はじめに
ChatGPTに、科学的な内容についてどれぐらい教えて貰えるものなのか、試しにChatGPTに聞いてみました。どれぐらい信用できる回答が得られるのか、調べてみます。
前回は、台風発生の仕組みについてChatGPTに聞いてみましたが、
今回は、より多くの記事・Webサイト等で見かける、台風の目(眼)が出来る理由について、例として、ChatGPTに聞いてみます。
所感
最近思っているChatGPTへの印象:
- とにかくそれらしく上手にしゃべる。
- 知ったか振りしてでも上手にしゃべる。
- 正しい事・正しくない事を織り交ぜて、適当に勢いでペラペラしゃべるのが好きな人のタイプに似ている。(実は一番困るタイプ)
- 一般的なこと・大枠の方向性は、大体いつも正しい模様。
- 一方、細かい所を聞けば聞く程、意味のずれ・間違いが多い。
- 文章例の生成、文章の言い換え、滑らかな文体へ変換、滑らかな翻訳等に、とりわけ向いている印象。
- とはいえ、ここまで上手にしゃべるのは、相当凄い技術、脱帽。
台風の目(眼)が出来る理由について、ChatGPTに聞いてみる
▼私(人間)
台風の目はなぜ開いていて風が弱まっているのでしょうか?
▼ChatGPT(自動応答)
台風の目の部分は、中心部に非常に低い気圧があるため、周りの風が内側に向かって流れ込んでいきます。この風が中心部で上昇すると、気圧が低いため空気が膨張し、気温が低くなります。そのため、湿度が高い状態で冷却された水蒸気が凝結して雲が発生し、大量の降水が起こります。
一方で、中心部の気圧が低くなると、周囲からの風が中心部に向かって流れ込む速度が速くなります。しかし、中心部に向かって流れ込む風があまりにも強すぎると、中心部の気圧が下がりすぎて風が停止するため、台風の発生源となる低気圧が消滅してしまいます。そのため、台風の目の周りには風が弱まり、逆に風が強い「台風の壁」が形成されることになります。つまり、台風の目が開いているのは、中心部に向かって流れ込む風があまりにも強くなりすぎないように、中心部で上昇する空気が外に排出されるためだと考えられています。
▼私(人間)
中心部の気圧が下がりすぎて風が停止する所の記載が分かりません。台風の目はなぜ開いているのでしょうか?
▼ChatGPT(自動応答)
台風の目の開き方には、風の強さや中心部の気圧の低さなど、複数の要因が絡んでいますが、一般的には以下のような説明がされています。
台風は中心部の気圧が非常に低いため、周囲から気体が中心部に向かって流入します。その際、気体が中心部に集まることで密度が高くなり、上昇気流が発生します。この上昇気流により、水蒸気が冷却されて雲が形成され、降水が生じます。
しかし、この上昇気流が非常に強いと、中心部の気圧が下がりすぎて、気体が中心部に流入する力が弱まります。すると、気体が上昇する必要がなくなり、上昇気流が弱まります。その結果、雲が消え、降水も止まり、風も弱まります。この状態が台風の「目」と呼ばれる部分であり、中心部の気圧が最も低く、風が最も弱い場所です。
つまり、中心部の気圧が下がりすぎて気体が中心部に流入する力が弱まったため、上昇気流が弱まり、目が形成されたと考えられています。ただし、台風の目の開き方や大きさは、気象条件によって異なるため、厳密な理解にはさらなる研究が必要です。
▼私(人間)
中心部の気圧が下がりすぎたのであれば、なお更に気体が中心部に流入する力が強まると思いますが、いかがでしょうか。
▼ChatGPT(自動応答)
中心部の気圧が下がりすぎると、気圧勾配力が大きくなります。気圧勾配力は、気圧の差に比例して風が吹く力を表します。このため、中心部に向かって気体が流入する速度が速くなります。しかし、一方で中心部の気圧が下がると、大量の水蒸気が凝縮して雲が発生し、熱を放出することで気圧が上昇するため、中心部にはある程度の風が吹いている状態が保たれます。
また、台風の中心部に向かうにつれて風速が減少し、中心部でほとんど停滞するようになるのは、遠心力が働くためです。台風の中心部で回転する風は、中心から外側に向かって強い遠心力を受けます。この遠心力によって、風が外側に押し出されることで、中心部の風速が低下し、ほとんど停滞するようになります。この停滞した部分が台風の目と呼ばれます。
▼私(人間)
上記後段の、遠心力による説明が正しいかと思いましたが、いかがでしょうか。
▼ChatGPT(自動応答)
すみません、前回の回答に誤りがありました。台風の中心部の気圧が下がりすぎることで、気圧勾配力によって中心部に向かって風が流入することが原因で、中心部に気体が集まっていきます。このため、中心部に気体が集まることで気圧が上昇し、風が弱まることになります。
台風の目は、中心部の気圧が特に低い部分であり、中心部に向かって風が集まることで中心部の気圧が下がります。しかし、気体が中心部に流入する力と遠心力のバランスがとれる範囲で、風が強く吹き続けていることで、中心部がある程度開いている状態を維持することができます。このため、中心部周辺の風は強いものの、中心部に向かうほど風が弱まり、目の周りでは風が比較的弱くなります。
▼私(人間)
台風の目は、なぜあんなにもくっきりとして、雲の壁が出来るのでしょうか?
