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やさしいD言語クイズ(その3)

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はじめに

やさしいD言語クイズの第3回です。
クイズを通して、D言語の言語仕様を紹介しています。これをきっかけにD言語に興味を持ってもらえると幸いです。
参考までに、過去2回の出題内容を紹介します。

クイズの前提

Online D Editor(2022/12/10現在)での実行結果をクイズの正解とします。

Online D Editorの環境情報(2022/12/10現在)

import std.stdio;

void main(){
  writeln(__VENDOR__);
  writeln(__VERSION__);
}
実行結果
Digital Mars D
2099

問題7

ソースコードをコンパイル、実行すると、どんな出力結果になるでしょうか。

import std.stdio;
void main(){
    enum {
        A,
        B,
        C = E + 1,
        D = 7,
        E
    }
    writeln(A, B, C, D, E);
}

問題8

ソースコードをコンパイル、実行すると、どんな出力結果になるでしょうか。

import std;
void main()
{
    int[4] a = [1, 2, 3, 4];
    int[4] b = 2 * a[] - 1;
    int[4] c = a[] * a[] - b[];
    writeln(a);
    writeln(b);
    writeln(c);
}

問題9

ソースコードをコンパイル、実行すると、どんな出力結果になるでしょうか。

import std;

struct zoo
{
    static string[string] cage;
    void opDispatch(string s1)(){
        string s = s1;
        foreach ( key; cage.keys ){
            s = s.replace(key, cage[key]);
        }
        writeln( s );
    }
    static void opCall(string[] s ...){
        foreach ( i; 0 .. s.length / 2 ){
            cage[s[i * 2]] = s[i * 2] ~ s[i * 2 + 1];
        }
    }
}

void main()
{
    zoo z;
    with ( z ){
        zoo("カモ", "🦆", "シカ", "🦌", "ウシ", "🐄🐂");
        カモシカのようなウシ;
    }
}

ここから回答編です。ネタばれ注意!!

問題7の答え

問題7の実行結果
実行結果
01978

答えへの補足

enum(列挙型)についての問題です。

  • 最初の要素であるAには、値の指定がないので、初期値の0が代入されます。
  • 次のBにも値の指定がないのでA1を加えた1が代入されます。
  • Cは、後方のEの値が決まってから、値が確定します。
  • Dには7が代入され、次のEは、D1を加えた8が代入されます。
  • Eの値が決まったので、C9になります。

問題8の答え

問題8の実行結果
実行結果
[1, 2, 3, 4]
[1, 3, 5, 7]
[0, 1, 4, 9]

答えへの補足

ベクトル演算についての問題です。

  • 2 * a[] - 1では、配列aの各要素に2をかけて1を引く演算を行います。
2 \times \vec{a} - 1 = 
2
\times
\begin{pmatrix}
2 \times 1 - 1 \\
2 \times 2 - 1 \\
2 \times 3 - 1 \\
2 \times 4 - 1 \\
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
1 \\
3 \\
5 \\
7 \\
\end{pmatrix}
  • a[] * a[] - b[]では、配列の各要素同士で演算を行います。
\vec{a} \times \vec{a} - \vec{b} = 
\begin{pmatrix}
1 \times 1 - 1 \\
2 \times 2 - 3 \\
3 \times 3 - 5 \\
4 \times 4 - 7 \\
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
0 \\
1 \\
4 \\
9 \\
\end{pmatrix}

問題9の答え

問題9の実行結果
実行結果
カモ🦆シカ🦌のようなウシ🐄🐂

答えへの補足

関数のオーバーロード、連想配列、可変長引数を扱った問題です。

  • mainzoo関数はopCallと紐づいています。(関数呼出しのオーバーロード)
  • opCallの引数はstring型の可変長と定義しています。string型の動的配列のように扱えます。
  • カモシカのようなウシは関数です。opDispatchに紐づけられます。(フォワード機能)
  • opDispatchs1カモシカのようなウシが代入されます。
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