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フロントエンド( Vue )の単体テストのテストケース作成とテストコード作成

Last updated at Posted at 2021-01-29

単体テストは奥が深い

テストコード書いてみたいな、ということで以下の作ったものを対象に、テストケースとテストコードを作成したため、そのプロセスを記事にする。単体テストは難しいし、奥が深い...

環境

単体テスト対象

単体テストは、Search.vue を対象に実施する。Search.vue に実装されているイベントを確認する。

  • 初期表示
    1.png

  • 入力ボックスに検索キーワードを入力
    2.png

  • 検索待ち
    3.png

  • 検索結果(検索結果あり)
    4.png

  • 検索結果(検索結果なし)
    5.png

これらは、Search.vue で処理されており、画面遷移はない。

単体テストの実施対象は Search.vue とする。Search.vue の中で呼び出されている別のコンポーネントは、Search.vue の単体テストでは単体テスト対象としない。

結果として、ざっくり Search.vue の単体テスト対象は青色の範囲で、赤色の範囲は別コンポーネントで実装しているため範囲外とする。
6.png

ざっくりとディレクトリ構成を以下に示し、単体テストの対象をファイル単位で確認する。

/src
  /views
    - Search.vue <- 単体テスト対象
  /components
    - Player.vue <- 検索結果を表示するコンポーネント。単体テスト対象外。
    - Loading.vue <- 検索待ちのローディングを表示するコンポーネント。単体テスト対象外。
  /api
    - api.ts <- 検索時に実行される Http リクエスト。単体テストではモックにする。

単体テストケースを作成する

単体テストのケース作成方針

私のような SIer 所属の人間は、単体テストとなると、コードベースのC1(分岐網羅)でテストケースを作成する、としたくなるが、vue-test-utils にそれはしないほうがいいよ、ということが書かれている。

何をテストするかを知る

UI コンポーネントでは、コンポーネントの内部実装の詳細に集中しすぎて脆弱なテストが発生する可能性があるため、完全なラインベースのカバレッジを目指すことはお勧めしません。
代わりに、コンポーネントのパブリックインターフェイスを検証するテストを作成し、内部をブラックボックスとして扱うことをお勧めします。単一のテストケースでは、コンポーネントに提供された入力(ユーザーのやり取りやプロパティの変更)によって、期待される出力(結果の描画またはカスタムイベントの出力)が行われることが示されます。

https://vue-test-utils.vuejs.org/ja/guides/#%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%9A%84%E3%81%AA%E3%83%92%E3%83%B3%E3%83%88

上記を読み替えると、コンポーネントに提供された入力をテストケースとし、期待される出力をテストケース結果として検証していく、形になる。
コンポーネントに提供された入力って何?となるが、vue-mastery に以下のものがコンポーネントに提供される入力であると書かれている。

  • Component Data (コンポーネントに定義されたデータが変更される)
  • Component Props (親コンポーネントからプロップが渡される)
  • User Interaction (ユーザーが画面を操作する)
    Ex: user clicks a button
  • Lifecycle Methods (Vue ライフサイクルが変わる)
    mounted(), created(), etc.
  • Vuex Store (Vuex にストアされているデータが変更される)
  • Route Params (URL のパラメータによってデータが渡される)

次に期待される出力って何?となるが、同じく vue-mastery に以下のものが期待される出力となると書かれている。

  • What is rendered to the DOM (表示内容が変わる)
  • External function calls (外部関数の実行される)
  • Events emitted by the component (親コンポーネントのイベントを発火させる)
  • Route Changes (画面が遷移する)
  • Updates to the Vuex Store (Vuex にストアしているデータを変更する)
  • Connection with children (子コンポーネントを呼び出す) i.e. changes in child components

コンポーネントに提供された入力の種類
期待される出力の種類
https://www.vuemastery.com/courses/unit-testing/what-to-test/

単体テストのケース作成方針は、テストケースで確認することは、コンポーネントに提供された入力であり、テストケース結果は期待される出力である。この方針でテストケースを作成していると、例えば、開発した人がテストケースを作成すると陥りがちなラインベースでのテストケースになる、という事象は結構防げる。

