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31歳ゲームプログラマの転職活動 in カナダ

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この記事は転職 Advent Calendar 2016の4日目の記事です。

はじめに

どうしても海外で仕事をしてみたくて2015年末にカナダに渡り、運よくモントリオールで仕事を見つけ2016年2月から働き始めて9ヶ月が経ちました。日本にいたころ、海外で働いている人達のブログや体験談は、貴重な情報であり、モチベーションの源でした。今、自分自身がカナダで体験した転職活動の情報を残しておくことが、これから海外で働いてみたいと思っている人にとってなにかしら参考になれば幸いです。

自己紹介

  • ゲームプログラマ(男性)
  • 31歳(カナダ渡航時点)
  • 3年制専門学校卒業
  • TOEICスコア805

日本での職歴は、中規模なA社に新卒で入社して8年、その後かなり小規模なB社で2年10ヶ月働きました。どちらの会社でも任天堂のゲーム機向けの開発が中心でした。日本出発直前の2015年10月末日でB社を退職しました。

2015年11月中旬、カナダのトロントに到着し、ワーキングホリデービザで入国。1か月間語学学校に行ったあと、翌2016年2月中旬にモントリオールのモバイルゲーム会社からジョブオファーをもらって、2月末日にモントリオールに移動して仕事開始しました。

オファーをもらうまでの間、10社くらい応募して採用プロセスに進めたのはそのうち3社でした。最終的にジョブオファーを受けた会社の体験を中心に、カナダ以外にも日本国外の会社を2社受けた事があるので、それらの経験を踏まえて書いていこうと思います。

会社を探す

Google検索やLinkedInを使って、募集ポジションが自分の職歴とマッチする会社を探しました。カナダでも、日本と同じようにモバイルゲーム開発の求人がたくさん見つかりましたが、そのほとんどがUnityの経験必須でした。Unityの経験が全くない自分では無理と判断して、それらはほぼ除外し、C++の経験が活きるコンシューマ系のゲーム会社を主体に応募しました。最終的にはC++でモバイルゲームを開発している会社で働く事になりましたが、3年以上のUnityの経験がある人なら、会社探しの幅は広がると思います。

ビザの更新について

ワーキングホリデービザを取得すれば1年間、事実上制限なくカナダ国内で働く事ができますが、今のビザが切れた後、会社は外国人一時労働者を雇うための手続きをする必要があり、手間もコストもかかります。その為、その手続きに慣れていてコストを払える会社でないと外国人を雇うのは難しくなります。実際にある会社からは「あなたのスキルと職歴はImpressiveだけど、今探してるのはFull-TimeでPermanentのポジションだし、ビザの更新はこちらでは出来ないので、今回は見送らせてほしい」と言われました。

LinkedIn活用

LinkedInのプロフィールを英語で書いておくと、国内外のリクルーターから、頻繁にコンタクトが来るようになります。こちらの職歴とのマッチングを無視したポジションの提案も多いですが、LinkedInをきっかけにして海外の会社の採用プロセスを受けてみるチャンスが広がるので、活用してみる価値はあるとおもいます。英語の求人メールに返事を書いたりするのも、ちょっとした英語の練習になります。他の人のプロフィールを見て、自分のプロフィールや履歴書の書き方の参考にしていました。

フランス語

モントリオールはカナダ第二の都市にして、最大のゲーム産業規模を擁する街なので、多くのゲーム会社がありますが、モントリオールが属するケベック州は公用語がフランス語なため、求人情報でも「フランス語ができる」か「仏英バイリンガル」が求められる事が多いです。今勤めている会社は「英語ができればフランス語はあとから勉強してくれればいい」と言うスタンスでした。同僚はケベコワ(ケベック生まれの人)とフランス人がほとんどなので、彼らはフランス語で会話しますが、外国人がいる場合は英語で喋る、と言うような2か国語環境になっています。

履歴書を送る

履歴書は日本にいる時にGoogleドキュメントで作成済みで、あとは応募先の会社に合わせてカバーレターを作って送るだけにしておきました。カバーレターもいくつかのパターンのドラフトは作ってありました。どちらもインターネットで色々なバリエーションのサンプルを入手することができます。

履歴書

日本のように定型化されたフォーマットはなく、とにかく簡潔で、伝えたい情報をわかりやすく、最初に持ってくることが大事です。1ページ、ないし最大でも2ページ。僕は2ページでした。氏名、住所、電話番号、Skypeアカウント、メールアドレス、ポートフォリオWebサイトのURLから始まり、経験年数と役割、持っているスキルと使えるツール、プロジェクトごとの詳細な職歴(時系列降順)、最後に学歴と言語能力、と言う順番でした。

