はじめに
ScribusはオープンソースのDTP(Desktop Publishing)ソフトウェアです。
DTPソフトウェアと言ったらAdobeのInDesignが最も使われていると思いますが、有料かつ不自由なソフトウェアなため、Scribusはその代替として機能します。
(不自由なソフトウェアを使っている兄貴はいねえよなぁ!?)
機能面でも充実しており、概ねやりたいことは出来ます。
ただ、英語で開発されており(というか殆どのOSSがそう)、日本語の扱いがあまり良くありません。
特に現状は縦書きが出来ないため、そこは妥協せざるを得ません。
日本人にとってその点は大きなマイナスですね。
そんなScribusですが、Latexを利用することが出来ます。
数式を沢山利用する兄貴たちには嬉しい機能だと思います。
ただ、そのままだとLatex内で日本語を使うことが出来ないので、今回はその紹介です。
環境としてはArch LinuxベースのManjaroを使っていますが、どのディストロでも大きくは変わらないと思います。
ただTexlive等でLuaLatexが使える状態にしておいてください。
手順
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Scribusを開き、"ファイル>設定>外部ツール"に行く
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"フレームを描画"の設定内にある"Latex"を選択し、変更をクリック
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"latex --interaction nonstopmode" と書いてあるのを
"lualatex --interaction nonstopmode" に書き換える。 -
"Uniconvertor"の"実行ファイル名"にlualatexのpathを書く。
私の場合は "/usr/bin/lualatex" です。 -
OKボタンを押し、設定を確定させる。
これでLatexを用いる時にLuaLatexを使うようになります。
次に実際に利用していきます。 -
ツールバーから"RenderFrame"をクリックし、画面上にてクリック&ドラッグで適当な大きさのフレームを作ってあげます。
この時点で英語と数式らしきものがフレーム内にあれば、正常にTexが使えているということです。
その際に文字がぼやけて見えると思いますが、おそらくこれは仕様で、PDF化する時にはきれいに表示されるため問題はありません。 -
フレーム内で右クリックし、"ソースを編集"をクリック
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"Fonts/Headers"のタブにある"Additional Headers"に "\usepackage{luatexja}" を書き加える。
この作業で日本語を表示されるようになります。 -
後は自由に、"オプション"タブの"コードを入力"のボックス内か、"外部エディタを実行"でソースコードを書いて、日本語でLatexな文章を表示させることが出来ます。
お疲れ様でした。
最後に
本当に、後は縦書きさえ出来ればという感じなので、技術書等を出版される際に一度使ってみてはいかがでしょうか。
日本語の情報は他のOSSに漏れずあまりありませんが、英語でならYoutubeにでも使い方が載っているのでそちらで学習できます。