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Hyperapp V2

Last updated at Posted at 2018-10-27

Hyperapp V2がリリースされました。:tada:

2019/03/27 追記:alpha.10に合わせて全面的に書き換えました。(おそらく次のアップデートでイベント名が小文字になる予定です。)
2019/09/14 追記:v2.0.1に合わせて書き換え。
2020/07/15 追記:v2.0.5がリリースされました。ESモジュール化、JSXの直接的なサポート・Payload Creatorが削除、Lazymemoにリネームされています。(本記事に未反映

Hyperappとは

VDOMを搭載した超絶小さい(ソースが読める)JavaScriptフレームワークです。(2KBぐらい)

詳しくはこちら

Hyperapp V2

リファレンス

V2概略図

https://github.com/diontools/hyperapp-learn/raw/master/diag.png

  • Actions
    • Stateの更新
    • Effectの作成
  • Effects
    • 非同期処理 - HTTP要求とか
    • 副作用 - URLの変更(history API)とか
  • Subscriptions
    • グローバルイベントの管理 - Windowイベントとか
    • カスタムイベントストリームの管理 - Timer(setInterval)とか

V1からの変更点

  • State - Action - View でセットだったV1からActionが分離されました(Actionは純粋な関数に変更)
    • ActionからActionを呼び出せなくなりました
  • Actionが分離されたためNested Actionが消滅しました
  • パラメーター付きのActionを呼び出すときはタプルを使います
  • 非同期Actionの代わりにEffectが追加されました
  • イベントの購読とその解除のためのSubscriptionが追加されました
  • ライフサイクルイベントが削除されました(対応策
  • SVGのxlink属性のサポートが削除されました(詳細
  • DOM更新アルゴリズムが変更され高速化しました https://github.com/jorgebucaran/hyperapp/issues/499#issuecomment-403257843
  • renderを実行するタイミングが変更され、待ち時間(setTimeout)なしで実行することで高速化しました

動くサンプルアプリ

数値をカウントするだけのアプリです。JSXで書かれています。

Edit hyperapp v2 alpha

インストール

npm i hyperapp

JSXを使用する場合はbabelのtransform-react-jsxでpragmaにhを指定します。

公開している関数

Hyperappは3つの関数を公開(export)しています。

  • h関数
    • VDOMのノード(VNode)を作成する関数
    • JSXを使用して間接的に利用します(直接使ってもOK:ok_hand:
  • app関数
    • Hyperappアプリのエントリポイント
    • 詳細は後述
  • Lazy関数
    • 後述のLazy Viewで使用するVNodeを作成する関数

Actions

Actionは新しいStateとEffectの作成を行う関数です。次のように書きます。

// Stateのvalueに1を設定するAction
const Foo = state => ({ ...state, value: 1 });

// Payload付きAction
const Foo = (state, payload) => ({ ...state, value: payload.value });

:warning:注意:引数のStateを変更してはいけません。Stateを更新する場合は、常に新しいStateを作成する必要があります。

PayloadはどこからActionが呼び出されるのかによって中身が決まります(後述のdispatch関数を参照)。VDOMのイベントから呼び出される場合はEventが設定されます。

Stateを更新したくない場合は引数のStateをそのまま返せばよいでしょう。

const Foo = state => state;

Actionの戻り値は上記のようにStateを返すほか、後述のEffectを返すパターンもあります。

const Foo = state => [ nextState, nextEffect ];

Effectは続けて複数指定できます。

const Foo = state => [ nextState, nextEffect1, nextEffect2, ... ];

Effects

Effectは非同期処理や副作用を扱います。簡単に言うと、Stateを変更しない動作を行います。

// 指定した時間後に指定したActionを呼び出すEffect Runner
const delayRunner = (dispatch, { action, interval }) => {
  setTimeout(() => dispatch(action, 'delay!'), interval);
};

// delayRunnerを実行するEffectを作成するEffect Constructor
const delay = (action, { interval }) => [
  delayRunner,
  { action, interval }
];

// delayから呼び出されるAction (最終的にtextへ'delay!'が設定される)
const Delayed = (state, payload) => ({ ...state, text: payload });

