するかをより深く理解できるようになります。これらのモデルは複雑ですが、基本的な仕組みを押さえることで、応用の幅が広がるでしょう。