概要
http://devlove.doorkeeper.jp/events/17326
日時:2014/12/01
会場:東京都千代田区麹町三丁目6番地 住友不動産麹町ビル3号館 6F
「動画配信システムの2年間の変化」
スピーカーはDMMの正木さん。DMMでの動画配信業務の2年間を振り返ってみるとのことでした。
資料なしでトークのみだったけど、構成図とか見てみたかった。
2年間の変化
- VOD系はDL配信とストリーミングに分岐。
- ライブ配信が後から追加。
- PCからスマホ、タブレット、TVなどデバイスが増加。
2年前>iPhone4S向け構成
・ストレージx2
・メディア(配信)サーバーx2
・ロードバランサーx1
の構成でアクティブスタンバイを構築。すぐに1組増設が必要になった。
負荷増大と拡張
- 最初は高価なストレージ使ったけど、後にクラスタストレージに変更。
- 配信サーバー増強に伴い、ストレージ⇔配信サーバー間の帯域増加。
- サーバーの構成は変わらないけど、機械自体は結構変えた。
- 半年に1回の半額キャンペーン用に専用サーバーを組んだ。
- 現在は配信サーバーが24台くらいある。
まとめ
- スマホだけでなく、タブレットやTVも対象になっていくので、トラフィック対策大事。スムースストリームとか。
- 自分で技術を仕入れてアップグレードし続けないとダメ。
「ゼロからの動画プレイヤー開発」
スピーカーはMediaLinkPlayerの開発をやってた石田氏。
基礎知識の紹介的な要素が強かった印象です。
動画再生の基本的なところ
- TV、DVD、BD、youtube、vine、TV電話など、日常のいろんな所で動画再生が使われているけど、仕組みは大体同じ
- TVだけは、遅延が許されないという制約がある。
- 動画データを圧縮/解凍するのがコーデック。
- コーデックを使うメーカー、ベンダーは、MPEG-LAなどに特許使用料を払わないといけない。
- コーデックは音声と動画を個別に圧縮する。それらをマージするのがコンテナ。
- 動画の3要素はコーデックとコンテナと伝送路。これらを用途で選ぶ。
動画コーデック
- MPEG2:DVDとか地デジ
- H.264:スマホなど。MPEG2より高圧縮で高負荷
- H.265:4kTVなど。H.246よりさらに高負荷で、ソフトでは処理が追いつかないかも
- WMV/VC-1:Microsoftのコーデック。WMPなどで採用
音声コーデック
- AAC:地デジで採用
- MP2:スカパーで採用
- MP3
- WMA
コンテナ
- MPEG2-TS:地デジ用
- MPEG2-PS:DVD。ストリーム蓄積に優れる。
- MP4:ストリームに向かないが、先頭にアドレス情報があるのでランダムアクセスに向く。
- ASF
動画プレイヤーの基本的な処理
ただし、ユースケースによって違う事はある。
- データ読み込み
- デマスク(コンテナから音と映像を分離)
- デコード(音声と動画の圧縮を解く)
- ディスプレイやスピーカーに出力(この時AV同期が実行される)
- 1に戻る
「サービス開発をして気づいた3つのこと」
スピーカーはスタジオ・アルカナの落合さん。
リプレというサービスを作ったときの事を、3つのテーマで
職域について
- リプレをオープンソースカンファレンス用のデモアプリとして開発しようとしたけど、社内コンペで落ちた。
- スカンクワークで作成したけどやる事たくさん。
- リーンキャンパス6枚以上書いた。デザイナーだけどいろんなことをやった。
- 職域が違うと言ってやらなくてよいことなんてないよ。
問題解決の仕方
- 上司のコネでRed5使う予定つもりだった。
- FLV生成だとスマホで見れない→ffmpeg使ってMP4にしたいけど、Red5がffmpegと連携しない。
- なので、nginx-rtmp-module採用してRed5捨てました。
- 最初の解決方法にこだわると、かえって問題解決が遅くなる事があるよ!
サービスを育てる
- UVP(Unique Value Proposision)が異なってた。
- 限定された人とのやり取りを、(外部に漏れないという意味で)安心して動画を送れるものをUVPと考えてた。
- ママさん間のコミュニティで、全然違う部分(撮影とアップロード同時なので、アップロード待ちの時間がない事)が評価されてた。
- それを受けて、アプリサイトを手直ししたり、機能追加の方向性を考え直した。
- サービスは作って終わり、ではないので、リサーチを怠らずに改善を続けるのが大事。
まとめ
- 3つの共通点:目標、目的を見失わない。
- その方が開発やその後の展開を気持ちよく進められる。
ダイアログタイム
テーマごとに3~4人のグループを作って、その話題の中で一人ずつ話をしよう、というセッションです。
なお、主張を押し付けたり、説得したり、論破したりするのは厳禁、というルールがあります。
興味があるグループに集中的に行けるので、聞いただけ、というのになりにくいのですが、4人で順番に話すため、時間が来るとぶつ切りになる感もあります。
LTだとスピーカーの言いっぱなしになりますが、こちらはテクニカルリーダーが一人混じると面白い形式に思えました。
逆に、あまり主張するものがない人同士になると、皆悩みを話すけど誰も答えられない状況になりそうな印象です。
まとめ
セミナー内容については、概要よりな印象でした。
個人的にはもう少し突っ込んだ内容を聞きたかったです。
が、今日得たものを明日の現場に繁栄させよう、というDevLoveのコンセプトは結構面白いと思います。
・初心者は卒業したんだけど、大きなカンファレンスを聞いてもまだピンとこない
・社外のコミュニティに参加したいけど、業界の仕様策定に協力みたいな大きなテーマを扱うところにはちょっと付いていけない
という感じ人が、スキルアップしていくには良い所なのではないかと感じました。