// Effectのdelayを呼び出すAction (1000ms後にDelaydを呼び出す)
const DelayWithAction = state => [
    state,
    delay(Delayed, { interval: 1000 })
];

delayがEffectを作成する関数(Effect Constructorと呼ばれる)です。

Effectは関数とパラメーターのタプル(配列)であり、関数はEffect Runnerと呼ばれています。

const effect = [effectRunner, parameters]

Effect Runnerでは、第1引数にdelayで作成したパラメーターがそのまま入り、第2引数にActionを実行するdispatch関数が入ります。

dispatch関数

**dispatch**関数は、Actionを実行し、作成されたStateの更新とEffectの実行を行う関数です。おもに第1引数はAction、第2引数はActionパラメーターを渡します。

// ActionとPayload
dispatch(action, payload);

// タプルなPayload付きAction
dispatch([action, payload]);

// Payload Creator付きAction(Effect/Subscription内部やVDOMのイベントで使用)
dispatch([action, payloadCreator], payloadCreatorParameter);

// StateとEffect(Actionの戻り値と同様)
dispatch([newState, newEffect]);

// State(Actionの戻り値と同様)
dispatch(newState);

Actionをdispatchする理由は、ロギングなどで関数名を取得するためです。Actionを自分で呼び出してしまうとdispatch内部においてfunction.nameで関数名(Actionの名前)を取得できなくなります。将来、Hyperappのデバッグツールが作られるときに必要になります。

app関数

app関数でHyperappのアプリを開始します。

app({
  init: { value: 0 },
  view: state => <div>{state.value}</div>,
  subscriptions: state => ...,
  node: document.body,
  middleware: ...,
});

initプロパティ

**init**プロパティには初期化に使うオブジェクトを指定します。

**initプロパティに指定されたオブジェクトはそのままdispatch関数に渡されます。そのため、前述のdispatch**関数で使用できるActionやEffectも使用できます。

init: { foo: 'bar' },
init: InitAction,
init: [InitAction, { foo: 'bar' }],
init: [{ foo: 'bar' }, delay(...)],

nodeプロパティ

**node**プロパティにはレンダリング先の要素(Element)を指定します。

viewプロパティ

**view**プロパティには、VNodeを作成する関数を指定します。引数にStateが渡されます。ボタンのクリックでActionを発生させる場合は次のように書きます。

app({
  view: state => <button onClick={action}>{state.value}</button>
});

JSXを使わずに書くと次のようになります。

app({
  view: state => h("button", { onClick: action }, state.value)
});

小文字のonから始まる属性は、dispatch関数の呼び出しに変換され、addEventListenerで登録されます。(内部で小文字に正規化されます)

また、dispatchされるときデータにEventオブジェクトが設定されます。onClickはClickイベントにevent => dispatch(action, event)が登録されます。

イベント属性に指定した値はdispatchに渡されるため、次のような書き方も可能です。

onClick={[action, payload]}
onClick={[action, payloadCreator]} // 後述
onClick={[newState, newEffect]}
onClick={newState}

Payload Creator

ActionのPayloadを作成する関数をPayload Creatorと呼びます。VDOMイベントに次のように指定すると、第1引数にEventが渡されます。

onClick={[action, ev => ({ value: ev.currentTarget.value })]}

Payload Creatorの戻り値が、指定したActionのPayloadになります。上記の場合、Payloadは{ value }です。

preventDefault()をここで呼び出すこともできます。

onSubmit={[action, ev => ev.preventDefault()]}

PayloadはundefinedpreventDefault()の戻り値)になるので、Payloadを指定したい場合は、次のように書きます。

onSubmit={[action, ev => { ev.preventDafault(); return { value: 1 } }]}

// もしくはヘルパー関数を作って...
const preventDefault = (action, payload) => [action, ev => { ev.preventDefault(); return payload }]
onSubmit={preventDefault(action, { value: 1 })}