▼ChatGPT(自動応答)
台風の目がくっきりとしている理由は、中心部の気圧が下がり、その周りにある暴風雨が旋回しているためです。暴風雨が中心部に向かって集中することで、中心部には雲が存在しなくなり、目と呼ばれる穏やかな領域ができます。また、周りの暴風雨は強い上昇気流を引き起こし、雲の高度が高くなるため、雲の壁ができます。このように、台風の目と雲の壁は、台風の中心部にある低気圧の強い勢力と、周りの高速で旋回する風の相互作用によって形成されます。
▼私(人間)
上記の回答では、台風の目にはくっきりとした雲の壁が出来る理由が明確に記載されていません。
▼ChatGPT(自動応答)
申し訳ありません、回答が不十分でした。台風の目にくっきりとした雲の壁が出来る理由は、台風の中心部で空気が上昇する際に、外側の気流が中心部に向かって収束するためです。この収束した空気が中心部で上昇する際に、水蒸気が凝結して雲が発生します。そして、中心部から外側に向かう空気の渦ができ、その境界部分にくっきりとした雲の壁が形成されます。この現象を「スタジアム効果」と呼びます。このようなスタジアム効果によって、台風の目と周囲の雲の壁がくっきりとした形状を持つことが特徴的です。
▼私(人間)
スタジアム効果とは何ですか?
▼ChatGPT(自動応答)
スタジアム効果は、大型スタジアムやアリーナなどの屋内競技場で発生する現象で、特定の風向きや風速の風が、建物の影響で渦巻きを形成し、競技場内部に吸い込まれることで風速が増す現象を指します。競技場の形状や立地条件によって異なりますが、一般的には風向きに対して建物の角度がある程度ある場合に発生することが多いです。スタジアム効果は、屋外競技において風による不利益を受ける選手や、風による混乱や運営上の問題を引き起こす可能性があるため、競技会やイベントの運営において考慮する必要があります。
▼私(人間)
台風と全く関係ないように思いますが、いかがでしょうか。
▼ChatGPT(自動応答)
すみません、私の回答が不適切でした。スタジアム効果は、台風とは関係がありません。正確な情報を提供できなかったことをお詫び申し上げます。スタジアム効果は、風の流れが障害物によって変化し、風速が増加する現象です。特に、スポーツスタジアムなどのように円形や楕円形の形状を持つ建物周辺で起こりやすいとされています。
▼私(人間)
それで、台風の眼は、なぜ出来るのでしょうか?
▼ChatGPT(自動応答)
台風の目ができる原因は、台風の中心部において、空気が上昇しているためです。台風は、中心部から外側に向かって強い風が吹き荒れる構造を持ちます。この風は、中心部に向かって流れ込む空気を引き寄せ、中心部の空気を上昇させます。そのため、中心部で空気が上昇し、気圧が下がることで、相対的に空気が少なくなります。この状態で、空気の密度が低くなることで、風速が遅くなり、風が弱まるため、中心部には静かな状態が生じ、台風の目ができます。また、中心部の上昇気流によって、雲が拡散され、雲の壁が形成されることも影響しています。
▼私(人間)
遠心力が関わるのではありませんか?
▼ChatGPT(自動応答)
はい、遠心力が台風の目の形成に関与しています。台風は中心部が低気圧であり、その中心部には強い上昇気流が存在します。この上昇気流は、台風の中心部に向かって吹き上がることで、周囲から気体を引き寄せます。
一方で、台風の中心部から外側へと向かって強い風が吹き出しています。この風によって、周囲から中心部へ向かう気体が遠心力によって外側に押し出されます。この遠心力によって、気体が中心部に向かう力と外側に押し出される力が釣り合う場所が、台風の中心部にある「目」と呼ばれる部分となります。
このように、台風の目が出来るメカニズムには、上昇気流と遠心力の相互作用が関与しています。
▼私(人間)
台風の中心部にある「目」と呼ばれる部分は、気体が中心部に向かう力と、遠心力によって外側に押し出される力が釣り合う場所、ということですね?