Search.vue にコンポーネントに提供される入力と期待される出力を洗い出す

以下のフォーマットで書く。

  • コンポーネントに提供される入力 : 期待される出力

以下が洗い出した結果である。

  • input にフォーカスする : タイトルが変更される
  • input からフォーカスを外す : タイトルが変更される
  • input に文字を入力する : 検索ボタンが有効になる(押せるようになる)
  • input に文字を入力して検索ボタンを押す : current page が表示される
  • input に文字を入力して検索ボタンを押す : previous ボタンが表示される
  • input に文字を入力して検索ボタンを押す : このイベントの期待される出力多いのであとは省略
  • previous ボタンを押す : 次のページが表示される
  • next ボタンを押す : 次のページが表示される

洗い出し終わったら、これら分類していく。例えば、コンポーネントに提供される入力の場合は、「input にフォーカスする」はユーザーインタラクションであり、その期待される出力は「タイトルが変更される」であるため、表示内容が変わる、であるという感じ。

このときに悪い洗い出し方の例として、期待される出力が「loadingFlag が true になる」となっていた場合、期待される出力の分類のどれにも該当しないため、適切な期待される出力ではない、となる。

拙い英語で恐縮だが、私はソースコードに以下のような形でコンポーネントに提供される入力と期待される出力を、分類も含めて書くようにしている。もうちょっと量が増えてきて、かつ、レビュー対象になると見やすいEXCELさんに書く。

// Press the search button (User Interaction) -  "current_page" is rendered (What is rendered to the DOM)
// Press the search button (User Interaction) -  "total page" is rendered (What is rendered to the DOM)
// Press the search button (User Interaction) -  previous button is rendered (What is rendered to the DOM)
// Press the search button (User Interaction) -  next button is rendered (What is rendered to the DOM)

テストコード作成

全てはテストコードとして載せきれないため、サンプルとしてテストコードの作成対象は以下のテストケースにする。

  • input に文字を入力して検索ボタンを押す : current page が表示される

テストコードを作成する上で私が気にしているポイントとしては以下。

  • shallowMount
    Search.vue で呼び出しているコンポーネントはスタブで扱う。呼び出しているコンポーネントは単体テストの対象ではないため。
  • axios はモック化する
    検索ボタンを押したときに Http リクエストが発行され、そのレスポンスに検索結果があるのだが、これはモック化する。Search.vue の表示などの単体テストをしたいので、Http リクエストの発行などは確認対象外である。モック化して受け取るレスポンスは、response.js に定義しており、そこにテストケースが消化できるようなデータを用意しておく。
import axios from 'axios'
import { shallowMount } from "@vue/test-utils";
import flushPromises from 'flush-promises'

import Search from "@/views/Search.vue";
import {
  firstResponse200,
} from './response.js'

jest.mock('axios')

describe("Search.vue", () => {
  it('Press the search button (User Interaction) -  "current_page" is rendered (What is rendered to the DOM)', async () => {

    // モックが返すレスポンスを定義
    axios.get.mockResolvedValueOnce(firstResponse200)

    // shallowMount で Search.vue が呼び出しているコンポーネントはスタブにする
    const wrapper = shallowMount(Search)

    // input に test という文字列を入力する
    const searchInput = wrapper.find('[data-testid="search-input"]')
    searchInput.setValue('test')

    // 画面の更新処理
    wrapper.vm.$nextTick()
    await flushPromises()

    // 検索の実行
    wrapper.find('[data-testid="search-button"]').trigger('click')

    // 画面の更新処理
    wrapper.vm.$nextTick()
    await flushPromises()

    // 期待する出力の検証
    expect(wrapper.find('[data-testid="current-page-paragraph"]').html()).toMatch('<p class="title" data-testid="current-page-paragraph">1</p>')
  })
})

余談 & まとめ

これは余談なんですが、テストケース作成したからと言って、全てをテストコード化するわけではないです。テストコードを作成せずに手で画面を操作して確認して終わりにすることもあります。当然のことですが、テストコードの作成はそれなりに時間がかかります。感覚ベースですが、2 時間で開発したコードのテストコード作成は 2 時間ほどかかります。たまにですが、コードを書き終わったはいいが、テストコードにしづらいため、コードを書き直すこともあります。とにかくテストコード化はそれなりに大変であるということ。書かなくていいなら、書かないほうがいい、と思っています。書く書かないは開発物の対象の性質に依存するので、それぞれの現場で判断するべき内容になるので、なかなか一概には言えないところです。少なくとも私のように趣味で書いてあるコードに対してテストコードを書くのは過剰であると、そう思います。

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