key

VNodeに**key**プロパティを指定すると、更新時に同じDOMノードが使いまわされます。

h('div', { key: 'foo' });
<div key="foo" />

class

classプロパティでclasscatライクにclassNameを記述することができます。

// <div class="foo" />
<div class={{ foo: true, bar: false }} />
<div class={['foo', { bar: false }]} />
<div class={'foo'} />

style

**style**プロパティでインラインスタイルを記述することができます。

// <div style="border: solid 1px red" />
<div style={{ border: 'solid 1px red' }} />

subscriptions プロパティ

**subscriptions**プロパティには、Subscriptionオブジェクトの配列を返す関数を指定します。第一引数にStateが渡されます。省略可能。

この関数はStateが変更されるたびに呼び出され、Effectに似たSubscriptionオブジェクトを返します。Effectとの唯一の違いは、Effect Runnerで「購読を解除する関数」を返すところです。

// 指定した時間間隔で指定したActionを定期的に呼び出すEffect Runner
const tickRunner = (dispatch, { action, interval }) => {
  const id = setInterval(() => dispatch(action), interval);
  return () => clearInterval(id); // 購読解除用関数
};

// tickRunnerを実行するSubscriptionを作成するSubscription Constructor
const tick = (action, { interval }) => [
  tickRunner,
  { action, interval }
];

// tickで呼び出されるAction
const action = state => ({ ...state, value: state.value + 1 });

app({
  // valueが1のときにtickを購読
  subscriptions: state => [
      state.enabled && tick(action, { interval: 1000 })
  ],
});

上記の例ではStateのenabledtrueのときtickを購読します。enabledfalseになるとtickが購読解除されます。

:warning:注意:Subscriptionを定義する場合、effectプロパティに指定するEffect Runnerは別変数に格納しておきましょう。匿名関数を使用すると正しく購読が継続されません。effectの値が別オブジェクトと認識され、Stateが変化するたびに再講読されてしまいます。

Subscriptionsは複数のSubscriptionオブジェクトを返せます。

app({
  subscriptions: state => [
    tick(...),
    foo(...),
  ],
});

EffectとSubscriptionのライブラリ

基本的なEffectとSubscriptionはhyperapp-fxで定義済みです。
hyperapp-fx
https://github.com/okwolf/hyperapp-fx/tree/HAv2

middlewareプロパティ

**middleware**プロパティには、次のような関数を指定することで、dispatchされるときに処理を挟むことができます。省略可能。

app({
  middleware: dispatch => (action, payload) => {
    console.log('dispatching', action, payload);
    dispatch(action, payload);
    console.log('dispatched', action, payload);
  }
})

Lazy View

Lazy Viewは、Stateが変化しないときにVDOMを使いまわすパフォーマンス向上機能です。

VDOMを使いまわすことでDOMに反映させる処理がスキップされますが、Lazy VNodeの浅い比較処理があるため、小さいVDOMだと逆効果。

また、Lazy ViewはV1のLazy Componentsとはまったく関係ありません。

import { h, Lazy, app } from "hyperapp";

// autoが変化したときのみにレンダリングされる部分
const lazyView = props => (
  <p>
    auto:{props.auto ? "enable" : "disable"}
    <br />
    update: {new Date().toISOString()}
  </p>
);

app({
  view: state => (
    // ...
    {Lazy({ view: lazyView, key: "lazy-view", auto: state.auto })}
    // ...
  )
})

JSXで書くことも可能です。

<Lazy view={lazyView} key="lazy-view" auto={state.auto} />

**Lazy関数でLazy View用のVNodeを作ります。Lazy**関数では、renderプロパティやkeyプロパティなどを持つオブジェクトを渡します。

renderプロパティには、VNodeを作成する関数を指定します。この関数の引数には**Lazy**に指定したオブジェクトが渡されます。

keyプロパティには、キーとなる文字列を指定します。これはLazy VNodeを効率よく使いまわすための識別子となります(通常のVNodeのkeyと同じ)。必須ではないですが、付けることが推奨されています。

renderkey以外のプロパティを指定することで、指定した値が変化したときにrenderが実行されます。

おわりに

モジュール化に関してはよくわかっていません。:innocent:

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