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就職/転職でSIerを選んだ後になんとなく知っておいたほうがよさそうなことリスト

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はじめに

3月というと、SIerに内定して入社までドキドキしてる人も多い時期ですよね。

先日記事(就職/転職でSIerを選ぶ時になんとなく知っておいたほうがよさそうなことリスト)を書いて親友に見せたところ、「詰んだ…」とかアホな事を言い出したので、入っちゃったあとの話を用意しました。

例によって主観10割です。ズレてたらコメントください。
Web系に関しては伝聞(といっても直接聞いた話が基本ですが)によるところも大きいです。

あと、結論からいうと別にほとんどの人は全然詰んでないと思いますよ…。

SIerを選んだ後になんとなく知っておいたほうがよさそうなことリスト

いろんなレイヤーの仕事の人が業務の中で できる気がする/させてもらえなさそう/困りそう なこと

とりあえず、まずは発注側から順番にありそうなことを列挙していきましょうか。俯瞰で見ることが大事なので。

発注元(社内SEとかプロダクトマネージャーとか)

  • できる気がすること
    • 仕様決め (主に要件定義~外部設計(たぶんI/Fぐらいまでが多いかな…))
    • 外部発注やプロジェクトマネジメント
  • させてもらえなさそうなこと
    • 自分で手を動かして実装 (※恐らくコスト的にペイしないのと、プロマネの観点からいうとプレイングマネージャーがよろしくないのもある。もともと自分がコードかいて開発に関与していた等であれば関わるケースも多そうだけどレアケースかなと。)
  • こまりそうなこと
    • コードが書けない (恐らくコードを書かない為、作業量の見積もり精度も落ちるのでは?と思ってます。 実際ソースを書かなくなって見積もりズタズタになったPMは何人か見た覚えがあるので。 ただ、覚えたアルゴリズムはそうそう抜けないので、そういう面ではレビューなどでもできると思う。実装側の作業ができずにプロマネばかりさせられて嫌になって辞めて二次請側に来る人とかたまにいる。そういう人は仕事も取ってこれて戦力にもなるのであれば重宝がられる感じ)

一次請け(元請け)

  • できる気がすること
    • 仕様決め(外部設計~)
    • 外部発注やプロジェクトマネジメント
  • させてもらえなさそうなこと
    • 自分で手を動かして実装
  • こまりそう
    • コードが書けない

二次請け

  • できる気がすること
    • 仕様決め(内部設計~)
    • (小さいレベルの)外部発注やプロジェクトマネジメント
    • 自分で手を動かして実装
  • させてもらえなさそうなこと
    • 要件定義
    • 方式設計(技術のトレードオフにかかる取捨選択みたいな)
  • こまりそうなこと
    • 上流工程になかなか関われない (のでキャリアパスが見えにくい)
    • 給料が安い
    • 稼働を上げた分で生産高が出るのでどうしてもしんどい

n次請け

  • できる気がすること
    • 詳細設計
    • 自分で手を動かして実装
    • テスト
  • させてもらえなさそうなこと
    • 要件定義
    • 方式設計(技術のトレードオフにかかる取捨選択みたいな)
  • こまりそうなこと
    • 上流工程になかなか関われない (のでキャリアパスが見えにくい)
    • 給料が安い
    • 稼働を上げた分で生産高が出るのでどうしてもしんどい

じゃあ現状脱出するにはどうすんの?(上流側にシフトしていく観点で)

(会社・チームとして)n次請けが元請けに近いところにシフトする

こういうことができたら凄いけど、実際問題としておそらく、
全部そんな簡単にいくなら苦労はしないやつです…

  • ブームが立ち上がってくる前の言語、環境をキャッチアップして、対応できるようにする
    • 担ごうとしたやつが流行らないと辛いよね… ちなみにイノベーションのジレンマに書いてあるイノベーションのジレンマの回避方法だったりします。(この文章を書いてて牛の牛肉って言ってるようやなと思った…(笑))
  • 中抜きしている中間の請けを飛ばして契約してもらえるように調整する
    • RFPでの受諾開発の際に起きうるケースと、開発から保守フェーズに移った時の契約切り替えのタイミングなどで起きうる感じ
    • 私個人だと、これは1回間接的に関わった事があります。顧客と自社はメリット大ですが、元請けは面白くないので政治力とか結構要る… あとお客さんへのアウトプットやフォローアップのレベルが明確に高いとか、元請けがコストだけ引き上げて何もしてない事に問題意識を持ってるとか、かつお客さんの発注までの社内の流れがシンプルなほどうまくいく気がします。
  • 自社でプロダクトを作っちゃう
    • 作ったプロダクトがほいほい流行る程のアイデアが出たなら、そもそも独立するなり仕事の後の時間を削ってでも自分で書くよねぇ…