▼ChatGPT(自動応答)
はい、その通りです。台風の中心部にある「目」は、気体が中心部に向かう力と、遠心力によって外側に押し出される力が釣り合う場所となります。このため、中心部には空気が沈み込み、雲が消えて晴れ間が現れたり、風も静かになるのです。
▼私(人間)
台風の中心部にある「目」では、なぜ雲がないのでしょうか?
▼ChatGPT(自動応答)
台風の中心部にある「目」は、周りの雲壁から比較的穏やかな風が吹き込むことによって、雲が発生しにくくなっています。具体的には、台風の中心部では、気圧が比較的低くなっており、そのために周囲の気体が中心部に向かって流れ込みます。この気体が中心部に向かって流れることによって、上昇気流が発生し、水蒸気が冷却されて雲が発生するのですが、同時に周りから吹き込む穏やかな風が中心部に流れ込むことによって、この上昇気流が阻害され、雲が発生しにくくなっています。また、中心部では風速が比較的弱く、空気が静止しているため、雲が消えやすい状態にあるとされています。
▼私(人間)
ん? 気体が中心部に向かって流れることで上昇気流が発生し、同時に中心部に穏やかな風が流れ込むことで、この上昇気流が阻害される、という記載の因果関係が良く分かりません。
▼ChatGPT(自動応答)
申し訳ありません、私の回答が不明瞭でした。訂正いたします。
台風の中心部では、高い気圧勾配力によって気体が中心部に向かって流れ込みます。この気体が上昇気流を形成し、この上昇気流によって湿った空気が上昇して雲が発生します。しかし、同時に中心部には穏やかな風が流れ込むことで、この上昇気流が阻害され、雲が発生しなくなります。このため、台風の中心部には雲がなく、青空が見える場合があります。
▼私(人間)
上記の「同時に中心部には穏やかな風が流れ込む」とは、どの向きに流れ込むのでしょうか?
▼ChatGPT(自動応答)
台風の中心部には、上昇気流によって中心部に向かって流れ込む空気と、外側から中心部に向かって静かに流れ込む空気の2つが存在します。前者は強い上昇気流によって上昇しているため、空気が冷却され、水蒸気が凝結して雲ができます。一方、後者は静かに中心部に向かって流れているため、空気が冷却されず、雲ができないのです。このように、強い上昇気流が中心部に向かって流れ込むため、中心部では雲ができ、目の部分では雲がなくなるのです。
▼私(人間)
え? 上記の2つの流れは、同じ方向に流れているということですか?
▼ChatGPT(自動応答)
申し訳ありません、私の回答に誤解を招くような表現が含まれていたかもしれません。修正して説明させていただきます。
台風の中心部には、気体が中心部に向かって流れ込むことで上昇気流が発生し、同時に中心部に穏やかな風が流れ込みます。これら2つの流れは同じ方向には流れておらず、実際には逆方向に流れています。上昇気流は中心部から上空に向かって流れていく一方、穏やかな風は外側から中心部に向かって流れ込んでいます。
中心部に穏やかな風が流れ込むことで、上昇気流が阻害され、雲が発生しなくなります。ただし、この穏やかな風も外側の強い風と比較すると比較的弱いため、中心部には局所的には風が弱まります。このため、中心部付近には雲が発生せず、空が晴れているように見えるのです。
▼私(人間)
何とも理解しがたい文章です。
▼ChatGPT(自動応答)
申し訳ありません。もう少し詳しく説明いたします。
台風の中心部には、外側から中心に向かって気体が流れ込み、同時に中心から上方向に気体が上昇する上昇気流が発生します。この上昇気流が中心部に到達する前に、中心部に流れ込んできた気体が上昇気流を阻害し、気圧が上昇することで、雲の発生を抑えることができます。また、中心部に流れ込んできた気体は、中心部で穏やかな風となり、中心から外側に向かって流れ出ていきます。このように、中心部には外側からの流入と内側からの流出があり、この2つの流れが釣り合うことで、台風の中心部に安定した空間が形成され、雲が発生しにくくなると考えられています。
毎回何か曖昧な回答
遠心力の回答が出て来た部分は、比較的良好でしたが、全体的に毎回何か曖昧で、今一つ因果関係が理解しにくい回答が返って来ました。2つの矛盾した風の流れの部分は、つじつまが合っておらず、何とも理解しがたい回答になっています。
(当然のこととは思いますが)、ChatGPTが、注力して学習している分野(一般常識・プログラム等)と、そうでない部分があるような印象を得ました。
少しWeb検索で調べると
少しWeb検索で調べると、比較的多くの説明記事がヒットします。
https://www.google.com/search?q=%E5%8F%B0%E9%A2%A8%E3%81%AE%E7%9B%AE+%E7%90%86%E7%94%B1
https://www.bing.com/search?q=%E5%8F%B0%E9%A2%A8%E3%81%AE%E7%9B%AE+%E7%90%86%E7%94%B1
多くは、遠心力を含んだ説明で、
- 速くなるほど外側へ引っ張られる力(遠心力:えんしんりょく)が強く働きます
- 外側に引っ張られる力が強すぎて、中心に向かって風が吹き込めなくなる部分ができます
- これが台風の目です
という内容が多く見つかります。
▼結果1
引用: 台風の目
周囲から吹き込む風が継続的に中心部に押し寄せる中で、遠心力と気圧傾度力がほぼつりあい、風が中心部に入り込めない状態になる。
...中略...
