Maps Datasets API V1(Java)を使用して、
GoogleMapsの地理空間データのデータセットを作成・更新・削除する方法
についてご紹介します。

APIを利用する環境の準備から始める場合や、コードを実行する際は、
⧉[Google Maps Datasets API(V1)] Javaで地理空間データを利用する
を参照ください。

No		目次
1		データセットを作成
	1	IAM権限
	2	スコープ
	3	実行
	4	レスポンスの内容
2		データセットを更新
	1	IAM権限
	2	スコープ
	3	実行
	4	レスポンスの内容
3		データセットを削除
	1	IAM権限
	2	スコープ
	3	実行
	4	レスポンスの内容

1. データセットを作成

指定したプロジェクトにデータセットを作成します。
データセット作成と同時にデータファイルをアップロードすることはできません。

1.1. IAM権限

APIを実行するには次の権限を指定してください。

Maps Platform データセット管理者
（roles/mapsplatformdatasets.admin）

1.2. スコープ

このAPIを実行するには、以下のスコープを指定してください。

https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform

1.3. 実行

public static void main(String[] args) throws Exception{
    try(MapsPlatformDatasetsClient client = getMapsPlatformDatasetsClient()){
        Dataset.Builder value = Dataset.newBuilder();
        value.setDisplayName("データセット表示名");
        value.addUsage(Usage.USAGE_DATA_DRIVEN_STYLING);
        
        CreateDatasetRequest.Builder builder = CreateDatasetRequest.newBuilder();
        builder.setParent(String.format("projects/%s", "プロジェクトID"));
        builder.setDataset(value.build());
        
        Dataset response = client.createDataset(builder.build());
        System.out.println(response);
    }
}

1.3.1. HTTPリクエスト

POST:　https://mapsplatformdatasets.googleapis.com/v1/projects/{プロジェクトID}/datasets
が実行されます。

1.3.2. クエリパラメータ

クエリパラメータはありません。

1.3.3. リクエストボディ

CreateDatasetRequest.Builderのsetメソッドにより、リクエストボディを追加できます。
build()メソッドでCreateDatasetRequestインスタンスを取得し、
createDataset()に渡します。

メソッド	引数	説明
setParent	String	【必須】projects/{プロジェクトID}
setDataset	Dataset	データセット

Dataset(Create)

メソッド	引数	説明
setDisplayName	String	【必須】コンソールUIに表示される名前
addUsage	Usage(enum)	【必須】ユースケース Usage.USAGE_DATA_DRIVEN_STYLINGのみ指定可能
setDescription	String	説明
setVersionId	String	データセットのバージョンID
setLocalFileSource	LocalFileSource	1回のアップロードで使用するデータセットのローカルファイルソース
setGcsSource	GcsSource	1回のアップロードで使用するデータセットの Google Cloud Storageファイルソース

LocalFileSource(Set)

メソッド	引数	説明
setFilename	String	アップロードしたファイルの名前と拡張子
setFileFormat	FileFormat(enum)	アップロードするファイルの形式

GcsSource(Set)

メソッド	引数	説明
setInputUri	String	ソースデータURI
setFileFormat	FileFormat(enum)	アップロードするファイルの形式

Usage

定義値	内容
USAGE_UNSPECIFIED	未使用
USAGE_DATA_DRIVEN_STYLING	このデータセットはデータドリブンのスタイル設定に使用

FileFormat

定義値	内容
FILE_FORMAT_UNSPECIFIED	未設定
FILE_FORMAT_GEOJSON	GeoJsonファイル
FILE_FORMAT_KML	KMLファイル
FILE_FORMAT_CSV	CSVファイル

1.4. レスポンスの内容

Dataset

メソッド	戻り値	説明
getName	String	リソース名形式：projects/{プロジェクトID}/datasets/{データセットID}
getDisplayName	String	コンソールUIに表示される名前
getDescription	String	説明
getVersionId	String	データセットのバージョンID
getUsage	List<Usage(enum)>	ユースケース
getStatus	Status	バージョンのステータス
getCreateTime	Timestamp	データセットの作成時刻
getUpdateTime	Timestamp	データセットの更新時刻
getVersionCreateTime	Timestamp	このバージョンのデータセットの作成時刻
getVersionDescription	String	このバージョンのデータセットの説明
getLocalFileSource	LocalFileSource	1回のアップロードで使用するデータセットのローカルファイルソース
getGcsSource	GcsSource	1回のアップロードで使用するデータセットの Google Cloud Storageファイルソース

