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Lem のキーバインド

Last updated at Posted at 2018-10-13

はじめに

以前から興味のあった Lem に入門したので、キーバインドをまとめてみました。

普段は主に Vim を使用しているため、Emacs 系のエディタには詳しくありません。

もし間違い等がありましたらごめんなさい。

Lem のキーバインド

キーバインドの実装

キーバインドの実装は global-keymap から探すことができます。

キーバインドのヘルプ

キーバインドに対応するコマンドは、キーバインドのヘルプから確認することができます。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-x ? describe-key キーバインドのヘルプ ctrl-x shift-/

カーソルの移動

カーソルを移動させるキーは以下の通りです。

        M-v
         p
         ^
         |
 a  b <--+--> f  e
         |
         V
         n
         v
キーバインド コマンド 意味 補足
M-g goto-line 指定した番号の行に移動する
C-p previous-line 一行上に移動する
C-n next-line 一行下に移動する
C-f forward-char 一文字右に移動する
C-b backward-char 一文字左に移動する
C-a move-to-beginninC-of-line 行頭に移動する Home
C-e move-to-end-of-line 行末に移動する End
M-f forward-word 次の単語に移動する C-Right は動作確認できず
M-b previous-word 前の単語に移動する C-Left は動作確認できず
M-} forward-paragraph 次のパラグラフに移動する
M-{ backward-paragraph 前のパラグラフに移動する
C-v next-page 次のページに移動する PageDown
M-v previous-page 前のページに移動する PageUp
C-x ] next-page-char 次の改ページへ移動 次の ^L へ移動
C-x [ previous-page-char 前の改ページへ移動 前の ^L へ移動
M-< move-to-beginninC-of-buffer バッファの一番最初に移動する
M-> move-to-end-of-buffer バッファの一番最後に移動する
M-m back-to-indentation-command カーソル行の最初の空白ではない文字に移動する

C-x [ は実質的にバッファの先頭に移動するキーとして使用可能です。

C-x ] は実質的にバッファの末尾に移動するキーとして使用可能です。

テキストの編集

文字列補完

/Tab で文字列を補完できます。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-x / abbrev-with-pop-up-window 文字列補完ウィンドウを表示する
M-/ abbrev 文字列を補完する 繰り返し入力すると補完候補が変わる
Tab indent-line-and-complete-symbol インデントの挿入とシンボルの補完 シンボルの補完はモードに依存

a の後ろにカーソルを配置して C-x / を入力すると activeapropos が候補として表示されます。

lisp-mode で Common Lisp のキーワードなどの入力中に Tab を押すと補完候補が表示されます。

文字の削除

削除系のキーバインドは以下の通りです。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-h delete-previous-char カーソル直前の文字を削除 delete
C-d delete-next-char カーソル位置の文字を削除 delete
C-k kill-line カーソル位置から行末までを消去 kill 連続で実行すると複数行をコピー
C-u <n> C-k -- n 行削除 kill
C-x C-o delete-blank-lines 連続する空行をまとめて消去 kill
M-k kill-paragraph カーソル位置以降のパラグラフを削除 kill
M-C-h backward-delete-word カーソル直前の単語を消去 kill M-Backspace
M-d delete-word カーソルの後ろの単語を消去 kill C-Delete は動作確認できず

ペースト

kill した内容は yank することができます。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-y yank ヤンク ペースト
M-y yank-pop 履歴を遡ったヤンク C-y の後に M-y を入力

delete した内容は yank できないので、必要な場合は undo します。

改行とインデントの操作

キーバインド コマンド 意味 補足
C-m newline 改行 Return
C-o open-line カーソルの後ろに改行を入力する
C-j newline-and-indent 改行とインデント プログラミングで使用する
M-^ delete-indentation インデントを削除

範囲選択

C-@ で範囲選択を行えます。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-@ mark-set マークを設定する 範囲選択の開始 C-Space
C-w kill-region 範囲選択を終了し、選択範囲の文字列を消去する kill
M-w copy-region 範囲選択を終了し、選択範囲の文字列をコピーする
C-x C-x exchange-point-mark マークを設定した位置とカーソル位置を入れ替える カーソル位置はマークが設定された位置に移動する
C-x h mark-set-whole-buffer バッファ全体をマークする

矩形選択モード

C-x Space で矩形選択モードに移行します。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-x Space rectangle-mark-mode 矩形選択モードを開始
C-w kill-region 範囲選択を終了し、選択範囲の文字列を消去する kill
M-w copy-region 範囲選択を終了し、選択範囲の文字列をコピーする
C-o rectangle-open 選択範囲に空白を挿入する
C-t rectangle-string 選択範囲を指定した文字列で置き換える
C-x C-x exchange-point-mark マークを設定した位置とカーソル位置を入れ替える カーソル位置はマークが設定された位置に移動する

undo と redo

  • アンドゥは C-\
  • リドゥは C-_

ここは Emacs とは異なるようです。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-\ undo アンドゥ
C-_ redo リドゥ

