2020年11月から2023年5月までの間に、会社の技術ブログを100記事以上書きました。
書き始めた頃と今で、自分にどういう変化があったのかを考えました。
技術情報を説明・発信する人へのリスペクトが爆増した
技術ブログを書く前は、個人の技術ブログ、製品のマニュアル、サービスのヘルプページを閲覧する時には何も感じませんでした。知りたい情報が載っていない事に対して腹を立てることもありました。
しかし、会社のブログで技術情報を書くようになって初めて、自分の知識を文章化することは決して簡単なことではないと気が付きました。
今でも、技術情報を説明・発信する人へのリスペクトは増す一方です。
他人が書いた文章を丁寧に読むクセがついた
私は自分が書いた文章が好きではありません。私の文章は表現が冗長になりがちで、主語が分かりずらい傾向があるからです。
だから日常的に、技術情報をわかりやすく 且つ 過度に端折ることなく正確に伝えている文章を探しています。
結果として、他人の書いたメール、ドキュメント、ブログを丁寧に読むクセがつきました。
自分が書いた文章を読み返すクセがついた
記事を書いた当時の私は「よっし!完璧!」などと満足して、記事を公開します。
しかし、あとから読み返すと「文章が長い、主語がない、端折りすぎ、脱線しすぎ。我ながら最悪な出来だ。」と思うのは毎度のことです。
ブログを書くことは、文章力の無さを自覚するきっかけになりました。
結果として、メールや提案資料の作成といった日常業務でも、自分の書いた文章を読み返すというクセがつきました。
知っている事、知らない事、知った気になっている事の境界を把握できるようになった
技術知識を文書化するにあたり、その技術に対する自分の理解度を素直に受け入れられるようになりました。
私の持つ技術的な知識は、おおよそ以下の3つに分類できました。
- 知っている事
- 知らない事 (自分が知らないということは理解している)
- 知った気になっているけれど、実はよくわかっていない事 (見栄っ張りな、にわか知識)
3点目が存在すること自体は問題ではないと思います。
問題は、その知識の詳細と真偽を確かめず、正確な情報であるかのように断定的に文書化し、他人に誤解を与えることです。
ブログを書き始める前は、自分の知識を全てとし、そこから導き出される思い込みの推測をあたかも正確な情報であるかのように伝え、混乱を招いたことがありました。
しかし、ブログを書くようになってからは、自分の知識が正確なのか、検証したのか、情報のソースは信用できるのか、例外は無いか、いつの情報か 等を客観的に評価し、それを受け入れるようになりました。
正確性に自信が持てない知識については、追加で検証を実施するか、思い切って書かないという選択をするようになりました。
以上の4点が、2年6ヵ月で技術ブログを100記事以上書いたことで変わったことです。
最後に
IT技術者において、技術情報のアウトプットのメリットとしてよくあげられるのは、"知識の定着" かと存じます。
もちろん知識の定着も大事なメリットなのですが、私の場合、知識の定着ではなく上記4点の変化が大きなメリットでした。
同僚や上司にアウトプットを求められた際、あまり気がのらないこともあるかもしれません。
私の場合も、アウトプットを依頼してきた方が、まじめに読んでくださらないことは日常茶飯事でした。(Readの履歴すらついてない事もしばしばでした。)
それでも、定期的なアウトプットを継続したことにより、自分自身が予期していなかった方面で、日常の業務への取り組み方を改善するきっかけになりました。
また、自分の書いたアウトプットを頼りにしてくださる方が一定数いらっしゃる事実は、単純にうれしいことでした。
「2年6ヵ月書き続けてこの程度のことしか得られないのかよ」とお思いの方もいらっしゃるかと存じますが、私にすれば大きな変化であり、特定の顧客に対して行うサービスとは違った満足感を得られました。
私のこの記事が、IT技術者において、アウトプットにどういった効果があるのかを調べている方の参考になれば幸いにございます。
お読みいただきありがとうございました。