筆者が転職をしてみて気づいたことです。
- 今の職場に不満があって転職したいけど、どうやって転職先を決めればいいかわからない
- そもそも自分は何をしたいのかわからない
等の悩みを持っている方のお役に立てば幸いです。
IT従事者は転職活動での悩みが多い
個人的な感覚ですが、他の業種に比べてIT従事者は転職で悩んでいる人が多いと感じています。その理由についていくつか思いつくのが、
- 業界が新しいためモデルケースが少ない
- 昔からある業種であれば、新卒入社~定年退職までの一般的なキャリアプランみたいなものがあるかもしれませんが、IT業界は比較的若い業界なのでそれが少ない
- これは業界にかかわらず時代的なものかもしれませんが
- ハードスキルの移り変わりが激しい
- 1つの技術を身に着けてそれだけやっていれば将来安泰かというとそうでもない
- 革新的な技術が生まれて、リスキリングが必要になることがままある(クラウド、AIなど)
- やれることが多い
- IT技術はあらゆる分野(医療、流通、公共などなど)で使われているので、どの分野で何をするかという複数の軸で考える必要がある
このように検討すべき軸が多いため転職活動を始めても、何を軸に意思決定すればいいかわからなくなるのではないかと考えました。
考えるための3つの軸
じゃあどうするかということですが、軸が多いのが原因であれば軸に優先順位をつけて検討しやすくしよう と考えました。
優先順位をつけるための基準は その仕事を長く続けるのに重要なことは何か? です。
キャリアプランを考えたり、転職活動をするというのはとても重要ですが、大変かつそれ自体は生産的な活動ではないという悲しさがあります。
なので一回行ったらなるべく長く使えた方が良いという考えです。
筆者は以下の3つの軸を優先度の高いものと定義しています。
社会的意義
- 事業やMVV(Mission Vision Value) にどれだけ共感できるか
- 自分の仕事が、自分が良いと思う社会に近づくのに貢献しているとしたら嬉しいですよね
スキル・環境
- 業務内容が自分が持っているスキル(主にハードスキル)とどれだけマッチしているのか
- 自分を取り巻く環境で、仕事に従事し十分に価値提供できるのか
- スキルが全く合わないところで成果を出せない状態が続くのはつらいです(経験談)
興味・関心
- 業務内容が自分の興味・関心とどれだけマッチしているのか
- 興味がないことに1日の多くの時間を使うのはもったいない
3つの軸を使って検討をする(ベン図を書く)
ではどうやって3つの軸を使うかですが、下記のようなベン図を書きます。
色が無くて見づらくてすみません。
そしてそれぞれの軸に自分の考えや情報を記載します。
(筆者が2022年に転職活動をした際に記載したものです)
そしてキャリアや求人情報がこのベン図のどこに該当するかを記載します。
(こちらについては実際のものとは異なります)
その結果、円が重なっているところ(積集合)に位置する求人が長続きする仕事であるといえます。
また、どうやったら真ん中の3つの円の重なったところになるかを考えることもできます。
- 企業Aは看護師資格が必要
- 看護師資格を取ってかつ実務経験が必要なので現実的ではない
- ビジョンに強く共感しているので、募集している以外の仕事はないか
- 企業Bは面白そうだがフロントエンドの経験が無い
- 家事育児をしつつ学習時間を確保できるか
- 家族の協力も必要になるので理解を得ることができるか
- そもそもフロントエンジニアとしての経験がないが企業側として問題はないか
- 家事育児をしつつ学習時間を確保できるか
- 企業Cは即戦力になれそうだがやりたいことではない
- 業務を通じてやりがいを感じることができるか
- 会社に自分の興味・関心に理解を示してもらえて、取り組む機会を得られるか
これらについて採用面接時に相談したり、転職後の目標設定に利用することもできるではないでしょうか。
3つの軸以外の検討軸
もちろん上記3つの軸だけで決められません。ほかにも
- 給与
- 福利厚生
- 社員の人柄
- 企業の業績・成長性
などいくらでも考えることができます。
なのでこれらに対しては一定の基準値を設けてそれを下回らなければOKという考え方もありかと思います。
筆者の場合、以下のような基準を設けていました。
- 給与
- 下がらなければOK。やりがい優先
- 福利厚生
- 年間休日125日以上
- フルリモートワーク可
- 社員の人柄
- 高圧的な人や職責以上に上下関係にこだわる人は嫌
- 企業の業績・成長性
- あまり気にしない
最後に
筆者は「社会的意義」「スキル・環境」「興味・関心」を主軸にしていますが、何を優先軸とするかは個々の価値観で決めるのが良いかと思います。ただその際には、 優先順位を決めるための基準 を定義するのをお勧めします。
でないと円が全く重ならず、役に立たないベン図になってしまうかもしれません。
この記事が転職活動で悩んでいる人の一助になれば幸いです。