ドメインとIPアドレスとは?
インターネット上で通信を行うためには、ネットワーク上の「住所」に相当する仕組みが必要です。この「住所」に当たるものがIPアドレスであり、人間が覚えやすい形に変換したものがドメイン名です。この記事では、両者の役割や仕組みについて詳しく解説します。
IPアドレスとは?
IPアドレス(Internet Protocol Address)は、インターネット上の機器を一意に識別するための番号です。
インターネットで通信するためには、送信元と送信先のIPアドレスが必要になります。
(郵便や宅急便でも送り元と送り先が必要なのと同じイメージ)
IPアドレスの種類
IPv4
形式: 192.168.1.1 のような「ドットで区切られた4つの10進数」
特徴: 32ビットで構成され、約43億個のアドレスが利用可能
課題: アドレスの枯渇が問題になっている
IPv6
形式: 2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334 のような「16進数とコロンを使用した形式」
特徴: 128ビットで構成され、ほぼ無限のアドレスを提供可能
メリット: セキュリティやパフォーマンスが向上
ちなみにGoogle社がIPv6の利用率を統計で算出してくれています
記事投稿時点(2024/12)では世界的には約46%の利用率だそうです。(日本は51.2%)
IPv6でなぜセキュリティやパフォーマンスが向上するのか
- セキュリティ向上
- IPv6はIPsec(IP Security)を標準でサポートしている
- IPsecは、データの暗号化と認証を行い、安全な通信を実現するプロトコル
- IPv4ではアドレス枯渇問題を解決するためにNATが使われていたが、IPv6はNATがなくとも十分なアドレス空間があるので不要となる。→シンプルなネットワーク構成になる
- IPv6のヘッダー構造は柔軟で、セキュリティ関連の拡張を容易に追加できる
- IPv6はIPsec(IP Security)を標準でサポートしている
- パフォーマンス向上
- IPv6のパケットのヘッダは、IPv4に比べて構造がシンプルなため、パケットの処理速度が高い
- 前述の通りNATの処理が不要となる
ドメインとは?
ドメイン名は、IPアドレスを人間が扱いやすい形に変換したものです。例えば、192.168.1.1 のような数字の列を覚える代わりに、example.com のような文字列を使えます。
ドメイン名の構造
ドメイン名は階層構造になっており、右から左に向かって特定されます。 例: www.example.com
.com: トップレベルドメイン(TLD)
example: セカンドレベルドメイン
www: サブドメイン
ドメイン名の役割
識別性: サービスや企業を表す分かりやすい名前を提供
利便性: 数字よりも覚えやすい
柔軟性: IPアドレスが変わっても、ドメインを変更する必要はない(後述のDNSの仕組みで解決)
ドメインとIPアドレスを結びつける仕組み: DNS
DNS(Domain Name System)は、ドメイン名を対応するIPアドレスに変換する仕組みです。
これにより、ユーザーは「www.example.com」と入力するだけで、対応するサーバーにアクセスできます。
DNSの流れ
- ユーザーがブラウザでwww.example.comを入力
- ブラウザがDNSサーバーに問い合わせを行う
- DNSサーバーが対応するIPアドレス(例: 192.0.2.1)を返す
- ブラウザがそのIPアドレスにアクセス
ドメイン名の取得と管理
ドメイン名の取得方法
- ドメインレジストラ(例: お名前.com、GoDaddy)で希望の名前を検索し、利用可能であれば購入
- 購入後、利用するサーバーのIPアドレスと紐付ける設定を行う(DNS設定)
管理上の注意
- 有効期限が切れないように更新を忘れない
- ブランドに関連したドメイン名を先に確保する
- 基本的には早いもの勝ちなので
まとめ
IPアドレス:インターネット上でデバイスを識別するための「住所」
ドメイン名:IPアドレスを覚えやすくした「名前」
DNS:両者を橋渡しする重要な仕組み