(個人として)n次請けから元請けに近いところにシフトする

多分こっちの方が圧倒的に簡単です。個人の力で組織を変えれてるならみんなやってますよね。
まず要点として恐らく一番大事なのは、どの会社も「使える人」は足りてないです… (どのレイヤーにも共通して…)

  • 請けの上位側の会社に転職する

    • 転職するためにどうすべきなん?という話ですが、全体的にどこもかしこも人足りてないので行った先の会社でコスト対効果をみて戦力になるだろうと思われれば、普通に内定は出ると思います。
  • 行った先の会社で戦力になるだろうと思わせるために (1)実務経験の年数と1社の在籍期間が長い

    • どのレイヤーでも経験年数に比例して、やった分野の知識と経験はみっちりつくので、経験年数は純粋な評価指標になると個人的には思います。あとは人事的な観点でいうとずっといてくれる人がほしい… (契約時の年収の4割とか人材紹介会社が紹介料として持っていくので、ホイホイ転職されるとバカにならないってうちの人事部もこぼしてました。現職はSIerではないですが。)
  • 行った先の会社で戦力になるだろうと思わせるために (2)資格でより高度な仕事ができる事をアピる

    • 個人的な主観ですが、基本的に入社したときから情報処理技術者試験で資格が2段階ぐらい増やせてたら転職チャンスじゃないかなぁ。
    • 例:(入社時)パスポ→基本情報→応用情報 とか
    • 例:(入社時)基本情報→応用情報→高度(情報処理安全確保支援士試験とかデータベーススペシャリスト試験) とか

ちなみに資格取ったからといって同じ会社だとすぐに「お前この仕事やってみろ」とはなかなかなりません。
会社としてそういう「新しい仕事」のパイは決まってるし、うまくいってるチーム構成を変える理由が無いのもあって、そんなホイホイまわってこない。(そのくせ困った時だけ泣きつかれて炎上の火消しに行くとかよくありますよね…)

転職に関するえとせとら

先の例がなぜ2段上の資格を拾いにいこうなのか

  • 個人的な主観バリバリなので恐縮ですが、ふつーに仕事してたら入った時に比べて、その仕事をみっちりこなせるようになると1段階ぐらいは仕事のレベルが上がってるから、資格1枚だと転職してももろもろの条件が現状維持などになる事もありそうだなあと。(転職準備はいつ始めてもいいのですが。)
    • あと、「さらにその1段上の知見を有しているが会社としてはいろいろしがらみがあってそういう仕事を振ってはくれないのでスキルアップのために転職を志望しました。」 は転職志望動機としてげきつよな部類だと思うのもある。(ただ、どんな会社でも仕事をえり好みせずこなしてくれる人が欲しいので、うまくそういうのを言う感じになる)
    • 色々なところで見たり経験した結果として、応用情報を持ってれば資格だけで言うとIT職の上位1割にはいる気がする… 私も前職は数千人規模のSIer(東証一部)にいてましたが、そこでも1割ぐらいしか持ってなかったのでお察しである。だって資格なくても仕事できるもん… (みんな実際言うし、仕事できてる人も多いが全然ダメな人も多いよね…)
    • 情報処理技術者試験ばっかり例に出すのは、国内のSIerだと一番汎用的にイケると判断してもらえるからです。(ベンダーに依存しないのと、陳腐化しにくい論点を問われる試験なので技術的な賞味期限が長い。大事。あと受験費も安い。大事。)

転職を検討するにせよ、行った先の会社が現職よりええのんか?という観点は持とう

  • 正直、部、課以上に配属プロジェクトがどうか?によって転職の納得感は激変すると思うので、「行った先の会社が現職より良さそう」な条件の会社がひっかかるまで現職でぶら下がっておく戦略は有用。以下の観点は持とう(実際もっててよかった観点)
    • 仕事の募集要項に書いてある給与はどれぐらいか?(募集要項の上限が高くない会社は転職後に昇給するとしても知れている気がする)
    • 転職後の給料は上がるのか?現状維持か?実は下がっちゃう?(下がっても残業代無支給→残業代全支給 とかだと実質上がるケースはありうる… 時間給換算で見るべきかもしれない。)
    • 通勤時間が短くなるか?
    • 仕事の拘束時間が短くなるか?
    • 権限は増えるか?
    • PCなどの(経営者からみたらわがままにみえる)要望は通るか?
    • 面接で出てきた同僚になりそうな人はどうか?(レベル、相性など)
    • 勤務時間中に技術のキャッチアップに時間割いたりさせてくれるか?
    • 有給消化率は?

