🧩 第1章:導入(直観と厳密性の橋渡し)
🎯 目的:
- 数列や関数の極限、連続性の直観を厳密な言葉に翻訳できるようにする。
📚 内容:
- 実数の性質(順序体・上限性・可算性)
- ε-δ 論法による極限・連続の定義
- 単調収束定理・ボルツァーノ–ワイエルシュトラスの定理
- 数列・関数列の収束(点収束、一様収束)
🧩 第2章:関数の解析(微分・積分の抽象理論)
🎯 目的:
- 高校数学の「感覚的な微積分」を、極限・収束・近似の理論として定義し直す。
📚 内容:
- 微分可能性と連続性の関係(例:微分可能だが連続でない例)
- リーマン積分とその限界
- 有界変動関数、微分積分学の基本定理
- 関数列の一様収束と交換可能性
🧩 第3章:ルベーグ理論と測度論
🎯 目的:
- 「測れる」という概念を形式化し、より広い積分理論を学ぶ。
📚 内容:
- σ加法族、測度空間、可測関数
- ルベーグ積分の定義
- モノトーン収束定理、ファトゥの補題、優収束定理
- $L^p$ 空間の定義とノルム構造
🧩 第4章:関数解析入門(無限次元空間の解析)
🎯 目的:
- 微分方程式・量子力学・最適化問題に共通する基盤「線形空間+ノルム」の世界を理解。
📚 内容:
- ノルム空間・バナッハ空間・ヒルベルト空間
- 有界線形作用素、連続性と有界性の同値性
- ハーン・バナッハの定理、バナッハの不動点定理
- リース表現定理、スペクトル理論入門
🧩 第5章:応用と現代的展開
🎯 目的:
- PDE(偏微分方程式)、確率解析、数理ファイナンスなど、応用分野に接続。
📚 内容:
- Sobolev空間と弱微分
- ヒルベルト空間での固有値問題
- Fokker-Planck方程式、Langevin方程式の解釈
- 変分法、最適化問題と双対性
🧭 カリキュラム進行例(目安)
レベル | 期間 | 主教材 | ゴール |
---|---|---|---|
初級 | 1〜3ヶ月 | 解析入門、解析概論 | ε-δ 論法の理解、極限・収束・積分の厳密化 |
中級 | 3〜6ヶ月 | ルベーグ積分、関数解析入門 | $L^p$ 空間・作用素の取り扱い |
上級 | 6ヶ月〜 | PDE、測度付き確率解析 | 無限次元での構造理解、応用展開 |