ご挨拶
本記事は LIFULL Advent Calendar 2023の20日目です。
こんにちは、新卒二年目アプリケーションエンジニアの山田と申します。普段はLIFULL HOME'Sというサービスの賃貸領域の開発を行っております。
今年の4月にアサインされたチームで別職種(企画・データアナリスト・デザイナー)の方々と働くことが増えたので、「チームを上手く回すためにはどうすればよいか?」を考える機会が増えました。
また、自分がチームマネジメントに興味があることもあり、私が思う上手くチームを運用していくために大事なこと をメンバー視点で語っていきたいと思います。
本題
私が考えるチームを上手く回すために大事なこととは
コミュニケーション
これにつきると思います。
「何を当たり前のことを…」
と思ったかもしれません。
いやでも
コミュニケーションってめちゃくちゃ難しいしめんどくさい
んですよ!!
にもかかわらず、他人と一緒に仕事をするには避けては通れない。なぜなら、コミュニケーションというのは組織の土台であり柱だからです。
そのため巷では「チームの心理的安全性を高く保とう!!(=コミュニケーションのハードルを下げよう)」みたいなことが声高く語られてるわけですが、そもそもそれが難しいんだろうという話ですよね。
なぜコミュニケーションを取る事は難しいのか
私が思うにそれは
未知の生物を相手にしているから
です。大げさに書きましたが、相手のことをよく知らないと気をめちゃくちゃ遣うし、脳のリソース使うよねってことです。
しかし、チームメンバー全員のことを100%理解するなんて言うのは到底無理な話です。まずは理解し合う事柄を限定することから始めましょう。
- 必要なことだけ伝え合う
- 目線を合わせる
1. 必要なことだけ伝え合う
自分が最大限のパフォーマンスを発揮できるのはどのような状態か
をお互いに開示しましょう。メンバーがそれぞれが最大限のパフォーマンスを発揮することがそのままチームのパフォーマンスにつながります。
具体的には以下のような内容かなと思います。
1-1. 何ができるか(得意)・できないか(苦手)
1-2. 何を不快に感じるか
1-1. 何ができるか・できないか
お互いの長所を押さえておくことによって以下のようなメリットがあると思います。
- どういうタスクを渡せばパフォーマンスを発揮できるかチームリーダーが把握しやすくなる
- ルーズボール(未アサインのタスク、差し込みタスク、誰に頼ってよいかわからない質問 etc.)を極力減らすことが可能
また、短所を把握する、把握してもらえる事は以下のようなメリットがあります。
- 苦手なタスクをアサインされているときに心の余裕ができる
- お互いのフォローを予測して行うことが可能になる
1-2. 何を不快に感じるか
パフォーマンスを下げる最も大きな要因はストレスだと思います。
不快に感じるという事はストレスに直結します。私は特に組織で働くことに置いて感じる不快感というのはコミュニケーションの不和から生じるものが多々を占めていると思っております。
当然の話ですが、人によって不快に感じる事柄は違います。
チャットでのコミュニケーションを例とすると、「礼節を重んじてクッション言葉を使うべき」という人と、「クッション言葉はノイズになるので伝えたいことを簡潔に書くべきと」いう人がコミュニケーションを取るとお互い不快に感じるでしょう(極端な例ですが)。
不快に感じる事柄を開示しておくことによって、コミュニケーションの際に発生するストレスをある程度事前に防ぐことが可能です。
また、コミュニケーションを取りに行く側の必要以上の気づかい(例:「これを伝える・することで不快にさせてしまったらどうしよう」)も減らすことができるので、コミュニケーションを取る事自体のハードルを下げることができます。
2. 目線を合わせる
「目線を合わせる」という言葉は一般的には
目的・目標を共有し、それぞれの役割を理解し、認識を合わせる。
というような意味で使用されているイメージです。
ここで、「理解し合う事柄を限定する」という話に一度戻ります。
一般的な「目線を合わせる」の使われ方は「目標を定義してみんな同じ方向を見よう」という話だと思うのですが、ここでは「互いの考え方を完璧に理解できないなら、チームでの基準を作ってしまってそれを理解しておけばよいだろう」というような意味で「目線を合わせる」という言葉を使っていきます。
要するに、目標まで向かう手順や、運用手法、チーム内で共通で使う言葉の定義づけまで、もっと細かいところまで認識合わせをしてずれのないようにすればコミュニケーションとるの楽になるのでは?というアプローチです。
2-1. 言語化
2-2. 仕組み化
2-1. 言語化
言語化を細かく行うことでコミュニケーションエラーを極力減らすことが可能になります。
コミュニケーションエラーの原因は大きく、以下3つです。
- 伝達すべき情報が伝わらない(送受信どちらも)
- 間違った情報を伝える(送信側)
- 誤った解釈で情報を受け取る(受信側)
この3つそれぞれのさらなる原因を深ぼっていくと「単語を聞いてイメージするものの実体や解像度が異なっていること」に行きつくかなと思います。
例えばなのですが
みそ汁と言われたときにABCさんはそれぞれ以下のような形でイメージを持っています。
Aさん:白味噌で作った汁物
Bさん:赤味噌で作った汁物(赤だしやろそれはというツッコミは置いといて、、、)
Cさん:味噌(何でもよい)にネギと豆腐が入っている汁物
というようにどれも間違ってはないのですが明らかに違うものではありますよね。
上はまた極端な例ではあるのですが、情報をやり取りする際って大小のこういう認識の違いみたいなのが起こるものなのです。
細かく言語化することによってこの実体と解像度を合わせることが可能です。
2-2. 仕組み化
チームでとるコミュニケーションなるべく仕組み化しましょう。
言語化が単語の定義づけとすれば、ここで言う仕組み化は手法の定義づけ(意味づけ)のような意味合いで使ってます。
私のチームで行っている具体例を一例紹介します。
私のチームでは、各メンバーが全員チームに100%コミットというわけではなくチーム外のタスクも持っているというような状況です。そのためチーム内で管理しているタスクの進捗を追うだけでは、メンバーそれぞれのタスク状況(どれくらい業務に余裕があるか)が追えない状況でした。
そのため、毎日の朝会で見ているスプレッドシートにTODAY
というシートを設けて、以下のような絵文字を自分その日のカラムに入力することで可視化を図りました。
:サポート可能
:ちょっとなら差し込みもできる
:自分のタスクで手一杯
:むしろ巻き取ってほしい
この仕組みを導入したことで、優先度の高い差し込みタスクのアサインの円滑化や、サポートの要請のハードルを下げる、などの効果が得られました。
このような仕組み化を随所で行うことによって、
「この場ではこういう事を伝える場である」というような意味付けを共有することが可能です。
そうすることで間接的にコミュニケーションのハードルを下げることにつながると思います。
まとめ
昨今、効率化を求めるために、チームでのmtgをはじめとしたコミュニケーションの場や時間を削ると言った話はよく耳にします。実際私もチームビルディングでやる謎のイベントだったり、アイスブレイクの時間を無駄に感じてしまう性分でした。
しかし、今回言語化してみたところ「あのイベントは結構理にかなっていて、こういう意味があったんだな」と思い直すことがいくつかありました。
生産性や、業務の効率化を図る際にコミュニケーションの機会を無闇に削るのではなく、今一度「目的は何なのか?」を考える機会を作ってみてはいかがでしょうか?