カバーレター

カバーレターは、職歴の概要や意気込み、キャリアの目標、なんで自分がその会社にマッチするのか、などを書く1ページの短いドキュメントです。履歴書が情報の箇条書きなのに対して、カバーレターでは熱意があって、マッチするスキルも持っていて、あなたの会社で働きたいんや!と言うことをとにかく強調しました。加えて、ワーキングホリデービザを持っていて、すぐに働き始める事ができる事も明記しておきました。

電話面接

送った履歴書に先方が興味を持ってくれた場合、向こうから電話かメールでコンタクトがあります。
電話は日中突然かかってくる場合があるので、英語で電話する練習をしておくとよいでしょう。僕は普段でも聞き取りに苦労するので、電話はより一層緊張します。最初のコンタクトがメールの場合は、その後の電話面接やWebテストなどの日程をすり合わせてから臨むことになります。

電話面接で技術面で突っ込んだ会話はほとんどありませんでした。一例ですが、

  • 前の会社を退職した理由
  • その会社を志望した理由
  • いつから働き始められるか
  • 希望年収

などです。電話面接の段階でビザのステータスと、ビザ更新をサポートしてもらえる事を確認しておきましょう。

Skype面接

電話面接に通過すると面接に進みます。今まで受けたどの会社も物理的に距離が離れていたので、実際に会社に出向いての面接をしたことはなく、すべてSkype面接でした。今勤めている会社も、採用してくれた担当者に直接会ったのは最初の出社日でした。

面接での質問は、

  • 今までのプロジェクトで一番困難だったのはどれか。その理由も。
  • あなたのC++レベルは1~10で表現するとしたらどの程度か。
  • 言語やツールについての知識について技術的な質問

などでした。
職種に限らず、面接のアドバイスや実際の質問を聞いてそれに答えるタイプの面接訓練ビデオがYouTubeでたくさん見つかるので、それらを使ってとにかくたくさん練習してから本番に臨みました。

コーディングテスト

ある会社のSkype面接は、二人一組の面接担当者二組と立て続けに面接とコーディングテストを行うと言うハードなものでした。3時間近くかかりました。面接よりもコーディングの方に比重が置かれていた印象です。Paiza.ioみたいなオンラインコーディングのプラットフォーム上で、担当者が問題を出し、そのコードを書いてる過程も画面上でチェックされます。よく出るテストの内容は「文字列を反転する関数を作る」とか「フィボナッチ数列を出力する関数を作る」など、ネット上で色々と見つける事ができます。
あがり症の僕は担当者に見られながらコーディングするのは本当に緊張しました…ちなみに結果は不採用でしたが、3か月後にその会社は解散していました。

Webテスト

会社によってはWebブラウザ上で受けられるテストを行う場合があります。Skype面接とどちらが先に行われるかは会社によります。コーディング、プログラミング知識、アンケート的なものまで問題の内容や量は会社によって様々です。制限時間は1~3時間と、結構長丁場になる場合がありますが、面接官に見られてやるわけではないので少し気が楽です。

リファレンスをもらう

Skype面接の数日後、「以前の会社にあなたの事を聞きたいんだけど」と確認の電話が来たので、こちらで日本で勤めていた会社に連絡を取って、連絡窓口になってくれる人のメールアドレスをもらい、先方にそれを伝えました。幸いどちらの会社にも一緒に働いたことがある人がいたので、リファレンスはスムーズに進んだようです。カナダでは前の職場にその人の評価を聞くことはよくあるようなので、日本の会社で強い信頼関係を気付いておけば、大きなプラスになるでしょう。

オファー

リファレンスの連絡先を伝えた2日後には、電話でジョブオファーの連絡があり、待遇や年収もこの時確認されました。2週間後にはモントリオールに移動し、すぐ業務開始しました。

まとめ

12月末から応募を開始して、1月はほとんど返事もなく焦っていましたが、今の会社はとてもスピーディーに採用を決めてくれました。実際に働き始めてみると、自分が日本で培ってきた知識や技能がちゃんと役に立っている実感があってとても嬉しいです。とにかく、タイミングよくお互いに必要としている会社と出会えたなぁ、と思います。

正直に言って「カナダでの職探しがうまく行くかわからない。怖い。」と言う理由で、ワーキングホリデーの受付年齢ギリギリまで出発を先送りにしてこのタイミングになってしまいましたが、日本にいたころから

  • 日常英会話の習得
  • 必要書類の準備と添削
  • 英語での面接や電話の練習

などの準備をしていたので、現地到着後の活動をうまく運ぶことができたと思っています。どれも一朝一夕で出来る事ではないので、コツコツと続けることで、いつかくるチャンスをモノにできる可能性が上がるのではないでしょうか。

最後に、海外職探し3つの心得(ソース紛失)を紹介して終わりたいと思います。ありがとうございました。

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