繰り返し

同じ操作を繰り返し実行する際に使用できます。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-u <n> universal-argument 繰り返し実行 C-u <n> の後にキーを入力すると n 回実行される
C-u - universal-argument-minus 回数にマイナスを指定する
M-<n> universal-argument-0 n 回繰り返し n は 0 ~ 9

C-u を連続して入力すると、繰り返す回数が増えます。

検索

Emacs 系といえばインクリメンタルサーチ。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-s isearch-forward 前方検索 大文字小文字を区別しない
C-r isearch-backward 後方検索 大文字小文字を区別しない
C-M-s isearch-forward-regexp 正規表現で前方検索
C-M-r isearch-backward-regexp 正規表現で後方検索
M-s _ isearch-forward-symbol 前方へのシンボル検索 プログラミングで使用
M-s M-_ isearch-backward-symbol 後方へのシンボル検索 プログラミングで使用
M-s . isearch-forward-symbol-at-point カーソルの近くにあるシンボルを前方検索

置換

キーバインド コマンド 意味 補足
M-% query-replace 置換

ミニバッファで Before に置換前の単語、After に置換後の単語を入力し、y を入力すると文字列を置換できます。

文字変換

大文字・小文字の変換などをサポートしています。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-t transpose-characters 前後の文字を入れ替える
M-u uppercase-word 単語を大文字に変換する
M-l lowercase-word 単語を小文字に変換する
C-x C-u uppercase-region 選択範囲の文字列を大文字に変換する
C-x C-l downcase-region 選択範囲の文字列を小文字に変換する
M-c capitalize-word 先頭の文字を大文字に、後続の文字を小文字に変換する
M-Space just-one-space 複数の連続した空白文字を一つの空白文字にまとめる

文字入力

特殊な文字列入力キーです。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-q quoted-insert 入力をエスケープしない Ctrl-v のような感じ
M-( insert-() () を入力する
M-) move-over-) 閉じ括弧を探して改行とインデントを挿入する

キーボードマクロ

一連の操作をマクロとして記録し、再実行することができます。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-x ( kbdmacro-start キーボードマクロの記録開始
C-x ) kbdmacro-end キーボードマクロの記録終了
C-x e kbdmacro-execute キーボードマクロの実行

Lisp プログラムの操作

Lem はフルセットの Common Lisp 処理系で実装されているため、Lisp プログラムの実行機能や、S 式の編集機能がデフォルトで備わっています。

プログラムの評価

キーバインド コマンド 意味 補足
M-: self-lisp-eval-string 指定した Lisp プログラムを実行する プログラムはミニバッファで指定する
C-x C-e self-lisp-eval-last-expression カーソル直前の Lisp プログラムの評価 実行結果はミニバッファに出力される

S 式の操作

キーバインド コマンド 意味 補足
M-C-f forward-sexp 次の S 式へ移動する
M-C-b backward-sexp 前の S 式へ移動する
M-C-n forward-list 次のリストへ移動する
M-C-p backward-list 前のリストへ移動する
M-C-d down-list 内側のリストへ移動する
M-C-u backward-up-list 外側のリストへ移動する
C-M-@ mark-sexp S 式にマークを設定する 英語キーボードでは使用できない
M-C-k kill-sexp S 式を消去する kill
M-C-t transpose-sexps 前の S 式と入れ替える

M-C-@ は英語キーボードでは M-2 と重複しているため、実行することができません。

バッファの操作

Emacs と同様、Lem も複数のバッファを扱うことができます。

キーバインド コマンド 意味 補足
M-= count-words バッファの行数、単語数、文字数を集計する
C-x C-f find-file ファイルを開く 後述
C-x C-r read-file ファイルを読み取り専用で開く
C-x C-q toggle-read-only 読み取り専用・書き込み可能の切り替え
C-x Tab insert-file 現在のバッファに指定したファイルの中身を挿入する
C-x C-b list-buffers *Buffer Menu* を表示する
C-x b select-buffer ウィンドウに表示するバッファを変更する
C-x Left previous-buffer 前のバッファに移動する
C-x Right next-buffer 次のバッファに移動する
C-x k kill-buffer バッファを閉じる
C-x C-s save-buffer バッファを保存する
C-x C-w write-file 指定したファイル名でバッファを保存する
C-x s save-some-buffers 保存が必要なファイルを保存するか順番に確認する