螺旋状の上昇気流は積乱雲の壁(アイ・ウォール)を作り、それより中心に近い部分は気流が侵入できず、気流が穏やかで雲がほとんどなく晴れた区域となる。この領域が台風の目である。
▼結果2
引用: 台風の目とは? 中心だけが晴れる不思議な仕組みをわかりやすく説明
台風の中心は気圧が低いので、風には中心に向かう力が働いているのですが、それより遠心力が強くなると中心へ向かうことができなくなります。風速が速いということは、遠心力も強いということです。気圧の低い中心に向かう力と遠心力と釣り合えば、それ以上風は中心に近づくことができません。これが台風の目です。
▼結果3
引用: はれるんランド 台風の目はどうしてできるのですか?
スピードの速い(はやい)車に乗っていると、カーブにさしかかったときに体が外側へ引っ張られますが、これと同じように、台風の風も中心に近づいて速くなるほど外側へ引っ張られる力(遠心力:えんしんりょく)が強く働きます。すると、外側に引っ張られる力が強すぎて、中心に向かって風が吹き込めなくなる部分ができます。この風の入り込めない部分が「台風の目」です。
▼結果4
引用: 台風の目とはどんな意味?台風の目の中は安全なの?
台風の中では強い風が中心部に向かって反時計回りに吹き込んでおり、台風の中心では空気がとても速く回転しているため、外側に引っ張られる「遠心力」が強く働きます。
この台風に働く遠心力によって雲が外に弾かれてしまい、中心に向かって風が吹き込めなくなる部分が生じます。この風が吹き込めなくなる部分が、台風の目となるのです。
台風の目(眼)が出来る理由まとめ
台風の目(眼)が出来る理由は、前述のWeb検索で調べた記載の通りで、下記にまとめると、
前回記事で、台風発生の仕組みについて記載した「台風発生・過程まとめ」の節で、
https://qiita.com/dl_from_scratch/items/9d21438c514a9fbe137c
強力な風を伴う渦が作られる仕組みによって、台風の中心付近程、風速の速い回転流になっており、回転する風速が速くなる程、また、回転中心に近くなる程、外側へ引っ張られる力(遠心力)が強く働きます。
遠心力 $F = m \omega^2 r = m (v/r)^2 r = m v^2 / r$
- 回転流の中のある地点で、回転位置の半径$r$、回転方向(接線方向)の速度$v$、の時に掛かる遠心力$F$の式、質量$m$は微小な流体のひとかたまり$dV$とすると$dm=\rho dV$のイメージ、回転角速度$\omega$は$v = \omega r$で置き換え。
- $v$の2乗で遠心力が増加し、風の速さが速くなると急激に遠心力が増加する。
- $r$の反比例で遠心力が増加し、中心に近付くと急激に遠心力が増加する。
この遠心力により、外側に引っ張られる力が強くなり過ぎて、それ以上中心に向かって風が吹き込めなくなる境界が出来ます。これが台風の目になります。
この遠心力により、目の外側の回転流は目の内側へ入って来られないので、台風の暴風が入って来ず、目の内側になると急に穏やかになる、という現象が起きます。
これにより、台風の上昇気流を生み出す水蒸気を多く含んだ空気も、同様に目の内側には入って来られないので、目の内側へは外からの水蒸気の供給が無い状態になり、雲が出来にくい環境になります。
▼目の外側について更に詳細:
上昇気流で吸引されて中心へ流入しようとする気流の力(気圧勾配)と遠心力とが丁度釣り合う地点ではっきりとした境界が出来ます。この境界の外側では強く回転しながら上昇する気流となり、水蒸気が上昇して上空で冷えて凝結しどんどんと雲になり、目の近くの外側では多くの水蒸気が集まってきて上昇するので、境界の外側では高い雲の壁が出来ることになります。台風の目に出来る雲の壁は、遠心力の壁になっています。
▼目の内側について更に詳細:
遠心力により、目の外側の空気が目の内側に入って来られないので、目の内側は、周囲から水蒸気を吸引して集めてくる作用が全く働かない領域となります。水蒸気の供給が弱く、目の内側に存在する水蒸気しかないので、外側と比較すると極弱い上昇気流しか発生しない環境になります。
