はじめに
ものづくりを行う団体において、新人教育は大きな課題である。本記事はArduinoIDEで開発のできるマイコン(RaspberryPiPico)を用いた新人教育用の3輪キットの製作・開発手順を紹介していくものである。なお、本記事は実際に製作を行う初心者のための製作手順と本キットを教育に用いようとしている教育者への説明の2つの要素が混じっている。製作手順として必要な情報以外は折りたたんでいるため、後者の方は折りたたまれた情報も参照していただきたい。
設計思想
詳細(教育者向け)
ものづくり経験の全くない人たちのチーム開発を主な対象としている。
製作を通じて得て欲しいものは
- ものづくりの楽しさ
- 構造・回路・プログラミング(マイコン)の基礎
- 効率的なチーム開発の手法
である。それぞれの詳細は
実際に自分たちの手でロボットを作り、動かすことでものづくりの魅力を見つけてもらう。また、ロボットに十分な拡張性を持たせることで改造の余地を与え、個々の独創性を引き出す。
既存のキットではなく、タミヤのパーツを組み合わせてロボットを作成することで実際の製作に近い状態を生み出す。余ったパーツで改造を行ったり、3Dプリンターで改造パーツを作成したりことで器具や設計ソフトの使用方法を理解してもらう。
マイコンを使用した回路の配線を理解する。また、ブレッドボードを使用することにより自由な回路の拡張を可能にし、様々な素子の情報を知ってもらう。
ArduinoIDEでプログラミングを行うことでC言語・Arduino.hを用いた基本的なコーディングを理解する。また、GPIOやUART・I2C通信などのシステムを知ってもらう。
1チームに対して2つの機体を製作することを推奨する。
機体をそれぞれ、
1. 構造的に改造を施す機体
2. 回路・プログラミングの改造を施す機体
と役割分担をする。回路・プログラミングの変更は簡単に別の機体に移行できるため、
最終的に1の機体にすべての改造を統合する形で完成させる。こうすることで、構造の開発と回路・プログラミングの開発を並列して行うことができ、結果として開発の効率が良くなる。
材料
秋葉原に行けばすべての材料がそろうようになっている。秋葉原へ直接買いに行くのが難しい場合は以下に示す店舗はネット通販も行っているため、ネットで購入するのを勧める。また、本記事で示すのはロボットに最低限必要なものであり、今後のカスタムに必要な材料は後の記事で提示していく。
※材料は1セット(機体2台分)で個数を算出している
店舗はこの場所にある。
また、ネット通販サイトにはこちらからアクセスできる。
リストは以下のとおりである。
名称 | 型番 | 単価(円) | 個数(個) | 小計(円) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ブレッドボード | BB-102 | 300 | 2 | 600 | |
ジャンパーワイヤ 14種類×10本 | BBJ-140 | 580 | 1 | 580 | |
ジャンパーワイヤ(オス-オス)セット 各種 合計60本以上 | BBJ-65 | 300 | 1 | 300 | |
USBケーブル USB2.0 TypeAオス⇔TypeCオス 1.5m | 120 | 2 | 240 | ||
単3形アルカリ乾電池 ゴールデンパワー製 | GLR6A | 150 | 2 | 300 | 1セット4本 |
電池ボックス 単3×3本 リード線 | BH-331-3A | 70 | 2 | 140 | |
RP2040マイコンボードキット | AE-RP2040 | 700 | 2 | 1400 | |
TB6612モータドライバ ブレークアウトボードキット | AE-TB6612-BO | 380 | 2 | 760 |
店舗はこの場所にある。
また、ネット通販サイトにはこちらからアクセスできる。
大量購入する場合はタミヤオンラインショップでの購入を勧める。
リストは以下のとおりである。(千石電商での価格)
名称 | 単価(円) | 個数 (個) | 小計(円) | 備考 |
---|---|---|---|---|
タミヤ ダブルギヤボックス (左右独立4速タイプ) |
900 | 2 | 1800 | |
タミヤ トラックタイヤセット | 380 | 1 | 380 | 4個入り |
タミヤ ボールキャスター | 380 | 1 | 380 | 2セット入り |
ユニバーサルプレートL | 700 | 1 | 700 | 210×160mm |
道具
作業ごとに必要な道具を提示するが、全体で使用する道具をまとめると、
- ドライバセット(安いものでOK)
- ニッパー
- はんだごて
- はんだ
- 両面テープ
である。
おわりに
本記事を元に必要な材料を買いそろえることが出来たであろう。
次回はロボットの組み立て方を解説していく。