その上で、何が良くなり何が変わらず何が悪くなるのか。(転職活動してて良くなるところがなく、なにかしら悪くなるのであれば年齢が高すぎるとかスキルが全然上がってないとか個人に起因する問題も普通はセットで何かしらあるので、転職をしばらく寝かせておいて、資格を拾って再チャレンジするなどの必要があるかもしれない。)

SIerとWeb系とどっちがどうなのよ的な話

SIerが新卒をガンガン採っているのか、新人が流れるようにSIerに吸い込まれているのか、どちらが先なのかは私もよくわからんのですが、新人はSIerに行きがちです。(きっとあいつらはデキてるんや…)

じゃあなんでSIerは新人がんがん採ってんの?という話に関してそれっぽい回答を見たことは私もないのですが、恐らく以下のような理由があるのではないかなと思います。

そもそも、SIerの仕事の大半は新規構築ではなく、既存システムの改修維持が主であり、言語・環境が必ずしも最新でない事も多いです。(よって、昨今のWeb系にありがちなラーニングカーブが平易な言語・環境とかを使えるとは限らない。プロジェクトによってはCとかCOBOLとかVBAとかABAPとか… ※注:私は全部実業務で触った事が… お察し下さい。)
そのため、開発者として人件費比でペイできるのが結構遅くなりがち(1つのプロジェクトが長くても1年ぐらいで終わるので、複数プロジェクトを経験した状態としてだいたい2年あれば誰でも一応戦力にはなってる感じ ※注:これも環境による。ABAPとかは言語さわれりゃオッケー!みたいなものでは全然ないのでもっと時間かかる。)

よく、転職系の話だと「一つの会社に3年もいられないのに…」というのが出てきますが、どうにも「3年ぐらいいてくれないと会社として研修費用が持ち出しになってしまいけしからん!」みたいな話も実はあるようです。(なので第二新卒とかは、来てくれる会社からしたら旨いので募集してるよね…)

片やWeb系などであれば「1000時間で〇〇作ったった~」とかごろごろあるので、別に新卒でなくても採用されたメンバーが根付けば比較的早く戦力になるのでは?という気がします。(だいたいそういう環境でやってるところはペアプロなどのXPに関する文化がセットであるのもめちゃくちゃ大きいとは思いますが。正直、私も誰かに教えてほすぃ…

それらを踏まえてどっちがいい悪いという話でいうと、どっちもどっちなのじゃないかなと思いますが、
これらの事情でSIer→Web系転職エントリは多いのに、Web系→SIer転職エントリは少ないんじゃないかなと個人的には思っています。
(正直なとこ、SIerだってWeb系の人とか欲しいんですよ?顧客からの引き合いも多かったりするので。 そういう理由からWeb系の社内勉強会やってるとこも多いです。でもなぜかオープン系のカンファレンスではSierって会社の規模比でいうとなかなか見ない気がするのですが… 気のせいだろうか。)

結局のところ

転職のインターバルに関しては、個人的にはSIerからWeb系に行くにせよ、SIerに再度転職するにせよ、1度入社したら3年ぐらいは腰を落ち着けて仕事するのが、得るものが多くて良いと思います。(個人的には、ある程度いろいろ経験しないと他に持っていけるレベルに知見を昇華しにくいんじゃないかな…と勝手に思ってるだけですが。)

転職に関しては情報処理技術者試験を取れていくと、いろんな企業にドアノックしたときの書類選考の通過率が資格が増えるに伴って激増する(貫通率が上がるという表現が一番しっくりくるかも)ので、受かれば突っ込んだ時間以上の価値はあると思います。保険力が強い。(あと、会社をやめたくなってから準備するのでは一手遅い事があるのも悩ましいですね。半年に1回しか受験チャンスがないので。)

あと全然関係ないのですが、どの会社でもSEならIT全部わかってるだろう…とか、誤解がひどいにも程があるのですが、Excel、Word、Powerpointぐらいはある程度触れて人に指導できるようになっておいたほうが無難なきがします。(専門的にやってなくても答えられないとなぜか客に舐められたりするので…)

おわりに

思いついたらまた何か追記します。

例によって、見た人で何か思いついたらなるべくコメントとかで教えていただけるとありがたく…。
ツイッターでもいいよ。(比較的ツイ廃なので(笑))

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