C-x C-f の動作

  • 存在しないファイル名を指定すると新規にファイルを作成できます
  • すでに開かれているファイル名を指定すると、そのファイルのバッファに移動します

*Buffer Menu* の操作

まず g を入力して表示を更新してから操作すると良いようです。

キーバインド コマンド 意味 補足
q quit-window メニューを終了する
d menu-delete バッファを削除する
Return menu-select-this-window バッファを選択する
C-x o other-window 他のウィンドウへ移動する
o menu-select-switch-other-window 選択したバッファを他のウィンドウで開く
n menu-next-line メニューの次の項目に移動する
p menu-previous-line メニューの前の項目に移動する
m menu-mark-and-next-line マークをつける
u menu-unmark-and-next-line マークを解除する
U menu-unmark-and-previous-line マークを解除する
g menu-update メニューを更新する

ウィンドウの操作

複数のウィンドウを表示して操作することができます。

ウィンドウ分割

キーバインド コマンド 意味 補足
C-x 0 delete-current-window 現在カーソルのあるウィンドウを閉じる
C-x 1 delete-other-windows 他のウィンドウを閉じる
C-x 2 split-active-window-vertically 上下にウィンドウを分割する
C-x 3 split-active-window-horizontally 左右にウィンドウを分割する
C-x o other-window 他のウィンドウに移動する
M-o other-window 他のウィンドウに移動する
C-x ^ grow-window ウィンドウサイズを上下に大きくする
C-x C-z shrink-window ウィンドウサイズを上下に小さくする
C-x } grow-window-horizontally ウィンドウサイズを左右に大きくする
C-x { shrink-window-horizontally ウィンドウサイズを左右に小さくする
C-x 4 f find-file-other-window 指定したファイルを新規ウィンドウで開く
C-x 4 r read-file-other-window 指定したファイルを読み取り専用で新規ウィンドウで開く
C-x 4 b select-buffer-other-window 指定したバッファを新規ウィンドウで開く

画面スクロール

キーバインド コマンド 意味 補足
C-l recenter カーソル位置が中央になるようにスクロールする
C-u C-v -- 4 行上にスクロールする
C-u <n> C-v -- n 行上にスクロールする
C-u M-v -- 4 行下にスクロールする
C-u <n> M-v -- n 行下にスクロールする

エディタの操作

  • C-g は非常に重要なキーです
  • エディタの終了は C-x C-c です
キーバインド コマンド 意味 補足
C-g keyboard-quit 中断
C-x C-c exit-lem Lem を終了させる

C-g の機能

  • 入力途中のコマンドを終了
  • 検索を終了
  • 時間がかかっているコマンドを停止

コマンドの入力

Lem のエディタ拡張機能にアクセスするキーです。

キーバインド コマンド 意味 補足
C-x -- キープリフィクス 複合キーバインドの先頭部分
M-x execute-command コマンド名でコマンドを指定して実行する

コマンド名はタブキーで補完することができます。

OS コマンドの実行

キーバインド コマンド 意味 補足
C-x @ pipe-command ミニバッファに入力した OS コマンドを実行し、結果を取得する
C-x # filter-buffer ミニバッファに入力した OS コマンドに現在のバッファの内容を渡して実行。結果をバッファに書き戻す。

C-x # してからミニバッファに wc -l と入力すると、現在のバッファの行数がカウントされ、コマンドの出力でバッファが上書きされます。

macOS では、C-x #filter-buffer を実行し、pbcopy コマンドを指定するとバッファの内容を OS のクリップボードにコピーできます。

空いているキー

以下のキーには、現時点ではコマンドが割り当てられていません。

Ctrl

キーバインド
C-z
C-c

Meta

キーバインド
M-p
M-n
M-r

入力ができないキー

以下のキーバインドは macOS では使用できませんでした。

OS の設定の変更を行った場合や、他の OS では使用可能かもしれません。

キーバインド コマンド 動き
C-M-@ mark-sexp 英語キーボードでは M-2 と衝突
C-Space mark-set マークを設定する
C-Right forward-word 次の単語に移動する
C-Left previous-word 前の単語に移動する
C-Delete delete-word カーソルの後ろの単語を消去
C-Down scroll-down macOS のショートカットと衝突
C-Up scroll-up macOS のショートカットと衝突

不明なキー

以下のキーは使い方がよくわかっていません。

キーバインド コマンド 動き
C-] -- Interrupt が発生する
M-~ unmark-buffer

ソースリスト

キーバインド コマンド 動き
C-x n sourcelist-next --
C-x C-n sourcelist-next --
C-x p sourcelist-previous --
C-x C-p sourcelist-previous --

Lem には存在しないキー

以下は Emacs には存在していて Lem に存在しないキーの一部です。

キーバインド Emacs での意味
C-h ヘルプ
C-z エディタを一時停止する
M-C-v 他のウィンドウをスクロールさせる
Esc Esc Esc 抜け出し
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