Status

メソッド	戻り値	説明
getState	State(enum)	ステータスの列挙型
getErrorMessage	String	失敗の理由を示すエラーメッセージ

LocalFileSource

メソッド	戻り値	説明
getFilename	String	アップロードしたファイルの名前と拡張子
getFileFormat	FileFormat(enum)	アップロードするファイルの形式

GcsSource

メソッド	戻り値	説明
getInputUri	String	ソースデータURI
getFileFormat	FileFormat(enum)	アップロードするファイルの形式

State

定義値	内容
STATE_UNSPECIFIED	未設定
STATE_IMPORTING	データをデータセットにインポート
STATE_IMPORT_SUCCEEDED	データセットへのデータのインポートが完了
STATE_IMPORT_FAILED	データセットにデータのインポート失敗
STATE_DELETING	データセットを削除中
STATE_DELETION_FAILED	削除の失敗状態
STATE_PROCESSING	データを処理中
STATE_PROCESSING_FAILED	処理の失敗状態
STATE_NEEDS_REVIEW	未使用
STATE_PUBLISHING	公開状態
STATE_PUBLISHING_FAILED	公開エラーの状態
STATE_COMPLETED	完了状態

2. データセットを更新

指定したデータセットのメタデータを更新します。
更新できるのは「displayName」と「description」のみです。

2.1. IAM権限

APIを実行するには次の権限を指定してください。

Maps Platform データセット管理者
（roles/mapsplatformdatasets.admin）

2.2. スコープ

このAPIを実行するには、以下のスコープを指定してください。

https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform

2.3. 実行

リソース名には、DatasetのgetName()で取得できるリソース名を設定します。
リソース名 = projects/{プロジェクトID}/datasets/{データセットID}

public static void main(String[] args) throws Exception{
    try(MapsPlatformDatasetsClient client = getMapsPlatformDatasetsClient()){
        Dataset.Builder value = Dataset.newBuilder();
        value.setName("リソース名");
        value.setDisplayName("new_display_name");
        
        UpdateDatasetMetadataRequest.Builder builder = UpdateDatasetMetadataRequest.newBuilder();
        builder.setDataset(value);
        
        Dataset response = client.updateDatasetMetadata(builder.build());
        System.out.println(response);
    }
}

2.3.1. HTTPリクエスト

PATCH:　https://mapsplatformdatasets.googleapis.com/v1/projects/{プロジェクトID}/datasets/{データセットID}
が実行されます。

2.3.2. クエリパラメータ

クエリパラメータはありません。

1.3.3. リクエストボディ

UpdateDatasetMetadataRequest.Builderのsetメソッドにより、リクエストボディを追加できます。
build()メソッドでUpdateDatasetMetadataRequestインスタンスを取得し、
updateDatasetMetadata()に渡します。

メソッド	引数	説明
setDataset	Dataset	更新するメタデータ

Dataset(Update)

メソッド	引数	説明
setName	String	【必須】リソース名形式：projects/{プロジェクトID}/datasets/{データセットID}
setDisplayName	String	コンソールUIに表示される名前
setDescription	String	説明

2.4. レスポンスの内容

Dataset

1.4. レスポンスの内容(Dataset)と同じです。

3. データセットを削除

指定したデータセットを削除します。

3.1. IAM権限

APIを実行するには次の権限を指定してください。

Maps Platform データセット管理者
（roles/mapsplatformdatasets.admin）

3.2. スコープ

このAPIを実行するには、以下のスコープを指定してください。

https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform

3.3. 実行

リソース名には、DatasetのgetName()で取得できるリソース名を設定します。
リソース名 = projects/{プロジェクトID}/datasets/{データセットID}

public static void main(String[] args) throws Exception{
    try(MapsPlatformDatasetsClient client = getMapsPlatformDatasetsClient()){
        client.deleteDataset("リソース名");
    }
}

3.3.1. HTTPリクエスト

DELETE:　https://mapsplatformdatasets.googleapis.com/v1/projects/{プロジェクトID}/datasets/{データセットID}
が実行されます。

3.3.2. クエリパラメータ

クエリパラメータはありません。

3.3.3. リクエストボディ

リクエストボディはありません。

3.4. レスポンスの内容

レスポンスはありません。
削除に失敗すると例外が発生します。

おしまい。。