更に、すぐ隣の目の外側では、強い上昇気流となっていて、上昇する気流の地表付近では空気が無くなるので周りからどんどん空気を吸引することになり、すぐ隣の目の内側の空気も吸引して、目の内側は地表付近で隣から空気が吸い取られると、これに従って目の内側が緩やかに下降する流れになり易くなります。
目の外側の地表付近で空気の吸引が強い(=目の外側の上昇気流が強い=台風の中心気圧が低い=台風の勢力が強い)場合ほど、目の内側は下降する気流になり、目の内側の雲が無くなって、くっきりとした目になります。
(この遠心力の壁は、目の内側から外側へは出ていけるが、外側から内側へは遠心力で流入できない、一方向性の性質を持つ境界となっています)
参考:
台風の発達と回転, 日本流体力学会, 2016
PDF: https://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=35-5_tokushu5.pdf&dir=151
台風に伴う風の特性
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/2-1.html
風圏内における気圧・風・渦度の分布 4.気圧・風速・相対うず度分布の実際例
https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/1985/1985_02_0053.pdf
台風第6118号(1961年9月16日03時)について,藤田の気圧分布式および著者が作成した分布式を用い,この台風の圏内における気圧P(7),傾度風速7gθ(7),相対うず度ζ(7)の各中心距離における値を算出し,これら相互の値の比較検討を行った.
先づ第4図に藤田の気圧分布式(2)を用い,傾度風速の式(4)および相対うず度ζ(7)の各について中心距離500km以内における値を図示した.この図から傾度風速’Vgθの最大値は中心距離52~53km付近で42m/secに達していることがわかる.
さらに相対うず度ζは中心付近で348・10-5sec『1に達しており,中心距離の増すに従って減少し,中心距離276kmで0になりこれから周辺部では(一)域となり5~10・10『6sec-1くらいの値を示している.
第5図は,同台風について,気圧分布式は台風の中心が通過した洲本の気圧の記録紙の読取値と台風の移動速度から著者が作成したものである.かなり精度よく表示することができる.
おわりに:Web検索+ChatGPTに期待して
(当然のこととは思いますが)、今回の上記の試行で、ChatGPTが、注力して学習している分野(一般常識・プログラム等)と、そうでない部分があるような印象を受けました。
膨大な情報をそのまま漏れなく全部学習することは、難しいと思います。
Web検索の結果をChatGPTが読み調べて(人がやると面倒な部分)、ChatGPTの持ち前の「意味を解釈して要点を把握する」能力を用いて、ChatGPTがエンドユーザーに要点をより分かり易く(若しくはユーザーの要求に答えて言い方を変えながら)説明するようなものになれば、今回の試行結果も(ChatGPTの潜在能力が凄いので)すぐに改善するだろうと推測しております。
当然、他社のWeb検索をChatGPTが機械的に利用することには制限があると思いますので、今のような仕組みになっているものかと推測しております。
Web検索の上にChatGPTが乗るような構成で、Web検索で雑多に出てくる検索結果を、知りたい点だけに上手く集約して・分かり易く要点をかいつまんで、教えてもらえるようなものに成熟していくことを期待して。
付記:台風の仕組みを初めて解明
台風の仕組みは、1963・1969年の論文で、大山さんが世界で初めて解明して発表したものだそうです。
Ooyama K. Numerical simulation of the life cycle of tropical cyclones. J Atmos Sci. 1969; 26:3–40
第1弾
第1弾:ChatGPTに、台風発生の仕組みについて聞いてみる